★[アニメ]ピュンピュン丸のすべて

2022年6月12日アニメ, 番組

アリャリャン、コリャリャン、お頭(つむ)のネジが・・・。アニメ、ピュンピュン丸の情報です。

Index

 

エピソード

原作はつのだじろうの『忍者あわて丸』、週刊少年キング連載。
全26本が製作されたが視聴率が振るわない上、スポンサーからの「余りにもふざけ過ぎている」と言うクレームで12話で打ち切られた。
当初予定されていた第一話のフィルムを観たつのだ側が『打ち合わせの時と方向性が違う』理由と、NET側が番組の出来に不満を示したことから、放送順の再考を迫られ、制作順では5番目に当たる『変な怪人三面相』が第一話として放送された。
打ち切りとなった後、改めて全26話が放送されたのは1969年秋の再放送時であり、未放送の14本は1969年12月29日-1970年3月30日に放送されている。
1970年代に平日夕方や夏休み特集(テレビ朝日の『夏休みまんが大会』)などで何度も放送されたアニメであり、再放送を見た人が非常に多い。
正式なタイトルはピュンピュン丸である。
「豚もおだてりゃ木にのぼる」という名セリフは、つのだじろうの 《 忍者あわて丸 》 がオリジナル。
《 さゆり 》 は吉永小百合がモデル。
《 ケメ子 》 は三遊亭歌奴の新作落語「サラリーマン三部作」に登場するケメ塚ケメ子(君塚君子)がモデル。
主題歌を歌っているのは財津一郎。当時、「てなもんや三度笠」に写真師の桜富士夫として出演中。1番「キビシーイッ!」、2番「ハズカシーイッ!」、3番「ハゲシーイッ!」。
原作の『忍者あわて丸』は、アニメ化と同じタイミングで《 ピュンピュン丸 》に変わった。あわて丸やチビ丸が甲賀小学校を卒業、生徒がいなくなって失業した校長がなんでもOK事務所を作り、そこにあわて丸やチビ丸が就職。あわて丸はピュンピュン丸に、タイトルもピュンピュン丸になった。

データ

放送期間1:1967年07月03日~1967年09月18日/1期
放送期間2:1969年12月29日~1970年03月30日/2期
放映日時:毎週月曜日 19:30 – 20:00
放送局:NET(現テレビ朝日)
放送回数:全26話
出演(声):田上和枝、加藤みどり、八奈見乗児
原作『忍者あわて丸』つのだじろう:
企画:江藤昌治、大沼克之、宮崎慎一(NET)
音楽:小川寛興
編集:鈴木亮、井関保雄
製作:東映動画

感想

 
夏休みになると決まって再放送されていたのが、ジャイアントロボ(実写版)とこれ、花のピュンピュン丸。月影兵庫と同じ、初めの数秒を見ただけで、最後までストーリーを空で言えるほど見てました。まだビデオすらない時代だったというのに。
(^^;

「 なんでもOK事務所 」に勤める少年忍者、ピュンピュン丸とチビ丸。所長の命を受け、アリャリャンコリャリャンの大活躍をするというドタバタ喜劇。こりゃまたビックリ、時代考証なんてまるで無視。時代劇なのにテレビに電話、コンピュータらしきものまででてきます。なんだなんだなんだと繰り出されるギャグまたギャグ。ナンセンスという奇妙な果実の味を知ったのは、思えばこのアニメからでした。
あまりにふざけ過ぎなので、スポンサーが怒って、製作した26本のうち、12本放送したところで打ち切りになったとか。キビシー!! 今では考えられません。(残りの14本は再放送時に放映)
なのに話にはちゃんと起承転結があるのが凄いです。

キャラクターたちが元気過ぎ。まず主人公のピュンピュン丸。なぜか頭に巨大な丸耳。千葉にあるネズミランドのような形、権利問題は大丈夫なのか? 着物はミニ。サスケやカムイ、フジ丸と同じ、当時の流行だったのでしょうか? そういえば「旅がらすくれないお仙」の女スリ、かみなりお銀(大志田礼子)もミニだった。
(*^^*)

強いのか弱いのかはギャグマンガなのでわかりません。笑って、泣いて、怒って、さゆりちゃんにメロメロ。屈託のないキャラが許されたのは昭和ならではか。声は田上和枝さんです。

赤いマスクのチビ丸はまだ子供。おとなしく、常識的。だけど最強の武器を持っています。それは泣くこと。「 ビエー! 」という鳴き声は巨大な文字になり、すべてを破壊します。チビ丸が「 ボク泣くもん 」といったら周りが大慌て。これが鉄板、わかっていても笑ってしまいます。声は加藤みどりって、サザエさんだったのか。

所長の声は八奈見乗児。伴宙太やボヤッキーの声、このころ既にベテランの領域だったんだ。髭を手のように動かせ、ソロバン打ったり、電話を取ったり、涙を拭いたタオルを絞ったり。今見ても便利そうです。

美少女忍者、さゆりちゃん。きっと吉永さゆりが、その名の由来です。声は白石冬美。実は伊賀の忍者、甲賀忍者のピュンピュン丸とはライバル関係ですが、ピュンピュン丸はその美貌にぞっこん。手柄を譲ったりするので、所長はカンカンです。
一方、ピュンピュン丸にぞっこんなのがケメ子。声は曽我町子(オバケのQ太郎)。ブスということですが、髪が頭全体を覆っているので、その素顔は不明です。

キャラが立っているので、話しが勝手に進んでいく感じ。原作が後に恐怖新聞や、うしろの百太郎を書く、つのだじろう。そう気が付くのはずっと後になってからのことでした。

どの話も面白かったですが、特に忘れられないシーンが。第4話 風雲ポンコツ山 の一場面です。豊臣家の財宝を探すためにポンコツ山に向うピュンピュン丸とチビ丸。その話を聞きつけた「なんでもドロボー株式会社」、二人に迫ります。しかし妨害工作はうまくいかず、山道を先回りし、信号機を設置します。(繰り返しますが、これは時代劇です)

赤信号をイライラしながら待つピュンピュン丸とチビ丸。チビ丸と指相撲をしたり、ご飯を食べたり、風呂に入ったり、テレビを見て待つピュンピュン丸。しかし信号機は赤のまま。山道に行列ができます。迎えた朝、信号待ちには人力車やトラックの姿も。空から見下ろすカットでは飛行機までが行列に並んでいます。

「 空を飛べる飛行機がなぜ、赤信号を待つ!? 」

幼い私がナンセンスの洗礼を受けた瞬間です。笑うというより、どうしてそんなことが思いつくのか、感動さえ覚えました。
( ゚д゚)ポカーン

これは隠れた名作。ヤマトやルパンと同じ、時代を追い越した作品だ、そう思う人も少なくなく、2013年にはリメイクされています。タイトルは「 花のズンダ丸 」。youtubeのアニメバンチョーで公開されています。

設定が面白い。ズンダ丸は今風のピュンピュン丸、チビ丸は巨大ロボになっていて、相棒はあごのしゃくれたシャクレ丸。シビアな所長からの密命を受け、活躍するも実は優等生キリリ丸のためのフェイク指令だったりします。
さゆりちゃんは萌え風の美少女に、そして驚くべきことに機嫌を損ねるとケメ子に変わってしまいます。二人が同一人物とは・・・。この発想は凄い!!
ぉお(゚ロ゚屮)屮

サブタイトル

 

【01】変な怪人三面相(1967年07月03日)

【02】ガッポリいただき(1967年07月10日)

【03】怪獣ゴロゴロン(1967年07月17日)

【04】風雲ポンコツ山(1967年07月24日)

【05】とんでもない奴(1967年07月31日)

【06】あんみつ剣士 危機だらけ(1967年08月07日)

 

【07】ドテドテ怪獣騒動(1967年08月14日)

【08】猫ふんじゃった(1967年08月21日)

【09】ドテドテサイボーグ作戦(1967年08月28日)

【10】かっこいい七色頭巾(1967年09月04日)

【11】爆弾ちゃんは大嫌い(1967年09月11日)

【12】天狗のお鼻はナゼナゼ低い(1967年09月18日)

【13】ケメ子の子守歌(1969年12月29日)

 

【14】史上サイテーの作戦(1970年01月05日)

【15】大福騒動(1970年01月12日)

【16】お化けが出たよーん(1970年01月19日)

【17】怪獣ちゃんを捨てないで(1970年01月26日)

【18】戦争ちゃんと平和ちゃん(1970年02月02日)

【19】ニコニコ忍者ダヨーン(1970年02月09日 )

【20】ショウジキ泥棒ちゃん(1970年02月16日)

 

【21】ドテドテ救出作戦(1970年02月23日)

【22】金の卵だよーん(1970年03月02日)

【23】どっちもどっち(1970年03月09日)

【24】こちらお天気110番(1970年03月16日)

【25】野球忍者と海賊ちゃん1970年03月23日

【26】怪盗スルメイカ衛門(1970年03月30日)

関連リンク

各話ごとの感想はこちらに書きました。
ピュンピュン丸、各話の感想 – 電脳タイル