★[特撮ドラマ]ウルトラQの感想(第25話 悪魔ッ子、第26話 燃えろ栄光、第27話 206便消滅す、第28話 あけてくれ!)再作成版

特撮ドラマ

多くの子供のトラウマエピソード、「悪魔ッ子」。いろんな意味で一番怖いエピソード、「あけてくれ」ほか2編。

★ 作品全体の情報、感想はこちら( ウルトラQのすべて )をご覧ください

◆【025】悪魔ッ子

◆ ストーリー

少年少女時代に見て、トラウマになった人が多い模様。夜な夜な現れる白い子供の正体は?

◆ データ


初回放映:1966年06月19日
初回視聴率:31.5%
製作順:3
怪獣:悪魔ッ子(幽体リリー)
アイテム:-
監督:梶田興治
脚本:北沢杏子(原案:熊谷健)
特殊監督:梶田興治
英文タイトル:The Devil Child

ゲスト:
小杉義男(魔術師・赤沼)
坂部紀子(リリー)
宮田芳子(刀の曲芸師・珍)
権藤幸彦(トラック運転手)
河辺昌義(ドライバー)
須田準之助(鏡の前の男)
荒木保夫(警備員)

◆ 感想(ネタバレ注意!)

魔術団の少女、リリー。繰り返し催眠術にかかるうちに、体から魂が抜け出す体質に・・・。どこからともなく現れるリリー、それを見た大人たちは驚き、慌て、事故にあい、死んでいきます。
魔術の少女、中国服、男の子か女の子かわからないリリーちゃんが可愛い。催眠術をかけ続けるお父さんの顔が怖い。
(^^;
公演で、すぅっと小部屋から抜け、空中を歩くリリー。このシーンは仕掛けで行っているという設定なのか、それとも幽体離脱を芸にしていたということなのか、不明としているところが巧い。。

リリーが欲しがったもの。ガードレールのボルト、懐中電灯の豆電球、モンキーシンバル、翡翠のネックレス、結婚指輪。それが数々の悲劇を生むことに。注意深く見ていても気が付かないことも。ボルトの話は何度か見て気がやっと付きました。話がよく練られてます。

幽体離脱した霊が、本人の体をおびき寄せ殺そうとする。完全に分離したいのか?

一の谷研究所、博士が行う実験。人体の電気(プラス、マイナス)のバランスを崩すと言います。博士が操作盤を動かすと、なんと一平が二人に。驚く万城目と由利子。これはシナップスの破壊現象で、精神と肉体の分離が始まったのだと説明する一の谷博士。
シナップスって、シナプス(細胞間の情報伝達)のことなのか。この頃はまだ、強力な電気でいろんなことができると思っていたのでしょうか?

ネットでウルトラQの感想を読んでると、よくこのエピソードが出てきます。子供の頃に見てトラウマになっているとか。子供の頃見たら怖かったかなぁ。特撮といっても二重映しぐらいだし。
人に見えても鏡には映らないという幽体って、新しい。

私も昔はよく体から魂が抜けてました。二階の部屋で寝ていると、魂がスーと抜けて階段を下りていくのです。ただいつも途中で躓いて、バランスを整えようとして、でも体はこれ以上ないというくらい安定している(何しろ寝てる)ので、どうすることも出来ず、ギャーッとなって魂が体に戻ります。あのまま階段を下りれたら、どこに行っていたのかな・・・。

◆ 本編を観たい方は・・・

 

◆ ナレーション

オープニング
みなさん。これは映画の撮影のために作られた事故ではありません。我々の日常生活の中で、今起こりつつあるバランス崩れたある瞬間なのです。これから30分、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。
エンディング(1)
リリーは悪魔ッ子では無かったのです。もし悪魔がいたとすれば、それはリリーの中にではなくて、それを取り巻く世界が歪んでいたからなのです。
ご覧なさい。リリーはすっかり明るさを取り戻し、舞台に無邪気な笑いを振りまいています。
エンディング(2)
一体、子供が犯罪を犯すものでしょうか? それも天使のように純真な子供が。しかし、子供がその環境によって、脳組織のバランスが破壊された時、完全な犯罪者となりうるのです。では、また来週まで。

◆ 薀蓄(うんちく)

ウルトラQの企画段階「アンバランス」時代に制作されていたお話。
笑い声は、東宝映画『マタンゴ』に登場したマタンゴの、甲高い方の声を流用。
終盤の舞台は、当時SLが走っていた八高線。
エンディングナレーションは2パターンある。
『ウルトラQ』の前身である『UNBALANCE』時代に原案を手がけた熊谷健は、座敷童子から発想したと述べている。
シナリオでは、赤沼は赤ん坊の時分にリリーを拾い、我が子のように育ててきたことが語られている。
『ウルトラQ dark fantasy』ではリメイクキャラクターのリリーが登場している。
ロケ地:長沢浄水場、世田谷区成城

◆【026】燃えろ栄光

◆ ストーリー

深海生物ピーター登場。破竹の勢いで勝ち進むボクサー、ダイナマイトジョー。世界タイトルマッチ直前で謎の失踪、その理由は?

◆ データ


初回放映:1966年06月26日
初回視聴率:31.5%
製作順:18
怪獣:深海生物ピーター(アリゲトータス)
アイテム:-
スーツアクター:中村晴吉
監督:満田かずほ
脚本:千束北男
特殊監督:的場徹
英文タイトル:Blazing Glory

ゲスト:
工藤堅太郎(相川(ダイナマイト)ジョー)
穂積隆信(ビル大山)
武藤英司(奥井林太郎プロモーター)
羽佐間道夫(実況アナウンサー)
森川公也(スポーツ記者)

◆ 感想(ネタバレ注意!)

水中では小さなピーター、ワニの赤ちゃん程度。それが水槽から出ると人間サイズに。学名アリゲトータス、ほんとにいたら面白い。ダイオウイカは水から出ると小さくなちゃうからなぁ。でも着ぐるみって、実寸大(模型のセットの外)だと、見てて笑ってしまう。
飼い主はダイナマイトジョー、破竹の連勝を続けるボクサー。しかし突然の失踪。ホテルのショーででピエロをしているところを万城目たちが見つけます。
ジョーから失踪の理由を聞いて記事にするかどうか悩む由利子。この時代はマスコミにも倫理があったのか、それとも・・・。失踪の原因が目(網膜剥離)なんて、子供番組なのにシリアス。これだけ人気ならドサ回りの道があるのに。
ピーターと話をするジョー。イマジナリーフレンドならぬ、イマジナリーペット? ピーターは実際にいるから、ただのペットか。
教頭先生(穂積隆信、飛び出せ!青春)登場。喋りが流暢です。
羽佐間道夫(シルヴェスター・スタローンの吹き替え、巨人の星の速水譲次)さんもアナウンサー役で登場。
すでにボクシングはオワコン。でもこの頃は人気絶頂だったんだろうな、疑惑の判定が多そうだけど。ジョーは誰がモデルなんだろう?
冒頭、インタビューに応えるジョー。これは昔の後楽園ホール? 新聞記者たちのカメラの大きさが見ものです。疲れた場内アナウンスも味があります。
最後、ピーターが巨大化してくれて、とりあえず一安心でした。白黒で夜のシーンなので、よく見えませんが、港の火事は本物に見えました。いや本当に燃やしたに違いない。
(^^;

◆ 本編を観たい方は・・・

 

◆ ナレーション

オープニング
なし・・・・えっ!?
エンディング
なし・・・・そういうこともあるのか

◆ 薀蓄(うんちく)

ダイナマイトジョーが水槽で飼育しているシーンの小さなピーターはワニの子供である。
ピーターのデザインは成田亨。成田は既存の生物の巨大化はデザインしないという方針であったが、カメレオンそのままの姿となっている。
ピーターは後に高山良策によって、『ウルトラマン』のゲスラに改造された。
火事のシーンは、東京美術センターがある丘のふもとにて消防車を待機させた状態で撮影された。
ロケ地:日本相互銀行 上野毛研修会館、赤坂プリンスホテル

◆【027】206便消滅す

◆ ストーリー

万城目、一平の乗った飛行機が消息不明に。心配する由利子だったが・・・。

◆ データ


初回放映:1966年07月03日
初回視聴率:35.2%
製作順:9
怪獣:四次元怪獣トドラ
アイテム:-
スーツアクター:福留幸夫
監督:梶田興治
脚本:山浦弘靖、金城哲夫(原案:熊谷健)
特殊監督: 川上景司
英文タイトル:
The Disappearance of Flight 206

ゲスト:
桐野洋雄(オリオンの竜)
大前亘(乗客A)
八代美紀(206便スチュワーデス・木村英子)
緒方燐作(206便・中村副操縦士)
鈴木治夫(オリオンの竜を護送中の刑事)
伊藤実(羽田管制塔・管制官)
山田圭介(乗客B)
古河秀樹(管制官)
小泉博(羽田管制塔・金子主任)
伊藤久哉(206便・飯島機長)

◆ 感想(ネタバレ注意!)

香港からの帰り、超音速ジェット旅客機206便に乗り込む万城目と一平。しかし206便は目の前に突如現れた巨大な渦に吸い込まれます。気を失う乗員乗客。空の旅は危ないからなぁ、ましてや音速を超えた日には・・・。
二人を心配する由利子。その頃、飛行機は謎の空間に。外人なのか日本人なのかわからない謎の男、オリオンの竜。護送中の刑事から逃れ、機を制圧、新たなピンチに見舞われる万城目と一平。でもパパっと退治する万城目、強い。
(=。=)
やっぱりバミューダトライアングルとかがモデル? 謎の飛行機失踪は松岡チームがメタンハイドレードのせいだとリサーチ結果を報告してたからけど。そういえばマレーシア航空はどうなったんだろう?
オリオンの竜の本名はオリオン太郎。笑えます。
(^へ^)
異次元になら何がいてもおかしくないが、トドラはいない気がするなぁ。
最後の最後の最後。万城目が無事とわかったときの由利ちゃんのアップ、これは酷い。
(==;

◆ 本編を観たい方は・・・

 

◆ ナレーション

オープニング
超音速ジェット旅客機206便は、こうして気流の逆巻く未知の空間に姿を消したのです。これから30分あなたの目はあなたの身体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。
エンディング
みなさん。超音速ジェット旅客機で東京の上空を通過するときは、この不思議な空間にぶつからないとも限らないのです。そのときはくれぐれも座席のベルトをお忘れなく。

◆ 薀蓄(うんちく)

旅客機が吸い込まれる渦は洗濯機のもの。
モロッコにはトドラという地名がある。
トドラは東映映画「妖星ゴラス」の怪獣マグマの流用。
本放送では、この27話が最終回。28話「あけてくれ」は再放送時に初めて放映された。
「虹の卵」と並び、『ウルトラQ』最多の4種類の台本が確認されている。このうち第1稿(『UNBALANCE』名義の準備稿)と第2稿(『ウルトラQ』名義の準備稿)は、山浦弘靖の単独執筆。異次元空間の謎を解明することに徹した展開となっており、怪物は登場しない。第3稿(『ウルトラQ』名義の決定稿)から金城哲夫が加わり、TBSの意向を汲んで怪獣を登場させた。
劇中では「トドラ」の名称は使われず、「巨大なアザラシ」と呼ばれている。脚本の表記は「大アザラシ」。

◆【028】あけてくれ!

◆ ストーリー

そこに一人の男がいた。いつからだろうか、彼はこの現実の世界から脱出したいと考えていた・・・。(友野健二)

◆ データ


初回放映:1967年12月14日
初回視聴率:19.9%
製作順:4
怪獣:-
アイテム:異次元列車
監督:円谷一
脚本:小山内美江子
特殊監督:川上景司
英文タイトル:Open Up!

ゲスト:
柳谷寛(沢村正吉)
東郷晴子(沢村トミ子)
天本英世(SF作家・友野健二)
佐田豊(沢村の上司)
石田茂樹(警視庁公安課・瀬川主任)
堤康久(異次元列車・車掌 )
森今日子(友野家の家政婦・松代)
草間璋夫(乗客A)
東静子(婦人(異次元列車乗客))
古河秀樹(乗客C)
佐々容子(沢村の娘・恵子)
奥村公延(アマチュアカメラマン)

 

◆ 感想(ネタバレ注意!)

万城目と由利子、オープンカーで夜のドライブ。取り残される一平。可哀想過ぎる。www
休暇を楽しむ万城目と由利子の前に現れた中年男、道路の真ん中に倒れています。ひき逃げ? オープンカーの後部座席に乗せる万城目、しかし男は、踏切の音に起き上がり、列車に飛び込む。・・・場面は変わって、列車の中で泣き叫ぶ男。いまだったらクレームが来そうな展開ですが、面白い。画面はゆがみっぱなしだし。
一平の頭上には異次元列車が。銀河鉄道999の元ネタ?
死神博士(天本英世)登場、若い!! ウルトラシリーズと仮面ライダーシリーズ。両方出れる人は少ない。
働きアリの2割は実は働いていないらしい。さらに興味深いことに、その集団から働かないアリを取り除くと、残った働きアリの中からまた2割の働かないアリが出てくるとか。集団行動をとる程の生き物は全体のバランスをとる手立てを知っているのかも知れません。
そう考えると、とこかウロウロして、迷子になりたいと考えている私のような輩(やから)が、いつの時代にもいるのは不思議でないのかも。ちっとも罪悪感を覚えないのは・・・、これは進化かなぁ。
(^^;

 

◆ 本編を観たい方は・・・

 


 

◆ ナレーション

オープニング
なし
エンディング
みなさん。もしあなたに理解ある異性や暖かいご家庭がおありでしたら、夜の列車はくれぐれも気を付けてお乗りください。

◆ 薀蓄(うんちく)

元になった列車は小田急3100形電車(NSE)。車輌の数が異次元では4両編成、現実世界では8両編成になっている。列車のミニチュアは第10話「地底超特急西へ」でも普通の電車として使用されており、新東京駅を通過している場面が見られる。
脚本家にクレジットされてるのは小山内美江子(金八先生)
ロケ地:青山車庫跡、外務省庁舎、赤坂見附、田園調布、世田谷区成城、砧8丁目の小田急線高架下