★[ホームドラマ]パパと呼ばないでのすべて

2023年2月11日ホームドラマ, 番組

「おい、チー坊」。古きよき時代のホームドラマ、パパと呼ばないでの感想です。

Index

撮影秘話

幼稚園児の千春を演じた杉田かおるは、当時小学2年生だった。
猫(ニャロメ)を飼う千春を演じた杉田かおるは猫が苦手だったので、第21話で猫が逃げるエピソードができた。
日本酒メーカーの月桂冠がスポンサーだったため、劇中ではバーでもビールやウイスキーではなく日本酒が出された。
第22話で右京が歌った「オバQえかきうた」は「新オバケのQ太郎」(1971年)のエンディング・テーマである。第15話でゲスト出演した太田淑子は同アニメで正太を演じる声優であった。
第24話の脚本の矢田陽子は「やだよう!」をもじった向田邦子のペンネームである。
テレビ朝日系列の刑事ドラマ『相棒』で水谷豊演ずる主人公の杉下右京の「右京」は安武右京からとっている。
本作は裏番組に国民的人気時代劇「銭形平次」(フジテレビ)が控えており、プロ野球シーズン中は巨人戦ナイター中止の時のための雨傘番組だったために、平均視聴率は11パーセント前後と低迷した。
石立演じる安武右京が、杉田演じる橋本千春に呼びかける“オイ、チー坊”と言う特徴的なセリフが物真似番組の格好のネタにされて有名になり、再放送が繰り返されることによって人気を獲得した。


杉田かおるの当時のギャラはたった1万円。ロケでは杉田かおるの自宅も使うという、何ともつましい制作現場でした。(杉田かおる著『すれっからし』小学館より)


杉田かおるは超生意気で、少しでも待たされたら文句を言っていた。
「パパと呼ばないで」の内田さん役で出演していた江守徹。しかし、杉田かおるに嫌われたから降板した、という噂は本人が否定。


叔父役を演じた石立はとにかく厳しかった。石立をドラマ同様“パパ”と呼んだ時には
「本番以外は石立さんと呼びなさい。子供でも役者として1対1で勝負してるんだから、撮影所に入ったらプロ意識を持ってやりなさい」
杉田のことを一切、子供扱いしなかった。
その後も役者として数々の人気ドラマに出演していた杉田だが、30代半ばになると仕事が激減。仕事がなく落ち込んでいた杉田のもとに突然、石立から電話がかかってきた。
石立「今度バラエティー番組に出るんだけど、一人でしゃべるのは心細いから一緒に出てくれないか?これからの時代はいろいろ出来なきゃダメなんだよ」
バラエティー番組に一切出なかった石立からの誘い。実は石立は番組からのオファーを受けた時、「僕一人だとちょっと…でも杉田かおると一緒ならいいですよ」と杉田にチャンスを与えていた。

データ

放映期間:1972年10月04日 – 1973年09月19日
放映日時:毎週水曜日 20:00 – 20:55
放送局:日本テレビ
放送回数:全40話
製作:ユニオン映画
放送形態:16ミリフイルム・カラー作品
衣装協力:ピノチオこども服、KANTO


出演:石立鉄男、杉田かおる
主題歌:貝がら「にじ(虹)」「夜明け」(作詞:たかたかし、作曲:羽根田武邦)


石立鉄男&ユニオン映画シリーズの第3作目。
独身男の安武右京は亡くなった姉の子、橋本千春を引き取り、中央区佃の米屋・井上精米店の2階に下宿を始める。子供の扱いがわからず、とまどう安武だったが、次第に情が通い、千春はかけがえのない存在になっていく…。

 

感想

話は知ってましたが見るのは初めて。断片的にネットに上がっているのを探し探し視聴。段々引き込まれていきます。むかしのドラマはあったかいなぁ~。
怒って、笑って、泣く。とってもあっけらかん。登場人物に拗ねている人がいません。大きな事件が起きてないのに引き込まれます。思わず吹き出したと思ったら、いつの間にはもらい泣きしています。
あの杉田かおるに、あの杉田かおるに、泣かされます。(^^;
とくに天才的な演技と言う訳ではないと思うのですが、ポツリという一言にジーンとさせられます。表情、動作の大きいに石立鉄男対し、静かな演技。キャスティングの妙か・・・。
聞き分けも性格もいいチー坊。そんな彼女が感情を爆発させるシーンも。もうそうなるとボロボロに泣かされます。
ドラマにキャストやスタッフの愛情を感じます。豪華なセットではないですが、細かなところにも手が入っている感じです。それにロケででてくる街並みに驚き。40年前ってこんなだったんだ。

サブタイトル

※ 各話の粗筋・感想は こちら にアップしております。

第40話 1973/09/19 人生航路の出発点
第39話 1973/09/05 新婚旅行やりなおし
第38話 1973/08/22 長い間お世話になりました
第37話 1973/08/08 千春の陰謀
第36話 1973/08/01 千春を引取ります
第35話 1973/07/25 とんだ情操教育
第34話 1973/06/27 ラブレター事件
第33話 1973/06/20 父親3人組
第32話 1973/06/13 運命は皮肉
第31話 1973/05/30 ママなんかほしくない
第30話 1973/05/09 愛してるよ
第29話 1973/05/02 赤ちゃん生んじゃう!
第28話 1973/04/18 園子の縁談
第27話 1973/04/11 男は度胸?

第26話 1973/04/04 ママが生きてた!
第25話 1973/03/28 訳ありそうな家庭教師
第24話 1973/03/21 悩める乙女上京!
第23話 1973/03/14 ブルー・カナリヤ
第22話 1973/03/07 ハッピー・バースデー
第21話 1973/02/28 おばあちゃんはネコ嫌い
第20話 1973/02/21 粉雪の舞うひな祭り
第19話 1973/02/14 嫁にはやれません!
第18話 1973/02/07 聞いてくれるなおっかさん
第17話 1973/01/31 発車オーライ!
第16話 1973/01/24 生みの親育ての親
第15話 1973/01/17 とんだ人助け
第14話 1973/01/10 パパ出世してね
第13話 1972/12/27 忘れていた婚約

第12話 1972/12/20 チーちゃんの秘密
第11話 1972/12/13 ネコふんじゃった
第10話 1972/12/06 ママがほしい!
第09話 1972/11/29 ただ今2対2
第08話 1972/11/22 カモメがとりもつ縁かいな?
第07話 1972/11/15 性教育騒動!
第06話 1972/11/08 母親がやって来た!
第05話 1972/11/01 突然の誕生日
第04話 1972/10/25 子連れデイト
第03話 1972/10/18 やっぱり他人?
第02話 1972/10/11 あたしとどっちが好き?
第01話 1972/10/04 きっと立派に育てて見せる

キャスト

安武右京:石立鉄男
橋本千春:杉田かおる
井上精太郎:大坂志郎
井上時枝:三崎千恵子
井上園子:松尾嘉代
井上和子:有吉ひとみ
井上昇:小林文彦
金造:花沢徳衛
治子:富士真奈美
内田:江守徹
村松:近藤洋介
山崎:福島正剛

スタッフ

企画:小坂敬
プロデューサー:吉川斌、上野徹
プロデューサー補:山本剛正
監督:千野皓司、平山晃生、田中知己
脚本:松木ひろし、向田邦子、山本邦彦、葉村彰子、窪田篤人
撮影:岩佐一泉

本編を見るには・・・

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1983年 どっきり天馬先生(フジテレビ)
1983年 どっきり双子先生〜乙女学園男子部(フジテレビ)




4稿:2020年10月30日、テレビの悪足掻き
3稿:2017年08月05日、テレビの悪足掻き
2稿:2015年07月04日、テレビの悪足掻き
初出:2012年10月03日、テレビのまわし者