★[探偵ドラマ]33分探偵のすべて

2021年1月27日2008年放送, 感想, 探偵ドラマ, 番組

これは新しい!探偵ドラマ、33分探偵の情報です。

Index

 

撮影秘話

主人公・鞍馬六郎が独自の迷推理を繰り広げ、犯人が明らかになっており事件解決間違いない状況下で、CMの時間を除いた33分間その事件を持たせる、という作品。ジャンルは「脱力系サスペンス」と定義している。
作品と基礎となる「33分の放送時間を持たせる」という点を含めて、メタフィクション要素が多数盛り込まれている。 また、フジテレビ系列の他の番組のセットやキャラクター(ガチャピン、ムック、めざましくん)をそのまま登場させている。
六郎が犯人に見立てた容疑者の犯行時刻の回想シーンでは、毎回犯人役の人物(時には周りの人物)は豹変し、奇怪な動きをするように描かれており、六郎の理不尽な推理と併せてギャグを作っている。

主演の堂本剛曰く、続編制作の話を聞いた時に「また長いんやろ?」と質問すると、「4話(『帰ってくるのか!? 33分探偵』を含めると5話)だけです。次のドラマまで持たせて下さい。」と言われたらしい。

(2009年3月15日放送『新堂本兄弟』より)

六郎の机に飾られているのは、アルセーヌ・ルパンとシャーロック・ホームズとエルキュール・ポアロの3人のフィギュアである。
第4話では、関係者にアリバイを確認するシーンで『めざましテレビ』・同時期放送クールの月9『太陽と海の教室』の教室セットも使われている。
チープな移動場面、分野を問わず精通する情報屋、エンディングでの静止シーンなど、アメリカのTVコメディ『フライング・コップ』(映画版は『裸の銃を持つ男』)へのオマージュが随所にみられる。
第9話の六郎のセリフ「じっちゃんの…じっちゃんの名にかけて!」と、リカコのセリフ「はじめちゃん…」は『金田一少年の事件簿』のパロディで、スタッフの遊び心が伺える。他にも『帰ってこさせられた33分探偵』の第10話では『キイナ〜不可能犯罪捜査官〜』のパロディも挿入されている。
原案、脚本の福田雄一は栃木県出身であるためか、しばし登場人物の姓が、栃木県の地名に由来する。
大田原警部、茂木刑事、氏家警部、音楽教師 小山、役者の石橋、バンドマン鶴田、お笑い芸人 佐野

(???)

データ

放映期間:2008年8月2日 – 9月27日
放映日時:毎週土曜 23:10 – 23:55(45分)
放送局:フジテレビ
放送回数:全9話
ナレーション:普通にやれば、たった5分で終わる超簡単な事件を、正味33分の放送時間いっぱいまで、何とかもたせる名(迷)探偵。その名も、33分探偵・鞍馬六郎。次々と繰り出される推理に、ガンガン増える一方の容疑者。その果てに、真犯人は見つかるのか、見つからないのか!

感想

事件発生!すぐに捕まる犯人。よかった、よかったと思ったのもつかの間、探偵が呟きます。
「 果たして、そうでしょうか? 」
何かわかったのかと驚く刑事。またかと呆れ顔の助手。探偵は続けます。
「 この簡単な事件、俺が33分もたせてやる! 」
私の嫌いな探偵 の感想をあれこれ読んでいて知った33分探偵。13話分見てみました。

ミステリィ界もネタ切れ気味。同じような事件に、同じような意外な展開。刑事や探偵のキャラクターで持たせるドラマがほとんど。でもこのドラマは新しい。すぐに犯人がわかるのに、探偵は「放送時間をもたすてめ」という理由で捜査を始めます。www
そして探偵の推理は突拍子もないもの。トリックの謎解きも明らかに実現不可能。つっこまれると「なんやかんやで」と誤魔化します。
(^^)
有名なミステリィを引き合いに出す探偵。ギャグミステリィですが、実は本格的ミステリィも同じようなものさという、ミステリィへのアンチテーゼすら感じさせます。

探偵、鞍馬六郎役は堂本剛。お洒落でちょっとニヒル。血が苦手でまともに死体を見れないという設定に笑いました。でもやっぱりどうしても金田一少年の面影が。・・ともさかりえは今どうしているんだろう?
「じっちゃんの名にかけて」と言いそうだと思い続けていたら最終回(第9話)、本当に言ってました。「はじめちゃん」とフォローする助手、リカコwww。他局なのに・・・。
「なるほろ」というのが口癖。でもそう解説されるまで、それと気が付きませんでした。
疑いをかけた人には菓子折りを渡して謝るという律儀な面あり。

助手の武藤リカコ役には、水川あさみ。開けっ広げな性格、口も悪い。でも考え方は一番まともで、探偵に突っ込みまくり。大げさな表情が、静かになりがちの展開にアクセント。この役は難しいそうです。六郎との掛け合いが毎回笑えます。

大田原警部役は高橋克実。ドラマに出てくる真面目な刑事という感じですが、あまり物を考えない模様。事件が起きると探偵の元にやってきて現場に連れ出します。推理は六郎任せです。
自分の見合い相手が殺人を犯す事件。前半の緊張のあまり、ハイテンションになって、何を言っているのかわからないという演技が笑えます。 

探偵事務所にわけのわからない人が訪ねてきて玄関を動かず。その対応に戸惑うリカコ。そこに「おい探偵!事件だ」とドアを勢いよく開ける大田原警部、訪問者を突き飛ばします。ww
まぁこれでもと、ピタゴラスイッチみたいな装置でコーヒーを入れるリカコ。このワンパターンが脱力系。確かに「私の嫌いな探偵」と似ている。他にセクハラ鑑識官とその助手、なんでも知っている情報屋。あまり笑えないところがまた脱力系です。www

小ネタも面白い。例えば第2話。犯人が脅迫状を作るシーン。新聞から文字を切り抜く犯人、その手アップ。その先をカメラが追うと、宝船や舞妓の切り絵が。あとからクスクスきます。例えば第5話の六郎の推理再現シーン。
六郎「わがままばかり言う理恵さんは、ついには「家に帰る」と席を立ってしまった。せっかくの俺の好意を無駄にしやがってと瞬時に殺意が湧き上がった。理恵さんを追ってレストランを出ると、時を同じくして、そこにめぐみさんがいた。ナイフで理恵さんを刺そうとするあなた(茂(理恵の夫))を、めぐみさんが阻んだ。刺そうとするあなた。理恵さんを完全にブロックするめぐみさん。そこにめぐみさんに殺意を抱く敬子さん(大和田刑事の見合い相手)が現れた。すると今度は理恵さんがめぐみさんをブロック。理恵さんをかわして、めぐみさんを刺そうとする敬子さんをかわして、理恵さんを刺そうとする茂さん。そんな茂さんをブロックしようするめぐみさん。めぐみさん、敬子さん、茂さん、理恵さん、茂さん、めぐみさん、なんか変な人(バスケットボールの選手)、理恵さん、敬子さん、なんか変な人、茂さん、なんだかんだかなりの感じでごちゃついた。行き詰る攻防が続いた。そんなこんなしているうちに、敬子さんは気絶・・・。気絶した敬子さんを横目に理恵さんを刺そうとしたあなたをめぐみさんがブロック。あなたはとうとうめぐみさんを指してしまった。倒れためぐみさんをみて、理恵さんは言った「すっとぼけましょう」。違いますか?」
茂・理恵「違います。」
www。時々現れる脈絡もない人にも驚きます。

 

サブタイトル

< 33分探偵 >

2008年08月02日 第01話 花嫁殺人をもたせる!!
2008年08月09日 第02話 別荘殺人をもたす
2008年08月16日 第03話 女子校殺人をもたせる
2008年08月23日 第04話 女優殺人をもたせる!
2008年08月30日 第05話 お見合い殺人をもたす

2008年09月06日 第06話 連続殺人をもたせる!
2008年09月13日 第07話 ミュージカル殺人をもたせる!
2008年09月20日 第08話 誘拐殺人をもたす
2008年09月27日 第09話 船上殺人をもたす
 

 
< 帰ってくるのか!? 33分探偵 >

2009年03月21日 第9.5話 迷探偵のルーツに迫る! 子供の頃からナンヤカンヤです!

< 帰ってこさせられた33分探偵 >

2009年03月28日 第10話 人気占い師殺人をもたせる!
2009年04月04日 第11話 京都・旅館殺人をもたせる!
2009年04月11日 第12話 大阪・お笑い芸人殺人をもたせる
2009年04月18日 第13話 演歌歌手殺人をもたせる!

キャスト

鞍馬六郎(33分探偵)/ 堂本剛(少年期:前田旺志郎)
武藤リカコ(探偵助手) / 水川あさみ
大田原警部 / 高橋克実
茂木(もてぎ)刑事 / 戸次重幸(TEAM NACS)
鑑識官 / 佐藤二朗
アイ / 野波麻帆
情報屋 / 小島よしお
氏家警部 / 沢村一樹

スタッフ

原案・脚本・演出:福田雄一
音楽:石田勝範
監督:福田雄一、成田岳、森谷雄(帰ってくるのか!? 33分探偵)
主題歌:KinKi Kids「Secret Code」(ジャニーズ・エンタテイメント)
ナレーション:志賀廣太郎
撮影:沢野政人、三栗屋博、大野勝之(帰ってこさせられた33分探偵)
照明:高瀬隆治
録音:江坂強志
装飾:加瀬豊
編集:栗谷川純、野見山繕照
美術プロデュース – 安藤典和(帰ってこさせられた33分探偵)
美術デザイン – きくちまさと(帰ってこさせられた33分探偵)
音声 – 福地弘恭(帰ってこさせられた33分探偵)
装飾 – 加瀬豊(帰ってこさせられた33分探偵)
メイク – 清水惇子(帰ってこさせられた33分探偵)
衣裳 – 会田晶子、渡辺奈央(堂本剛)(帰ってこさせられた33分探偵)
音響効果 – ミラクル・スパーク
タイトル/CGデザイン – 本田貴雄


 



 

2稿:2020年11月06日、テレビの悪足掻き
初出:2016年03月09日、テレビの悪足掻き