★[プロデューサー]康芳夫(こうよしお)のすべて

プロデューサー

ドラマの主人公みたい。プロデューサー、康芳夫の情報です。

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ネットで集めたエピソード

1960年代から1970年代、「国際ネッシー探検隊」や「アントニオ猪木対モハメド・アリ」、「オリバー君招聘」等を企画、日本中を熱狂させた伝説のプロデューサー。
自称「虚業家」。広告代理店や政治・宗教団体に迎合することなく、常に独立的な立場を取った。


1937年、東京都西神田生まれ。
父親は中国人、母親は日本人。三人兄妹の次男。
父親は駐日中華民国大使(許世英)の侍医、大陸で軍医も務めている。


暁星小学校一年生の時、遠足で井の頭公園に行くが「もうこれ以上、団体行動はゴメンだ」と列から抜け出し、ひとり中央線に乗り家に帰る。校長と担任教師が自宅に飛んで来て、自発的に退校を懇願された。
海城高校時代は喧嘩ばかりしていた。父親の病院のペニシリンを持ち出し、闇市で売りさばいた。
文芸部を設立、同人誌を発行、世間から脚光を浴びる。大作家武者小路実篤の原稿を掲載したから。康は武者小路氏の自宅にアポなしで押し掛け、直談判。原稿をノーギャラで手に入れた。


横浜国立大学に入学するも1年で中退。
1958年、東京大学教育学部教育哲学科に入学する。周りが金ボタンの詰襟に角帽姿の中、ロン毛に赤いチャイナドレスで通学していた。
1961年、学園祭の企画委員長を務め、ジャズフェスティバルやティーチイン(石原慎太郎、岡本太郎、谷川俊太郎、武満徹)を開催、プロデュース業の原点となる。
1962年、石原慎太郎の紹介で、アート・フレンド・アソシエーション(神彰が主催)に就職。ソニーロリンズの日本招聘、大西部サーカス、富士スピードウェイでの日本インディ開催、アラビア大魔法団の公演を実現する。しかし、マイルスデビスの招聘には失敗、会社は多額の債務を抱え、パートナーの神彰と決別、独立することとなる。


【 196X年、アラビア大魔法団】
売り出し中のイラストレーター、横尾忠則のポスターも手伝い大ヒット。三島由紀夫も何度も訪れ、賞賛した。
実はこの集団はインチキ。ドイツ人とポーランド人を掻き集め、ターバンを巻かせ、顔には靴墨を塗ったものだった。
【 1966年、富士スピードウェイ インディ500 】
時代を先取りし過ぎたか、富士スピードウェイの利便の悪さか。7万人の入場を予定していたが、実際には4万人がやっとだった。
【 マイルス・デイヴィス招聘失敗 】
マイルス・デイヴィスは薬物問題で入国許可が下りず、興行は中止。多額の負債を抱えることとなった。


独立後、金平正紀の協力のもと、モハメド・アリ対マックフォスター戦、トム・ジョーンズの来日公演を実現。名声を轟かせた。


【 1972年、モハメド・アリ対マックフォスター(日本武道館)】
【 1973年、トム・ジョーンズの来日公演】
法外な入場料(3万円)を不快に思ったトムは来日を拒否。康は弁護士を通じて自宅からでないように法的に差し止めをかけた。その後、和解。
しかし、実はこの騒ぎはトムのマネージャー ミルズと仕組んだものであると、康本人がブログで暴露している。


その後は、彼自身が本人を「虚業家」と称するように、正統なプロデュース業から外れた奇抜な仕事を手掛けるようになる。


【 1973年、国際ネッシー探検隊】
最初は小松左京が隊長になる予定であったが、石原慎太郎がそれをどかして隊長になった。
福田赳夫(第67代総理大臣)は、駐英大使館に財務官として派遣されていた時に、あの有名なネッシーの写真が公になった。すっかりネッシーのファンになった彼は、料亭で探検隊の話を聞き、いろんなスポンサーを紹介してくれた。
チャーターした潜水艦をネス湖に入れようとしたが、現地警察に「入れたら逮捕する」と言われ、中止した。
【 1976年、アントニオ猪木対モハメド・アリ】
アリを呼ぶためだけにブラック・ムスリム(秘密結社的な黒人団体)に入信、マネージャーに近づいて話をまとめた。
興行に割り込んだため、マフィアから命を狙われた。
【 1976年、オリバー君招聘 】
オリバー君は、アメリカで、チンパンジーと人間の中間にあたる未知の生物として、話題になっていた。
オリバー君は、染色体の数が人とチンパンジーの中間、47本であると言われた。
常に直立二足歩行をし、ビールを飲み、タバコを吸い、人間の女性に発情した。身長140センチ、体重56キロ。頭髪が薄かった。
康はオリバー君に眼をつけ、招聘。数々の演出で、来日を盛り上げた。
羽田に到着したオリバーをタラップから降した。
歓迎ディナーショーには正装で出席させた。
宿泊はダイヤモンドホテルのスイートルームだった。
オリバー君は一躍ブームとなった。
日本でオリバー君の世話をしていたのは、テリー伊藤だった。テリーは糞尿を垂れ流すオリバーに腹を立て、殴る蹴るの暴力を振るった。オリバー君は恐れをなし、テリーと二度と目を合わさなかった。
その後の検査で染色体の数は、チンパンジーの数、48本であることが判明した。



【 1977年、トラ対空手家・山元守 】
空手ファンであったハイチの大統領は開催をすぐ許可した。
動物愛護協会の要職にいたブリジット・バルドーがカーター大統領に電報を打ち、中止になった。
【 1979年、アントニオ猪木対アミン大統領 】
政変によりアミンが国外逃亡、中止となった。
【 1982年、ロサンゼルス五輪独占放映権獲得 】
実現しなかった。
【 1986年、ノアの方舟探索プロジェクト 】
実現しなかった。


出版分野では、澁澤龍彥編集の『血と薔薇』創刊、『家畜人ヤプー』出版、『週刊プレイボーイ』での「三浦和義のアナーキー人生相談」プロモート、川尻徹のノストラダムス本プロデュースなどがある。
浦沢直樹の漫画「20世紀少年」のキーマン、万丈目胤舟のモデルになっている。
テリー伊藤が、「僕にこの世界で師匠がいるとすれば、康さんです」と語っている。

 


出演ドラマ

2016年 ディアスポリス -異邦警察-( MBS・TBS )コテツ 役

 

 

出演映画

2019年 緊急検証! THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー( 東北新社 )

2018年 シャノワールの復讐( リバートップ )オリバー星人オリ 役

2017年 干支天使チアラット( リバートップ )マンチカン 役

2014年 渇き。( ギャガ )チョウ 役

 


 


 
初出:2020年12月19日、テレビの悪足掻き