★[特撮ドラマ]悪魔くんのすべて

2016年6月17日感想, 特撮ドラマ, 番組

● エロイムエッサイム、我は求め訴えたり! 特撮ドラマ、悪魔くんの情報です。



● 放映期間:1966年10月6日 – 1967年3月30日
● 放映日時:毎週木曜 19:00 – 19:30
● 放送局:NETテレビ、東映
● 放送回数:全26話
 
 
 
 
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● 水木しげる原作を実写で!? ’60年代の傑作特撮ドラマ。モノクロのせいで一層不気味。
● 悪魔くん役は金子光伸、メフィスト役は吉田義夫、潮健児。





● 当時の怪獣ブームを受け、ゲストキャラクターは妖怪のみならず怪獣や未来人などバラエティ豊かなものとなっている。
● 水木しげるの大ファンでもあった東映プロデューサーの平山亨は当初、貸本漫画版を実写ドラマ化するつもりであったが、貸本版はグロテスクな内容であったため平山の同期のプロデューサーである宮崎慎一はテレビには向かないとの判断を下した。しかし平山は偶然尋ねた少年マガジン編集部で発売前の少年マガジン版『悪魔くん』を目にし、児童向けの内容となっていたこの作品を原作として企画を進めることとなった。
● 1話完結形式にしたのは、原作者の水木しげるの「毎週視聴者をテレビの前に捉まえるためには、この方式のほうがよい」とする意見があったためで、平山はテレビ業界を知らないはずの水木の卓見に驚いたと語っている。
● 水木しげるも、「古い文献から百目の絵を採ってきてガンマーという妖怪をこしらえたり、貸本漫画から化烏を持ってきたり、平山プロデューサーと二人で妖怪のアイディアをいろいろ考えました」とコメントしている。水木の妻の武良布枝によれば、水木は原作の貸本漫画の作風にはこだわりを持っておらず、テレビ向きに作り直したほうがいいと考え、平山に対して自ら番組のためのアイディアを出していたという。
● 平山によると「東映だって巨大特撮をやれるところを見せよう」という気概と「映画の方をリストラされてきた人達」の情熱があわさり「今じゃ劇場用映画本編だってやれないくらいもの凄い凝りよう」の作品になった。この結果、予算の3倍を越える制作費となり、平山は「会社を潰す気かぁっ!」と怒鳴られたという。
● 妖怪ものであるため「縁起が悪い」とされたこともある。スポンサーがコロコロ変わる。26話以降を続けらない事情がたくさんあった。
● 悪魔くん役の金子光伸は、1997年6月11日、死去。39歳没だった。死因は遺族の意向により公式には発表されていないが、交通事故であったと言われる。彼の死亡については平山にだけ遺族が伝えており、平山が後日そのことを公表した。
● メフィスト役の吉田義夫は「肺水腫」の悪化で番組を降板。代わりに潮健児へ交代した。
● 「エロイムエッサイム」はグリモワール(”魔術の書物”を意味するフランス語)に書かれた悪魔召喚のための呪文。卵を産んだことのない黒い雌鳥を2つに引き裂き、「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり」と唱えることで悪魔を召喚できるという。原文は「Eloim, Essaim, frugativi et appelavi.」であり、本来は「エロイム」と「エッサイム」は別の単語である。澁澤龍彦の書『黒魔術の手帖』では「エロヒムよ、エサイムよ、わが呼び声を聞け」と記述されている。





● 第01話 1966年10月06日 妖怪ガンマー
 脚本:高久進、監督:小林恒夫、妖怪:ガンマー

● 第02話 1966年10月13日 化烏
 脚本:高久進、監督:小林恒夫、妖怪:化鳥

● 第03話 1966年10月20日 ミイラの呪い
 脚本:伊上勝、監督:山田稔、妖怪:ミイラ妖怪

● 第04話 1966年10月27日 大海魔
 脚本:若林一郎、監督:小林恒夫、妖怪:大海魔パイドン

● 第05話 1966年11月03日 ペロリゴン
 脚本:辻真先、監督:加島昭、妖怪:ペロリゴン

● 第06話 1966年11月10日 首人形
 脚本:七条門、豊田総治、監督:小林恒夫、妖怪:マネキン妖怪

● 第07話 1966年11月17日 魔の谷
 脚本:伊上勝、監督:加島昭、妖怪:山彦妖怪

● 第08話 1966年11月24日 水妖怪
 脚本:七条門、豊田総治、監督:竹本弘一、妖怪:水妖怪

● 第09話 1966年12月01日 吸血鬼
 脚本:若林一郎、監督:山田稔、妖怪:ドクトル・キューラ

● 第10話 1966年12月08日 シバの大魔神
 脚本:伊上勝、監督:加島昭、妖怪:シバの大魔神、呪術師ザンバ

● 第11話 1966年12月15日 幻の館
 脚本:高久進、監督:佐藤肇、妖怪:油絵妖怪

● 第12話 1966年12月22日 狼人間
 脚本:伊上勝、監督:加島昭、妖怪:狼男

● 第13話 1966年12月29日 ドクロンの踊り
 脚本:高久進、監督:佐藤肇、妖怪:ドクロン妖怪

● 第14話 1967年01月05日 妖術師バラモン
 脚本:伊上勝、監督:田口勝彦、妖怪:妖術師バラモン

● 第15話 1967年01月12日 妖怪としぬすみ
 脚本:桂真佐喜、監督:田口勝彦、妖怪:としぬすみ、ぴんはね

● 第16話 1967年01月19日 モルゴン
 脚本:難波敏郎、監督:竹本弘一、妖怪:モルゴン

● 第17話 1967年01月26日 黒猫館
 脚本:奥中惇夫、竹本弘一、監督:黒猫妖怪、妖怪:

● 第18話 1967年02月02日 怪奇雪女
 脚本:伊上勝、監督:加島昭、妖怪:雪女

● 第19話 1967年02月09日 地獄脱出作戦
 脚本:押川國秋、監督:竹本弘一、妖怪:閻魔大王

● 第20話 1967年02月16日 未来ゾーン
 脚本:伊上勝、監督:加島昭、妖怪:ロロ、ピッチ

● 第21話 1967年02月23日 化石人
 脚本:高久進、監督:田口勝彦、妖怪:化石人ジュラタン

● 第22話 1967年03月02日 呪いの森の魔女
 脚本:伊上勝、監督:田口勝彦、妖怪:鬼婆

● 第23話 1967年03月09日 化ぐも
 脚本:難波敏郎、竹本弘一、監督:竹本弘一、妖怪:化蜘蛛

● 第24話 1967年03月16日 カマキリ仙人
 脚本:押川國秋、監督:竹本弘一、妖怪:カマキリ仙人

● 第25話 1967年03月23日 人喰いダイヤ
 脚本:伊上勝、監督:折田至、妖怪:ダイヤモンド妖怪

● 第26話 1967年03月30日 透明怪人
 脚本:伊上勝、監督:折田至、妖怪:死神第4号




● あまりにもオドロオドロしいOP曲。洞窟エコーのかかったアカペラ、節の区切りを付ける錫杖(しゃくじょう)の音。森の中にある古井戸、こうもり舞う洞窟。魔方陣の前、呪文を唱える少年に大きく重なる「悪魔くん」の文字。モノクロ画面が雰囲気を盛り上げます。今だったら抗議の電話がなりっぱなしになってもおかしくない不気味さです。
(^^;
大変聞き取りにくい歌詞ですが、こう歌っているらしい。

エロイム エッサイム
エロイム エッサイム
地の底よりふみ出でて
タマハリ タムハリ カビオラス
エロイム エッサイム ダギソロモン
我が聖なる要求に答えよ
エロイム エッサイム
エロイム エッサイム
(作詞:水木しげる、作曲:八手穀雄、歌:水島早苗)

● 悪魔くん役は金子光伸。ジャイアントロボの草間大作(U7)でも有名。はっきり自己を主張するのはこの時代の現代っ子のキャラ。ちょっと舌足らずな滑舌(かつぜつ)、頑張っている分台詞のリズムが狂ってます。
(^^;
・・・首の下の三角柄、何色なのかがに気になります。
学業を優先し、芸能界を引退。後に旅行代理店に就職したそうですが、交通事故で亡くなられたそうです。子役の将来って悲しいことがおおいなぁ。

● メフィストはシルクハットに杖、マント。そして女性に優しい。悪魔というよりただの西洋人っぽい。ロイ・ジェームスにキャロライン洋子。まだ外人が珍しかった時代だったからなぁ。
ファスト博士はメフィストはひねくれた性格というが、人間臭くて、愛すべきキャラクターです。メフィスト役は吉田義夫、潮健児。途中交代になったのは吉田義夫さんの体調の関係だったらしい。子供だったから不思議には感じなかったなぁ。

● 孫悟空に緊箍児(きんこじ、頭の輪)、メフィストにオカリナ。メフィストが言うことを聞かないと、悪魔くんは容赦なくオカリナを吹きます。頭から煙を出し、苦しむメフィスト。子供が喜びそうな展開です。
なんとも寂しい音色のオカリナ。どこの国の楽器なのでしょう? オカリナに似た楽器の起源はマヤ文明にまでさかのぼることができるらしい。また、オカリナという名前はイタリア語の「小さなガチョウ(oca:ガチョウ rina:小さい)」に由来するそうです。子供の頃、雑誌についていたオカリナを吹いていた記憶があります。

● ガンマー(百目)、ペロリゴン、首人形。トラウマになった妖怪がたくさん、実写で見せられると強力です。時間が取れれば感想を書きたい、書く予定、書きたいんだけど・・・。
(--;

※書いた感想はサブタイトルからリンクしてます。

● ED曲は打って変わって元気一杯、サンバ調。エロイムエッサイム~~~~~~~~ウゥ♪ ユニゾンしているフルートも警戒です。




● 悪魔くん(山田 真吾)/ 金子光伸
● メフィスト兄(第1-10・19話)/ 吉田義夫…病気のため、第10話で降板。第19話で再登場。
● メフィスト弟(第10-26話)/ 潮健児
● ファウスト博士 / 浜村純
● 山田 春吉(真吾の父)/ 三遊亭圓歌
● 山田 松江(真吾の母)/ 楠トシエ
● 山田 道子(真吾の妹)/ 小笠原あずさ
● 貧太 / 渡辺義文
● 情報屋 / 塩屋浩三




● 原作:水木しげる
● 企画:平山亨、坪井久智
● プロデューサー:宮崎慎一(NET)
● 監督:加島昭、佐藤肇、山田稔、小林恒夫、折田至、竹本弘一、田口勝彦
● 脚本:伊上勝、奥中惇夫、押川國秋、辻真先(桂真佐喜)、高久進、七条門、若林一郎、竹本弘一、難波敏郎、豊田総治
● 音楽:山下毅雄
● 撮影:下村和夫、高梨昇 ほか
● 録音:岩田広一、北條照二