★[特撮ドラマ]ウルトラQの感想(第01話 ゴメスを倒せ!、第02話 五郎とゴロー、第03話 宇宙からの贈りもの、第04話 マンモスフラワー)再作成版

2022年8月14日特撮ドラマ, 番組

一話目からゴメス登場。モノクロなので想像力が掻き立てられます。ナメゴン、マンモスフラワーも迫力あります。

★ 作品全体の情報、感想はこちら( ウルトラQのすべて )をご覧ください

◆【001】ゴメスを倒せ!

◆ ストーリー

弾丸道路の工事中、トンネルの中に怪獣が現れる。古生物好きの少年ジローは、それは古代怪獣ゴメスではかと考える。

◆ データ


初回放映:1966年01月02日
初回視聴率:32.2%
製作順:12
怪獣:古代怪獣ゴメス、原始怪鳥リトラ
アイテム:シトロネラアシッド
スーツアクター:中島春雄
監督:円谷一
脚本:千束北男
特技監督:小泉一
英文タイトル:Defeat Gomess!

ゲスト:
富田仲次郎(東海弾丸道路・中村作業係長)
山本廉(建設作業員B)
大村千吉(建設作業員A(アル中作業員))
森野五郎(金峰山洞仙寺・住職)
村岡順二(次郎)
関田裕(作業員)
山田圭介(学者B)
勝本圭一郎(学者A)
江原達怡(毎日新報・新田記者)
小宮山清(次郎の声)

 

◆ 感想(ネタバレ注意!)

弾丸道路っては東名高速(開通1968年)のことかな。地下にあんな巨大怪獣がいるって難しいような。ゴメス眉毛濃すぎ。

ジロー君の声をどこかで聞いたことがある声と思ったら、明日のジョーの青びょうたん、青山君。小宮山清という人か・・・。あ、風のフジ丸で主役はってる!
こんな子供だったんだ、痩せているイメージだったのに・・・と思ったら、実は吹き替え。演じているのは村岡順二という子役らしい。

大村千吉の工夫(こうふ)。本当にゴメスを見たとしてもこんなには驚けないだろうというくらいの驚きリアクション、トラウマ感が心地いい。アル中ではこうはならないに違いない。

トンネルの中にトンネル!? 写真に撮れば一目瞭然って、 桜井浩子初々しい!

金峰山仙洞寺の古文書に怪獣の正体。ゴメテウス、リトラリア、シトロネラアシッド・・・。この説明で納得してくれる60年代の子供達って純粋だなぁ。80年代の子供だったら斬り捨て、00年代の子供だったら理解不能に違いない。

ゴメス対万城目 。カメラのフラッシュ攻撃とはウルトラQらしい。

ゴメス対リトラ。ゴジラ対モスラか、ラドンを見ているみたい。ゴメスが放射能を吐けない分、目潰し+シトロネラアシッドでリトラの勝ち。1ラウンドで決着してしまうのは30分番組なのでしょうがないか・・・。

◆ 本編を観たい方は・・・

 

◆ ナレーション

オープニング
ここは東京と大阪を結ぶ弾丸道路のトンネル工事現場です。中ではたくさんの人が一刻も早くトンネルを完成させようと働いています。今夜はこのトンネルの奥で起こった、ある事件をお伝えしましょう。

エンディング
東海弾丸道路の北山トンネルを抜けると小さな墓標が立っています。それはジロー君が建てた勇敢なリトラの墓なのです。

◆ 薀蓄(うんちく)

ゴメスは東宝映画『モスラ対ゴジラ』で制作されたゴジの胴体にサラシを巻き、その上に甲羅や鱗を盛り、また口の付近に髭をつけたもの。
ゴメスの鳴き声は動物園の動物の声を録音して使用したものと、映画『海底軍艦』に登場したマンダの声をアレンジしたものを合わせて使用した。
リトラの由来は「リトル(小さい)」から。
リトラが孵るところに流れる音楽は「ガス人間第1号」のテーマ曲。
リトラは操演用ラドンを流用。尻尾には、孔雀の羽根が使われた。後に『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』の大コンドルに改造された。
ロケ地:永林寺、東宝スタジオ

◆【002】五郎とゴロー

◆ ストーリー

旧日本軍の体力増強剤、青葉くるみを大量に食べた結果、巨大化した猿ゴロー。ゴローには人間の育ての親、五郎がいた。

◆ データ


初回放映:1966年01月09日
初回資料率:33.4%
製作順:7
怪獣:巨猿ゴロー
アイテム:青葉くるみ
スーツアクター:福留幸夫
監督:円谷一
脚本:金城哲夫
特技監督:有川貞昌
英文タイトル:Goro and Goro

ゲスト:
土屋嘉男(野猿研究所所員・小野)
石田茂樹(野猿研究所所員・松崎)
谷晃(五郎を非難する村人)
桐野洋雄(毎日新報・伊藤記者)
鈴木和夫(五郎)
二瓶正也(牛乳運搬トラック運転手・森下)
渋谷英男(毎日新報・林記者)
坪野鎌之(巡査)
西條竜介(武装警官・隊長)
矢野陽子(ロープウェイ・ガイド)
勝部義夫(毎日新報記者)
鈴木治夫(毎日新報記者)

 

◆ 感想(ネタバレ注意!)

五郎とゴロー。(野口)五郎と(稲垣)吾郎と(井之頭)五郎と山田五郎と五郎丸と・・・。
(;^_^A アセアセ・・・

冒頭、ロープウェーにぶら下がって登場するゴロー。慌てるガイド、それにしてもバックができるとは・・・。ゴローがぶら下がってもビクともしない、海上ロープウェーに乗って見たい。

ガス人間第一号こと、土屋嘉男登場。いろいろ映画とつながっているんだな。

牛乳配達員として、イデ隊員こと二瓶正也登場。この演技が買われたのか。

五郎を手に抱えるゴロー、五郎がどう見ても人形。しかも出来が悪い・・。
(==;

車が古い、電話が古い、空が広い、道路が舗装されていない。そして「唖(おし)に物が言える道理がねぇや」。昭和だなぁ。

そうとは知らず眠り薬入りの牛乳をゴローに飲ませる五郎。ビルを背に寝込むゴロー、それをみて泣き叫ぶ五郎というラストシーン。悲しいなぁ。

◆ 本編を観たい方は・・・

  


 

◆ ナレーション

オープニング
甲状腺ホルモンのバランスが崩れ、異常な発育を示すことが我々人間の場合にもあります。そうです。ここはすべてのバランスが崩れた、恐るべき世界なのです。これから30分。あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。
エンディング
なし

◆ 薀蓄(うんちく)

ゴローの着ぐるみは東宝映画『キングコング対ゴジラ』で作られたキングコングの胴体を流用。顔は新調され、尻尾が付けられた。この後、この胴体は同じく東宝映画『キングコングの逆襲』のプール撮影用のコングに使われた。
第3クールの「ゴロー対スペースモンスター(ガラモン)」でガラモンと戦うシナリオが予定されていた。
猿が巨大化した原因「青葉くるみ」。元々は「ヘリプロン結晶G」という薬品であったが、スポンサーの都合により変更された。
由利子からのエアメールの宛先にMr.Jun BANJOMEの文字。まんじょうめではなく、ばんじょうめ!?
冒頭に登場する淡島のロープウェイは老朽化のために現在は廃止
ロケ地:東宝スタジオ、淡島

◆【003】宇宙からの贈りもの

◆ ストーリー

火星観察のために送り込んだカプセル、それが送り返された。2つの金の玉を添えて・・・。

◆ データ


初回放映:1966年01月16日
初回視聴率:34.2%
製作順:5
怪獣:火星怪獣ナメゴン
アイテム:-
スーツアクター:ー
監督:円谷一
脚本:金城哲夫
特技監督:川上景司
英文タイトル:The Gift from Space

ゲスト:
佐藤功一(黒メガネの男 )
川上景司(宇宙開発局・坂本長官)
池田生二(対策委員)
金城哲夫(宇宙開発局員B)
篠原正記(大蔵島・自警団)
土屋詩朗(宇宙開発局・山下)
夏木順平(大蔵島・自警団員)
草川直也(オブザーバー・神田)
西條竜介(古藤)

 

◆ 感想(ネタバレ注意!)

落下傘付きで海に投下された宇宙からの贈り物。ご丁寧にありがとうございます。えっ!?金色の玉がふたつwww

一ノ谷(いちのたに)博士初登場。最近この手のキャラは登場しないなぁ。

火星人って言葉に違和感がないのが不思議。キュリオシティによると、ナメゴンはいなそう。

金の玉ふたつを盗み出すギャング・・・って、札束と一緒、どこに保管してたんだ。

なめくじが大きくなってナメゴン。わかりやすい。光る目の玉がゆらゆらで雰囲気が出ています。スーツアクターたいへんそう、操演かな。

ナメゴンの光線。フィルムに直書きかなぁ?コピーも簡単にできないだろうから、線に緊張感が溢れてます。

海に落下してその塩に溶けるナメゴン。そこまでナメクジに似せなくても。

アブストラクトは抽象的とか要旨とかの意味らしい。流行語だったのかなぁ~

◆ 本編を観たい方は・・・

 


 

◆ ナレーション

オープニング
のどかな平和な歌声を破って、それは地球に到達した。そしてそれは我々に何をもたらすであろう。
これから30分、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。
エンディング
無限にある海水がこのドラマを締めくくってくれるに違いない。だが、地球上での政治的実権を握るための宇宙開発の競争が、行われる限り、第2の「宇宙からの贈りもの」が届くに違いない。それは、たぶん海水を飲んでますます巨大になり、強靱になる、恐るべき怪物に違いない。

◆ 薀蓄(うんちく)

ナメゴンは劇中では単に「火星怪獣」と呼称している。
鳴き声は東宝怪獣のバラゴンの流用。
終盤での卵が膨らむシーンは風船で表現された。
ロケ地:長沢浄水場

◆【004】マンモスフラワー

◆ ストーリー

丸の内。突然、アスファルトを破り、巨大植物が成長。マンモスフラワーだ!

◆ データ


初回放映:1966年01月23日
初回視聴率:35.8%
製作順:1
怪獣:巨大植物ジュラン(マンモスフラワー)
アイテム:炭酸ガス固定剤
スーツアクター:ー
監督:梶田興治
脚本:金城哲夫、梶田興治
特技監督:川上景司
英文タイトル:The Mammoth Flower

ゲスト:
高田稔(源田博士)
堺左千夫(東京広告社支配人)
中山豊(東京広告社社員)
雨宮貞子(一平のガールフレンド・道子)
向井淳一郎(警察幹部)
津田光男(対策本部長)
丘照美(地下街の女)
岡豊(自衛官)
井上大助(警官B)
坂本晴哉(警官A)
勝部義夫(毎日新報記者)
古谷敏(お堀の野次馬)

 

◆ 感想(ネタバレ注意!)

夜明けの丸の内。街灯、ビルの外装に古さを感じます。まだ三菱重工爆破事件がある10年近く前だものなぁ。

東京駅のロータリーが玩具みたい。写っているのは旧丸ビル(1923年(大正12年)竣工)と旧新丸ビル(1952年(昭和27年)竣工)? 商業施設はなかったのかな。

暴力団の言葉に大きく反応するビルの人。また新しい言葉だったのか。

お堀にのたうつマンモスフラワーの根っこ。よくできた合成。あまりに良く出来ているので、試写会でクレームがあったらしい。

まるで蛸の足のように動き回るマンモスフラワーの根。人に巻きつき振り回します。棘で人間の血を吸うらしい。こわっ!!でも消火器とビール瓶で退治出来ます。

マンモスフラワー、ハイビスカスみたいでかわいい。

ビルを突き破り、爆発音とともに花を開くマンモスフラワー。この光景をみて、これこそ究極のエコだと思う人が出てこようとは、当時の人は思いもよらなかったでしょう。
(==;

◆ 本編を観たい方は・・・

 


 

◆ ナレーション

オープニング
今、我々を取り巻く自然界の一部が、不思議な身動きを始めようとしている。そう、ここはすべてのバランスが崩れた恐るべき世界なのです。
これから30分。あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。
エンディング
自然界の生命のバランスが崩れた時、このような可憐な草花でさえ怪物化しないという保証は何もないのです。アンバランス・ゾーンは私たちにそのことを警告しているのです。では、来週まで・・・。

◆ 薀蓄(うんちく)

一番最初に製作されたエピソード。
皇居の堀のシーンはロケではなく合成であるが、関係者には見分けがつかず、試写の際に出席者からクレームの発言があった(以後、特撮作品に皇居が登場したことはない)。
一ノ谷博士の言う2000年前の種から発芽したというのは大賀ハスのこと。1951年、千葉県の落合遺跡で発掘され、植物学者の大賀が自宅で発芽に成功させた。
マンモスフラワーは木槿(ムクゲ)をモデルにしているといわれている。
開花のシーンは作画合成によるもの。監修の円谷英二はこの描写に最もこだわり、特技監督の川上景司に何度もリテイクを命じたという。
ロケ地:世田谷区成城、東宝スタジオ、丸の内、日比谷濠

 

◆本編を観るには・・・

 


 




 
3稿:2022年08月05日、テレビの悪足掻き
2稿:2017年11月03日、テレビの悪足掻き
初出:2015年03月03日、テレビの悪足掻き