★[特撮ドラマ]ウルトラQの感想(第21話 宇宙指令M774、第22話 変身、第23話 南海の怒り、第24話 ゴーガの像)再作成版

特撮ドラマ

ボスタング、スダール、ゴーガ登場。ウルトラQ(オリジナル)も終盤へ。

★ 作品全体の情報、感想はこちら( ウルトラQのすべて )をご覧ください

◆【021】宇宙指令M774

◆ ストーリー

キール星人により送り込まれた怪獣ボスタング。ルパーツ星人ゼミは地球にその脅威を伝えるが・・・。

◆ データ


初回放映:1966年05月22日
初回視聴率:30.9%
製作順:19
怪獣:キール星人、ルパーツ星人、宇宙エイ ボスタング
アイテム:-
監督:満田かずほ
脚本:上原正三
特技監督:的場徹
英文タイトル:Space Order M774

ゲスト:
水木恵子(一条貴世美(ルパーツ星人ゼミ))
小美野欣二(巡視船「ねぎし」大木航海士)
藤田進(巡視船「ねぎし」松田船長)
多田幸雄(宮本航海士)
山崎洋(星川航空パイロット)

◆ 感想(ネタバレ注意!)

60年代に豪華客船でクルーズなんて、羨ましい。トランプに負け、一人デッキを歩く由利子。お出かけ用のメイク? 化粧のノリがいい。落ちていた人形を拾い、それを手に星空を見上げる由利子。流れ星? いや円盤だ、すると人形がしゃべりだします。

「私の名はゼミ、私の名はゼミ。ルパーツ星人です。地球人に警告します。地球に怪獣ボスタングが侵入しました。とても危険です」

人形を海に投げ捨てて、走る由利子。・・・もったいない、人形を調べれば何かわかるかもしれないのに。

ルパーツ、ルパーツ、ルパーツ・・・。不思議な響きだなぁ。人形ものは怖い!と思ったけど、口も動かさずしゃべっただけで、あまり活躍せず。ぜひとも歩き回ってほしかった。

一平の操縦するセスナ、だいぶ安定してきたと褒める万城目。しかし、突然操縦不能となり・・・。着陸したセスナ、しかし万城目たちは乗っていない、呆然とする由利子。ミステリーだ。

山の中を歩く万城目と一平。ここは地球なんでしょうか、先輩? 不安げな一平。山小屋を発見、中に入る二人、ひとりでに閉まる扉。サイフォン式のコーヒー、ジュークボックスなんて久しぶりにみた。コンピュータがない時代、これをパソコンのない時代に作るって凄い。
(演奏された曲をカウンターする機能まであり、曲の入れ替えの目安にしてたらしい)
再生されたレコードからは、再びゼミからの警告。なんて手の込んだことを。大統領か、総理大臣にでも教えてあげて。
(^^;
海底ではボスタングが誕生、ゼミも地球に。

海、笛を襲うボスタング。泣き声が可愛い。普通の大きさのエイにしか見えないので、動物虐待? 海の特撮、撮影が大変そう。

中央図書館大きい、それに周りに何もないところが凄い。昔は日本もこんなに広かったのか。

無表情の一条貴世美、映画に出てきそうな60年代美人。宇宙指令M774(えむななななよん)で地球を守りに来とのこと。地球はウルトラQの時代からすでに守られていたのか。

貴世美、万城目達を乗せた巡視船(海上保安庁)に襲ってくるボスタング。音を頼りに攻撃してくるので、エンジンを切れという貴世美。すると代わりに客船を襲うボスタング。500人の命が・・・。再びエンジンをかけ囮になる巡視船、ボスタングに砲撃。戦闘機まで参戦。弱すぎるボスタング、なんか可哀そう。

「あの人も、あの人も、あの人も・・・、あなたのお隣の方、その人も宇宙人かもしれませんよ」視聴者にそうつぶやく貴世美。何でもっと早く教えてくれなかったの!? 足元をみれば宇宙人かどうかわかったのか!! 韮澤さんにも教えてあげて。
(^^;

◆ 本編を観たい方は・・・

 


 

◆ ナレーション

オープニング
なし
エンディング
なし(代わりに貴世美の警告あり)

◆ 薀蓄(うんちく)

ワイヤー操作のボスタングであったが、水を吸ったため、上手く動かなかった。
「ボスタング」とはキール星の言葉で「不滅の生命」を意味するらしい。本来は、ウルトラQの未発表シナリオ「oilS・O・S」に登場する予定だったオイル怪獣クラプトンの操演用ミニチュアを改造したもの。
キール星人の名前は「殺す」の英語読みの「Kill」から。
ルパーツ星人を演じる水木は、監督の満田かずほが過去に携わっていたTBSの番組に出演しており、満田は水木が結婚後に引退したものと思い込んでいたが現役であったことを知り、本作品に起用した。
ルパーツ星人のサンダルは地味なものが用いられていたが、『総天然色ウルトラQ』では印象的にするため金色に着色された。
ロケ地:長沢浄水場、向ヶ丘遊園

◆【022】変身

◆ ストーリー

モルフォ蝶の毒により巨人となった男と、その男を慕う女の話。

◆ データ


初回放映:1966年05月29日
初回視聴率:26.9%
製作順:2
怪獣:巨人、巨蝶モルフォ蝶
アイテム:熱原子X線
監督:梶田興治
脚本:北沢杏子
特殊監督:川上景司
英文タイトル:The Transformation

ゲスト:
野村浩三(浩二(巨人))
中真千子(あや子(浩二の婚約者))
生方壮二(警官隊隊長)
大西康雅(村人B)
小松英三郎(毎日新報の記者)
廣田新二郎(村人A)

◆ 感想(ネタバレ注意!)

制作番号2番。由利子とかまだ若い、なんだかボーイッシュ。

モルフォ蝶の毒で恋人(浩二)が巨人になったと訴えるあや子。それを聞く一の谷博士、由利子、万城目、一平。
「私はあの人を捨てたんです(;;)」
そういうことじゃないような。
(^^;

家を踏みつぶし、送電線を破壊する人間の姿が怪獣なんかより新鮮。のちに1/8作戦よりも前に撮られていたのか。腰布だけで暴れまわる巨人、その瞳には涙が。巨大化するとしゃべれなくなるのか。三船敏郎に演じてもらいたかったところ。

この頃は雪男やネッシー、空飛ぶ円盤全盛期だったんだろうなぁ。でも雪男の正体は熊で、探検費用がほしい探検隊が嘘をついていただけ(白い栗山千明談)なんだけどなぁ。

ロケ地が成城らしいけど、あの山と森が本当に成城!?

一ノ谷博士熱原子X線(ちびっ子光線)を浴び、元に戻るというオチ。まったく予想できなかった。(元々は光線を浴び、死ぬストーリーだったらしい)

蓼科高原にアマゾン生息のモルフォ蝶が。この頃から地球温暖化が始まっていたというのか。

デスクの台詞「君みたいなお嬢さんは一ひねりで ザ エンド だ」。母音の前は「ジ」なのでは・・・。ネイティブスピーカーによると、そんなのどうでもいいらしいけど。

◆ 本編を観たい方は・・・

 

◆ ナレーション

オープニング
いま、我々を取り巻く自然界の一部が不思議な身動きを始めようとしています。そうです。ここはすべてのバランスが崩れた、恐るべき世界なのです。これから30分、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。
エンディング
これは架空の話ではありません。あなた自身の話なのです。もしあなたの恋人がアンバランスゾーンに落ちた時、それでもあなたの愛は変わらないと言えるでしょうか? ではまた来週。

◆ 薀蓄(うんちく)

『ウルトラQ』の前身である『UNBALANCE』で原案を手がけた金城哲夫は、当時制作進行であった熊谷健から聞いた辰子姫伝説をもとに発想した。
巨人になった男、浩二の名はナレーションを担当した石坂浩二に由来する。
脚本ではモルフォ蝶はキプリスモルフォとなっている。
初期設定では巨人は熱原子X線を浴び、人間に戻った直後に死亡するという予定だった。
ロケ地:日比谷公園、世田谷区成城

【023】南海の怒り

◆ ストーリー

第五大平丸を襲うオオダコ、スダール。コンパス等に流れ着いた雄三は島の娘、アニタに助けられる。

◆ データ


初回放映:1966年06月05日
初回視聴率:30.1%
製作順:23
怪獣:大ダコ スダール
アイテム:-
監督:野長瀬三摩地
脚本:上原正三
特殊監督:的場徹
英文タイトル:Fury of the South Sea

ゲスト:
久保明(雄三)
高橋紀子(アニタ)
石田茂樹(コンパス島酋長)
上田忠好(通訳・南)
和沢昌治(雄三の父(第五太平丸船長))
高木弘(ジラー)
伊吹新(コンパス島の男)
池田宏(タラー)
荒木保夫(第五大平丸船員)
鈴木泰明(毎日新報記者)

◆ 感想(ネタバレ注意!)

タコだから、酢タコ。酢タコだからスダール。文句のつけようがない。ww 実在すれば大王イカならぬ大王タコか。

太平洋のど真ん中で船が座礁。クラーケンだ!メタンハイドレードだ!! スダールに襲われる第五大平丸。スダールを操作するのは大変そう、大勢でやっているに違いない。画面比率が4:3ではもったいない。

コンパス島に流れ着く雄三、アニタに助けられる。やがて万城目たちも島へ。反目する島の人々。しかし万城目がスダールから子供を助け、受け入れられる。モスラの歌(インフラント島)はインドネシア語らしいが、コンパス島では何語を話しているんだろう。通訳(南くん)の頼り無さが面白い。島に上陸するスダール、スーツアクターはいないようだけど、どう操っている? 外套膜とか漏斗とかよくできてます。

アニタ、薄着過ぎ。(*^。^*) でもライフル乱射には驚いた。漁師なんか辞めて、南の島で暮らすのも一計。

雄三役の久保明。どこかで見た人と思ったら、マタンゴで生き残った人でした。蜘蛛の巣場や用心棒にもでてたらしい。

◆ 本編を観たい方は・・・

 


 

◆ ナレーション

オープニング
そこはミクロネシアに点在する島の人々から死の海と呼ばれる海域であった。だが恐れを知らぬ漁師たちはタブーを笑い、勇敢にも死の海に漁場を求めて行ったのです。
エンディング

◆ 薀蓄(うんちく)

スダールの名称の由来は酢ダコ。
スダールは「フランケンシュタイン対地底怪獣<海外版>」や「サンダ対ガイラ」に登場した大ダコ
最後スダールが島を襲うシーンは、「キングコング対ゴジラ」の映像を挿入。本物の蛸を使っている。
由利子は最後に島を離れる時にしか写真を撮っているシーンがない。
巨大なタコの登場は、『UNBALANCE』のサンプルストーリー「大蛸の逆襲」「老婆と美女」などでも検討されていた。
原島民たちや万城目たちがスダールと戦うシーンは『キングコング対ゴジラ』の映像を一部(モノクロ)流用しており、脚本自体がこの流用を前提に書かれている。
ロケ地:こどもの国、剣崎

◆【024】ゴーガの像

◆ ストーリー

博物館から盗まれたゴーガの像。国際密輸団を調査する捜査官の前で、像に変化が現れる。

◆ データ


初回放映:1966年06月12日
初回視聴率:27.0%
製作順:25
怪獣:貝獣ゴーガ
アイテム:アランカ帝国
監督:野長瀬三摩地
脚本:上原正三
監督:的場徹
英文タイトル:The Idol of Goga

ゲスト:
松下達夫(岩倉孫一郎(国際密輸団のボス))
笠間雪雄(タミの父・瀬川大使)
田原久子(アリーン / リャン・ミン(暗号名=A3))
山県玲子(タミ)
佐乃美子(瀬川正子)
入江正徳(対策本部・早田)
相沢治夫(対策本部長・大野)
山崎洋(N2)
日恵野晃(ゼロ)
渡真二(熊)
古谷敏(岩倉の部下・蜂)
山谷初男(岩倉の部下・猫)

◆ 感想(ネタバレ注意!)

冒頭、なんか犯罪の匂い。キーハンターを思い出しました。ナレーションはなしか。

ゴーガの像があまり貴重なものにみえないけど。あっ!目が光った。

ナメゴンとゴーガの違いがわからない。ナメクジとカタツムリ!? まさか殻がドリルになってるなんて。ゴーガはナメゴンのバージョンアップ版?
ゴーガが動く時のジェットコースターが頂上に上るまでの音みたいなのが気になる。

茅場町で大暴れのゴーガ。ヤン・ミンを殺そうとして、ゴーガの前に飛び出し、押しつぶされるゼロの人生っていったい・・・。

凄い!女スパイ(ヤン・ミン)がapple watchみたいのを持ってる。www 実は国際文化財秘密捜査官なのですが。

昔はオープンカーが人気!? よく登場しますが。雨が降ったらどうするんだろう?

ゴーガは火炙りの刑に。誰も海水の話をせず。

◆ 本編を観たい方は・・・

 

◆ ナレーション

オープニング
なし
エンディング
なし

◆ 薀蓄(うんちく)

モデルになったのは、当時米軍施政下の沖縄本島に蔓延していたアフリカマイマイ。
着ぐるみは合計3体が作られたが、一番大きな着ぐるみは劇中描写のため本当に燃やされたしまった
ゴーガが復活して、天井を破って外に出るシーンで、人間の指が映っている
ゴーガは大(1メートル)・中(30センチメートル)・小(8センチメートル)の計3体が造型されたが[108]、一番大きいものは撮影時に作中描写のまま、実際に焼却された。
ロケ地:渋谷4丁目交差点、首都高速都心環状線呉服橋出入口、島根会館(島根イン青山)、渋谷区東4丁目

 

◆本編を観るには・・・


 


    




 
3稿:2022年08月24日、テレビの悪足掻き
2稿:2017年10月09日、テレビの悪足掻き
初出:2015年03月18日、テレビの悪足掻き