★[刑事ドラマ]刑事コロンボの感想(1st)構想の死角

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● 刑事コロンボ、1stシーズン。構想の死角の感想です。


★[刑事ドラマ]刑事コロンボのすべて


◆ 構想の死角

【 データ 】
● 初放送:1972年11月26日
● タイトル:構想の死角
 Murder by the Book
 
● 犯人:ミステリー作家
 
● 脚本:スティーブン・ボチコー
● 監督:スティーヴン・スピルバーグ
● 制作:リチャード・レヴィンソン
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● 音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
 
 
 
  

 

 

【 感想 】
● 人気ミステリー、メルビル夫人シリーズ。ケンとジムの共作として発表されているこの作品。実は書いているのはジムだけ。そのジムがもうミステリは書かないと言い出し、事件が始まります。
刑事コロンボ、シリーズ化第一作めというだけでなく、若き日のスピルバーグが監督している作品としても有名な回。最後の詰めに物足りなさを感じるという意見も多い作品です。
● ロサンゼルスを走る高級車。それを追うカメラ。ぐぐっとカメラは引いて引いて引いて、高層ビルの窓をも越えカメラは引いて部屋の中。そこからパーンしてタイプライターを打つ男に。ヒッチコックみたいなカメラアクション。これもスピルバーグの演出か。壁が全部ガラスの部屋。こんなところ高所恐怖症の私には住めそうにありません。
高級車はビルの駐車場、出口から中に入る強引な男。グローブボックスから銃を取り出し、弾を確認する男、ケン・フランクリン。車から出て、高層ビルを見上げるケン。それを足元から見上げるカメラ。タイプライターの男はジム。チャイムの音にドアを開けると、そこにはケン。銃口をジムに向けます。
(゚A゚;)ゴクリ
ドイツ人のような鉤鼻のケンを演じるのは、ジャック・キャシディ。確か他の回でも犯人役だったような。
● ジムは何の冗談だと取り合わない。だって「手袋をしていない」、「銃に弾が入っていない」、「引き金に指がかかっていない」、・・・と指摘。君には敵わないとケン。仲直りにきたと切り出す。朝からシャンパンで乾杯です。なんだまだ殺さないのか。もっともここで殺したらトリックもなし、刑事コロンボじゃなく、コジャックとか巻くロードになっちゃうか。
妻と予定があるというジムを強引に別荘に誘うケン。そんなの仕事が伸びてるっていえばいいんだよ。ここからか。ジムを自分の車に乗せてから、ライターを忘れたと一人ジムの部屋に戻るケン。なにやら部屋を荒らされたように見せかけています。このドラマは基本的に倒叙だけど、ちょっと捻るときがあるので気が抜けません。高級車で別荘へ向う途中(飲酒運転だ)、雑貨屋で酒を買うケン。気が付きませんでしたが大きな伏線になってました。
● 別荘に着いた二人。ジムが妻に電話、まだ事務所にいると話すのを確認して、銃を取り出すケン。ジムを撃ち殺します。いきなり銃を向けられたんだから、「なにをするんだ、ケン!」ぐらい言いそうなジム。そうか、事務所での悪ふざけはこのためだったのか、なるほど。完璧なアリバイ工作です。
( ..)φ カキカキ
● 場面が変わってジムの事務所。妻のジョアンナが警察と話をしています。銃声の後、夫と連絡が付かなくなったと訴えるジョアンナ。しかし警察は、死体も出ていないし、夫の悪戯ではないかと取り合いません。酷いなぁ、有名人の事件だったらそれなりに真剣に捜査すると思われますが。日本の警察はそんなことないと思うけど、すくなくともこの時代は。
顔を手を洗いたい、そう言い事務所を出るジョアンナ。蛇口を捻るも水がでない、イラつくジョアンナに声をかける男。コロンボの登場です。ジョアンナに気を使いながら、あれこれ聞き出すコロンボ。疲れているジョアンナを家まで送ります。
フェリス邸でオムレツ(!)を作るコロンボ。ケンとジムの関係を聞き出します。これが視聴者への説明にも。それで殺したのね。そこにケン登場。コロンボに捜査状況を問い質します。結構高飛車。ひらにひらにと対応するコロンボ。
ケンはメルビル夫人だったらこう推理するだろうといい、ケンがウエストコーストの犯罪組織の記事を書こうとしていたこと、それを恐れた組織が口封じしたに違いないと説明します。
初めは呆れ顔でしたが、会話を交わすうちにコロンボの能力に気付き、微妙に態度を変えていくケン。メルビル夫人の本の山をコロンボに渡します。これを全部読むのか。
別れ際にひとつだけ「サンディエゴから飛行機でなく、車で帰ってきた理由」とたずねるコロンボ。「そこまで考えている余裕がなかった」とごまかすケン。別れたあとちょっと嫌な顔をします。この辺りはコロンボドラマの味がでています。
( ̄ー ̄)ニヤ…
その日の夜、ケンは警察に電話。「コロンボ警部、すぐ私の家に来てくれないか? たいへんなことが起きたんだ。」
● フランクリン邸にパトカーが集まっています。ジムの死体が家に前に投げ捨てられたといいます。死体を運ぶのは大変そうだけど、ケンひとりでやったのかな。これが事件の決め手だったりして。通話記録どうのじゃ、インパクトに欠けるからなぁ。
駆けつけたコロンボにこれはやはり殺し屋の犯行だというケン。犯罪組織は警告としてジムの死体を自分の家の前に捨てたに違いないと。自分の推理をそれと無くコロンボに伝えるケン・ソボル、・・・じゃない、ケン・フランクリン。なるほど、そういう筋書きだったのね。これで完璧、顔にそうでちゃってます。渋々マフィア関係を洗うというコロンボ。昭和一桁だから、ちゃんと調べるんだろうなぁ。見習わなきゃ。
(。・_・。ゞ ああ、そうか。。。
● 芝居を見終えたケン、美人を連れて出てきます。・・だれ!? と遠くから声をかける人が。コロンボではありません。別荘の雑貨屋の女主人、ラ・サンカ夫人。着飾った姿に驚くケン。挨拶もそうそうに退散しようとするが、夫人は無理に引き止めます。
「私、見ちゃったの。あの事件のこと。」
途端に態度を変えるケン。夫人を高価なレストランに連れて行き、話を聞きだすケン。金の無心。15000ドルで手を打ちます。1ドル360円の時代だから、5490万。大金だなぁ。これは殺されるパターンだな。
(´c_` ) ホー
● 取材を受てるケン。「今後、メルビル夫人シリーズはどうなるのでしょうか?」、レポーターの質問に色目をつかうケン。忙しい人だな。そこに借りていた本を抱えてやってくるコロンボ、インタビューが終わるまで股されます。本が崩れ落ち取材が中断・・・という展開を予想しましたが、さにあらず。インタビューが終わるとコロンボとの話も早々に別荘へ向います。
途中に雑貨屋によるサム、シャンパンで乾杯。二人の駆け引きがあるも最後はラ・サンカ夫人は撲殺されてしまいます。殺される前の夫人の物凄い顔。そんな顔をさせるほどケンの顔はもっと物凄かったんだろうなぁ。
(・・;)
夫人の死体をボートに乗せ、川に捨てるケン。ボートも転覆させ、事故に見せる工作。刑事に付きまとわれているのに大胆だ。
朝、突然別荘に現れるコロンボ、驚くケン。「どうしてここに?」「私も別荘がほしくなりましてね」「君の給料では無理だ」www
「うちのカミさん」ではなく、女房って呼んでるなぁ。昨日の夜何度も別荘に電話したのに出なかったとコロンボに指摘されます。ちょっと青くなるケン。
● コロンボはフェリス夫人に殺したのはケンに間違いないと伝えます。しかし、状況証拠しかない。なんでもいいから話を聞かせてくれませんか。フェリス夫人は疑いながらもコロンボに二人の話を聞かせる・・・。といったところで、残り7分ほど。決め手はなんなんでしょう?

~ここからオチ、まだ見てない人は見てから読むことをお勧めします~

【 オチの感想 】ネタバレ注意
● 警察の権限でジムの事務所の引越しを押さえるコロンボ。文句をいいにきたケンにコロンボはあなたが犯人だと言います。これまでにない強気な態度。悪役がやるやつぐらいの豹変。コロンボ強い!
「事件当日、飛行機でなく車で帰ってきた」「ジムの死体が自宅に投げ捨てられたとき、郵便をチェックしたこと」「十年来の友人が殺されたのに動揺してなかったこと」「互いに多額の生命保険をかけあっていたこと」「銀行から15000ドルを出したり入れたりしたこと」。すべて状況証拠だと笑い飛ばすケン。しかし、コロンボはジムが今回のトリックをメモに残していたことを指摘、メモの続きを読もうかというコロンボに「結構」と答えたケン。「それは自白と認めていいだろうな。」といい、ケンを警察に連れて行きます。
・・・。
・・・。
・・・なんで!?
最後にケンはコロンボにひとつだけ考え違いをしているといい、初めの殺人のアイデアも自分の考えたものだといい、他人のアイデアまでメモしておくなんて馬鹿なやつだとジムをなじります。
● この終わり方にはネット上の感想でも、おかしいとの声が多かったです。ケンの自供が不自然。シリーズ化で尺が短くなったのでこうしたんだとか、脚本のミスだとか、ケンの自尊心を逆手に取るコロンボの作戦だったが、それが巧く伝えられていないとか。
私も納得がいかない終わり方だと思います。実はNHKが大事な部分をカットしてるか、日本語にはならない英語のニュアンスが伝わっていないとかかとも思いましたが、そうでもなさそうです。
最初の殺人のアイデアも自分のものだと口を滑らし、それを聞いて自白と思っていいねだったらすっきりするんだけどなぁ。その順番じゃないし。決して解けないトリックだと思ったのに、コロンボがメモを見つけて(実際にはその前にわかっていたようですが)、解いたということで恐れ入りましたで自供した。これでいいのかなぁ。今度スピルバーグに会ったら確認してみよっと。
β(□-□ ) フムフム

 
【 出演 】
♂ 刑事コロンボ / ピーター・フォーク
♂ ケン・フランクリン / ジャック・キャシディ
♂ ジム・フェリス / マーティン・ミルナー
♀ ジョアンナ・フェリス / ローズマリー・フォーサイス
♀ リリー・ラ・サンカ(雑貨屋の女主人) / バーバラ・コルビー
 
【 薀蓄 】
● ケンがラ・サンカ夫人にプレゼントした本はメルビル夫人シリーズの1冊、そのタイトルは「殺人処方箋」。
● まだ「うちのカミさん」とは言わず、「女房」って言っている。
● ジャック・キャシディはこの話のほか、「第三の終章」と「魔術師の幻想」でも犯人役を演じている。
● 刑事コロンボのシリーズの原作者と言うべき人もリチャード・レビンソン&ウィリアム・リンクという2人組である。
● 愛車の59年型プジョーが初登場している。


( オムニセブン )