★[ドキュメンタリー]幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリーの感想(File-001:ネッシー、江戸時代のUFO譚)

2015年9月5日ドキュメンタリー, 感想, 番組

● 超常世界のスーパースター。ネッシーさん、出番ですよ。


◆ ネッシー

● ネッシー(英: Nessie)は、イギリス、スコットランドのネス湖で目撃されたとされる、未確認動物「ネス湖の怪獣 (Loch Ness Monster、ロッホ・ネス・モンスター)」の通称。

【 データ 】
● No.:File-001
● 初放映:2013年04月24日
ゲスト:台湾・南台科技大学 助教授 伊藤龍平

【 番組内容&感想 】
● 20世紀最大のミステリーとも言われる、ネッシー。番組で紹介された情報を時系列に並べ替え、コメントしてみました。
● まずはネス湖自体の説明。イギリスのスコットランドにあるネス湖。氷河が溶けてできた湖。幅1.5km、全長39kmと細長い。最深部は230m。
深さ230mとは海で言えば深海。シーラカンスもこの深さにいるらしいと思わせぶりな説明。なぜダイオウイカの話をする!?
(ー’`ー;)ムー
● 最初の目撃は1933年4月14日。地元の女性、アルディー・マッカイさん。なんとそのインタビュー映像(カラーだけど古い)を紹介。ネッシーってそんな昔からの話じゃないんだ。
w( ̄△ ̄;)wおおっ!
目撃は全長6mのふたつの瘤(こぶ)を見たというもの。「なんだかわからないもの」と思ったらしい。話し方も真っ当、これは嘘ではなさそう。
● 次は3ヶ月後の1933年7月22日。ネス湖沿いの道路をドライブしいていたスパイサー夫妻の証言。首の長い4mほどの生物が道路を横切ったらしい。イラストがでてくるけど、これがまたネッシーとはまったく別物のこれも「なんだかわからないもの」。この形状の方が首長竜より奇怪。夫妻は「キングコングに出てくる恐竜(ディプロドクス)に良く似ていた」と証言したらしいが・・・。
なんで車載カメラつけてなかったんだぁ!!夫婦揃ってスマホ忘れたのか!?
キングコングは1933年公開、またコナンドイルの「ロスト・ワールド」が1925年に映画化。「実は昔の生物が生きているのでは・・・」そう思わせる時代背景があったと解説。その頃、ネス湖周辺はまだ秘境だったとも。この年国道82号線が完成。訪問者が増え、ネッシーの目撃情報も増えたらしい。
● そして早くも例の写真が登場。1934年4月21日のこと。発表当初すでに「波に比べてネッシーが小さい」などの指摘が。また東京学芸大学、佐藤たまき准教授は「首長竜は垂直に首を持ち上がれない(神経棘)」と説明する。・・学芸大!? だいたい遠近感がおかしいものなぁ。洗面器の中のおもちゃにしか見えない。
ネッシー研究かのトニー・ハームワースさんのインタビュー。当時はまだ写真が生活に入ってきたばかりの頃で「写真は嘘をつかない」と信じられていたとのこと。なるほど。
1993年、おもちゃの潜水艦を使った偽ものと本人が証言。NHKも早くから偽物だといってくれればよかったのに。もっとも私が子供の頃はNHKはこういう話題を取り上げることすらなかった。これは進歩なのか、退化なのか、時代なのか、世代なのか。
● ネッシー写真を数点紹介。恐竜の模型、ゾウの鼻、カワウソのしっぽ、写真加工と手厳しい。
● ネス湖に巨大爬虫類が住めるかを検証。植物連鎖から考えると、ネス湖には大型ワニが1.9頭住む程度のプランクトンしかいないと解きます。本当かなぁ。
東日本大震災の例を出すまでもなく、学者の意見というのは怪しい。詐欺師は自分で嘘と知ってて嘘をつくからいいけど、学者は自分では正しいと思って嘘をいうから始末が悪い。わかっていないことがまだ多くあるのにすべて考慮済み扱する論理展開がわからない。
● 後半は最近も目撃されている瘤のようなもののを検証。船の航跡が作る波の見間違い。鳥の群れの見間違い。そしてネス湖に起こる静振現象の説明。
航跡の作る波というのは地味だけど説得力あり。マッカイ婆さんも、瘤を見た日は湖面がアイロンをかけたように平らだったといってたし。
● 静振とは気圧や風などの変化により湖沼や湾内でみられる水の振動のことで、流木などが波に逆らって進む現象に説明がついたとのこと。
その説明の中でネス湖プロジェクト代表のエイロヂアン・シャインがいう、
「私はネッシーが存在しない可能性が高いとわかったとき・・・」の一言が寂しい。これをさらりと流すところにこの番組の真のテーマを感じました。
●コテングリー妖精、ミステリーサークル、ネッシー。イギリス人って中二病!?

 


 
【 追加調査 】
● 史上最古の記録は、690年頃にアダムナンが書いた聖コルンバの伝記『聖コロンバ伝』(VitaColumbae)とされる。文中でアダムナンは、565年に目撃されたネス川の怪物のことについて記述している(なお、ネス川はネス湖に直接接続していない)。
● マッケイ夫妻は湖畔のホテル経営者だった。またその時たまたま持っていたカメラでネッシーを撮影していたが、なぜかそのことを隠し、発表したのは1993年になってからだった。


■ マッケイ夫妻の写真 ■

⇒ 一番本物っぽいけど・・・。なぜ寄りによって1993年に発表した。
Σ(゜Д゜)
 
● 1933年7月、ヒュー・グレイによる最初(当時)の写真が撮影、公表された。


■ ヒュー・グレイ氏の写真 ■

⇒ どこが首?ネッシーどころか訳がわからないのは私だけ?
⇒ グレイ氏はアルミニウム会社に勤務。
⇒ この写真にはコダック社が加工の形跡なしとお墨付きを与えた。
⇒ フォトショップで明るさ、コントラストを調整するとラブラドール・レトリバーが棒をくわえて泳いでいるようにみえるらしい。
 
● 1934年4月、ロンドンの外科医(実際は産婦人科医)、ロバート・ケネス・ウィルソンは友人と共に鳥の写真を撮りにネス湖を訪れ、突然湖面に現れたネッシーを、持っていたカメラで撮影した。この写真はデイリー・メール紙に掲載され、「外科医の写真」と称されて話題を呼んだ。岸が写っておらず、ネス湖を撮影したという確証はなかったが、首長竜を思わせる長い首がはっきり写されており、長らくネッシーの代表的写真として知られてきた。しかし1993年11月、クリスチャン・スパーリングが死の間際に、この写真がトリックであったと証言した。首謀者は彼の養父マーマデューク・ウェザラル。彼らは、自ら発見したネッシーの足跡を偽物と判定された意趣返しに、おもちゃの潜水艦に30センチメートルほどのネッシーの首の模型を付けた物を撮影したという。そして、知人であるウィルソンの医師という社会的地位に目をつけ、偽証を依頼したとのことである。エイプリルフールのジョークのつもりだったが、世界的な話題になったことで引くに引けなくなったとのこと。
この告白は翌1994年3月、イギリスのサンデー・テレグラフ紙に掲載された。これにより、1枚の写真のみならず、ネッシーに関わる証拠すべてが捏造であったかのような報道が世界的になされた。しかし、この写真の件が明るみに出る以前から、ネッシー肯定派からも証拠能力への疑問が提示されていた。


■ 外科医の写真 ■

⇒既に1960年代より、写真に写る波の大きさや形状から、被写体が大型生物ではなく、数十センチメートル程度の物体であることが指摘されていた。
⇒ 1980年代には、研究者により、対岸が写った元の写真が発見された。これにより被写体が実際に小さかったことが証明されたのみならず、公表者が被写体の小ささを隠すために、意図的にトリミングした写真を公開した疑いも指摘されていた。
⇒ いままでは遠景写真やマーマデューク・ウェザラルが模型を持ってる姿などの写真も既に見つかっている。
 
● 1951年のラクラン・スチュアートによる写真は、ネッシーの背中の三つのコブと思しき物体が捉えられており有名である。


■ ラクラン・スチュアートの写真 ■

⇒ リチャード・フレールは偽造写真を撮影する現場を目撃していた。現場はかなりの浅瀬で、コブに見えるものは防水シートで覆われた干し草の俵だった。 
 
● 1955年、P・A・マクナブ撮影の写真。湖岸のアーカート城址が写り込んでおり、それとの比較でネッシーの大きさ(10~15メートル)と推測できる。


■ マクナブの写真 ■

 
● 1975年にボストンの応用科学アカデミー研究チームにより撮影された水中写真。世界的なニュースとなった。


■ ボストン応用科学アカデミーの写真 ■

⇒撮影されたオリジナル写真には画像処理が施されている事が判明

● 2005年3月頃、ネス湖の湖畔で、シカの死体とともに長さ10センチメートルほどの牙状のものが見つかっており、一部ではこれをネッシーの牙として、なおも存在を信じる人々がいる。


 
● 日本においても最も知られた未確認動物であり、テレビ番組や雑誌等でしばしば取り上げられた。
● 国内で目撃証言のある類似の未確認動物に「〜シー」という命名が盛んにされた(池田湖のイッシー、屈斜路湖のクッシーなど)。
● 石原慎太郎はネッシーの存在を信じており、何度か捜索隊を組んでネス湖を調査している。
● 1977年に日本の漁船がニュージーランド沖で未確認動物の腐乱遺骸を引き揚げ、大きな話題となったが、これに「ニューネッシー」の名がつけられた(後にサメ類であると結論付けられ、ウバザメ説が有力であると結論付けられている。しかし一方で反論もある。)。
ネス湖で目撃されるから「ネッシー」なのであり、このネーミングは不合理だったが、日本でネッシーの名が未確認水棲獣の代名詞であったことの傍証ともいえる。

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◆ 江戸時代のUFO譚

● 虚舟(うつろぶね)とは茨城県大洗町(北茨城市とも語られる)沖の太平洋に突如現れたとされる、江戸時代における伝説の舟である。

【 データ 】
● No.:File-001
● 初放映:2013年04月24日
ゲスト:岐阜大学名誉教授 田中嘉津夫、科学ジャーナリスト 皆神龍太郎

【 番組内容&感想 】
● 1803年(享和三年)、鹿島灘。浜に得たいの知れない乗り物が現れた。幅5.5m。上部にはガラス製の窓が3つ。下半分には鉄の縞模様。そして船内には謎の文字。降りてきたのは美女・・・!?
Σ(゚Д゚ υ) アリャ これはどう見ても美女にはみれない。蛮女って、書いてあると説明しているのに、なぜ美女という?
● 蛮女の持っている謎の箱。玉手箱?
● 村人は面倒なことは嫌だと蛮女を舟に戻し、海に流した。・・・ということは、蛮女は蛮女でも従順な蛮女だったのか。
● この話の出所は事件の22年後に開かれた「兎園会」。主催者は曲亭(滝沢)馬琴。でるか、さもしい浪人、網乾左母二郎(あぼしさもじろう)。
● うつろ舟の話自体が滝沢馬琴の創作!?と疑われたことがあったが、最近新資料が続々発見。「茨城で見つかった絵図」「瓦版」「東北の武士の日記」「愛知の風聞集」「京都のメモ書き」・・・。馬琴の創作では説明がつかなくなっているとか。なるほど。
各資料の共通点は
1)丸い空洞の乗り物
2)箱を持った謎の女
3)4つの異形文字
● 事件から120年後、柳田國男が事件にコメント。絵図はでっち上げ(駄法螺)だと斬り捨てたらしい。異形文字が世界のどこにも無い文字だからというもの???、なんでそうなるのか不思議な論法。井上円了のコメントはないのか?
● 戦後のUFOブームの中、うつろ舟が脚光を浴びる。これは宇宙船ではないのか!?・・・空を飛ばない空飛ぶ宇宙船。ちょっと無理がある、後付っぽいとの光のナビゲータに同意。
● 田中教授の分析。瓦版の女性の絵がある人に似てるとのこと。同じように鹿島灘に漂着した、その名も金色姫。養蚕をもたらしたという女神。金色姫のお札というので見ると、すこし美人かも。星福時にある金色姫の像の手には箱、中には蚕入っているらしい。そしてこの瓦版の作者は曲亭陳人=曲亭(滝沢)馬琴。また出たか、悪女船虫。すべては馬琴の創作か?田中教授の眼鏡がキラリと光ります。馬琴はともかく、金色姫説で謎はすべて解けたのでは。
● 科学ジャーナリスト 皆神龍太郎さんは「六郷渡」という浮世絵の周りに描かれた蘭字枠が、異形文字に似ていることを発見。ナレーションでは異国情緒を出すために異型文字が描かれていたのではないかとまとめます。う~ん、ギヤマンの窓を持つ船の中に、異国情緒を持たせるために文字を書くとは思えないが・・・。
(==;
● モノノ怪の海坊主の話に出てくる「うつろ舟」とは関係ないのか、残念。


現代語訳南総里見八犬伝 上
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【 追加調査 】
● 『兎園小説』(1825年刊行・江戸の文人や好事家の集まり「兎園会」「耽奇会」で語られた奇談・怪談を、会員の一人曲亭馬琴がまとめたもの)に『虚舟の蛮女』との題で図版とともに収録され今に知られているほか、兎園会会員だった国学者・屋代弘賢の『弘賢随筆』にも図版がある。
● その虚舟は海から流れて漂着したが人々に恐れられ、再び海に流されてしまったという。空飛ぶ円盤の江戸時代的表現ではないかとされているが、虚舟が「動力を持っていた」、もしくは「空を飛んだ」等、読み取れる資料は存在しない。
● 虚舟の正体は・・
 空飛ぶ円盤(UFO)説
 謎の潜水物体説
 ヨーロッパからやって来た女性説
 謎の神伝説
 ただ単に語られた噂。創作、または伝聞を大幅に脚色したもの
● 2014年5月26日付けの茨城新聞は川上仁一の忍術を伝える伴家の古文書から「うつろ舟奇談」に関わる史料があり、漂着地の実在地名が「常陸原舎り濱」(現在の神栖市波崎舎利浜)と記され、具体性があると岐阜大学の田中嘉津夫名誉教授が発見したと報じた。

 


 

 



初出:2005年06月25日、テレビの悪足掻き