★[感想]20世紀少年 《 最終章 》ぼくらの旗【ネタバレ】

 感想記事の抜粋


原題 20世紀少年 最終章 ぼくらの旗
惹句 もうひとつの 結末。もうひとりの ともだち。
監督 堤幸彦
俳優 唐沢寿明
俳優 豊川悦司
女優 常盤貴子
女優 平愛梨
俳優 香川照之
20世紀少年 最終章、ぼくらの旗の感想です。・・・平成も終わるなぁ。

 

 

作品紹介

20世紀少年最終章。・・・お前が 《 ともだち 》 だったのか。
すべての謎が解けるとき、いちばん悪かったのはケンジ!?

 

感想

ラスト15分、不覚にも涙がこぼれてしまいました。まさに予想外の展開、意外なオチ。《 ともだち 》 が誰かということではありません、彼にそんな秘密があったなんて。つながる伏線。そうだったのかと、素直に頷(うなず)ける解決は久しぶりです。

ケンヂが万博会場で歌うスーダラ節(みたいな曲)。そこにエンドロールが重なった時は、あぁ~終わっちゃったかぁ、ちょっと長かったなぁという感想でした。でもその後に始まるエピローグ、本当の謎解き。これには見事持ってかれました。映画館入口にあった、すぐに席を立たないでという注意書き、あれはこのことだったのか。試写会でも封印されていたというラスト10分、してやられました。

書くときはいつも久しぶり、映画の感想。今回は公開されたばかりの、20世紀少年 《 最終章 》 ぼくらの旗です。
注)映画を1回見ただけで書いてるので、間違いもあります。ご容赦のほど。
(^^;

第3章、粗筋はこう。2015年、テロリストの凶弾に倒れた 《 ともだち 》 。 しかし全世界が見守る葬儀の中、復活。神と呼ばれ、世界大統領となる。 悪のセールスマンが散布した殺人ウイルス、《ともだち》はそれを名目に東京に巨大な壁を建設。外部との接触を断たせ、なぜか昭和の町並みを再現する。カンナは地下に潜り、氷の女王と呼ばれる反政府組織のリーダーに。ケンヂは失った記憶を取り戻し、北海道から東京へと向かう。
《 しんよげんのしょ 》 の続きは。ともだち暦3年、宇宙人が責めてきて、人類を滅ぼすと言うもの。生き残るのは 《 ともだち 》 と彼の仲間だけ。選ばれたものだけが幸せに暮らすという。カンナは密かに反乱を企てるも、アジトを急襲され投降。父と確認した 《 ともだち 》 を説得するが、絶好を言い渡される。そして血の大晦日の時のケンヂ同様、テロリストの汚名を着ることになるだろうと告げられる。そして予言の日、 《 ともだち 》 は今までの災いは、すべて自分が仕業と発表。UFOが飛び立ち、ウイルスをばら撒き、核爆弾を積んだ巨大ロボットが再び歩き出す・・・。と言ったところ。

冗長な話しの展開で、結構疲れます。閉鎖された町で大八車を押すのが磯野カツオだったり、関所を抜ける時、ケンヂが名乗るのが、矢吹丈だったり。為五郎みたいなヒッピーDJ。超能力の次はUFO、《 ともだち 》 を守る親衛隊は科特隊(ウルトラマン)の制服にそっくり。老いた20世紀の少年たちが喜びそうな設定が次々と。1~3章を通して出てきてないのはなんだ。鑑賞中、そんなチェックを始めました。
そういえば手塚治虫がいないな、そうか偉大な師だから、ちょい役でキャラを出すことはできないか。それともこの原作描いてる時、既にPLUTOの構想が頭にあったか。するとスクリーンでは 《 ともだち 》 がカンナにこんなことを言います。カンナに絶交を言い渡した後のシーン。

《 カンナ、私が20世紀少年なんだよ 》

この言葉、この言葉がその先ずっと私の頭の中を駆け巡ります。何度も繰り返される駄菓子屋のシーン(駄菓子屋のおばちゃん(研ナオコ)が、ナショナルキッド?のお面を被った子供から、流星バッチを取り上げる)と共に。

ここからは、しばらくネタばれです。映画を見てから読まれることを、強く勧めます。
 

 

<ここからはネタバレ、できれば映画を観てから読んで下さい>

たぶん鉄人28号を使いたかったであろう巨大ロボット。ケンヂの活躍で大破。そして操縦士の男、倶胝竪指(ぐていじゅし)の面を被った男が出てきます。仮面を取るケンヂ、そこにはヨシツネの顔が。第3章前半から疑いの目で見られはじめた彼。だが当然フェイク。本物の 《 ともだち 》 が現れ、ケンヂと対峙します。そこでケンヂが取った行動は土下座。《 ともだち 》 に謝ることでした。

あぁ、やっぱり。何度か出てきた駄菓子屋シーン。その最後の時は、お面の子供が去った後、店から駆け出てくるケンヂの姿が。本当は流星バッチを盗んだのはケンヂなんだ。そういえば第1章でタイムカプセルの中にも流星バッチが入っていたような。土下座するケンヂに、うろたえる 《 ともだち 》 。

《 やめろ~っ、終わってしまうじゃないか! 》

この映画の中で1番の名台詞。(^O^)突然の銃弾、倒れる 《 ともだち 》。それは万丈目。関所の番人にまで落ちぶれた、彼の復習の一撃でした。そして仮面の下の顔はフクベイ。しかし、ケンヂはこの男はフクベイではないと言います。

エンドロールの中の歌。それが終わると、確かめたいことがあるというケンヂ。ともだちランドへ向かい、過去の世界へと向かいます。駄菓子屋のシーン。ケンヂが罪を着せたのはカツマタくんでした。死んじゃったカツマタくん。フナの解剖が得意なカツマタくん。場面はその後のカツマタくんの悲劇へ。万引き犯にされたカツマタくんは、死んだものとされ、つまはじき。みんなから無視されるその顔は、無垢な子供の顔。机に飾られる花。ケンヂのせいで。死んだとか、死んでないとか言われる状態とはこういうことか。

《 私が20世紀少年だ 》

ともだちがいうこの言葉の意味はなんだろう。主人公は私、復讐に燃える男。子供の頃、テレビに登場した悪の組織。ショッカー(仮面ライダー)だって、ギャラクター(ガッチャマン)だって、ゾルゲ(バロム1)だって。

深い動機があったのは、しねしね団(レインボーマン)だけじゃなかったのでは。勧善懲悪の嘘、万能の科学と同じ省略。現実の20世紀も同じ、正義と悪はひとつの顔の表と裏。今のテロリストたちだって・・・。

それにしても主人公が悪役に謝って解決する話、これって凄い。今まで見たことがない。そして、わかりあうケンヂとカツマタくん。時の流れを変えれたようなエンディングがいい。浦沢直樹的余韻、心地好い終わり方です。

※ ネタバレ部分を書かないと、うまく感想が伝わらないので、書いてしまいました。
f(^^;

第3章公開直前に日テレでは 《 もう一つの第2章 》 を放映、第2章公開前に放送した 《 もう一つの第1章 》 のようにスクランブル編集を見さされるかと思ったら、さにあらず。未公開シーンの多さに驚かされます。やっぱりこのスタッフは、先を読まれることはしないと感心。となると第3章を見てしまった今、残る楽しみは原作本の一気読み、

それと《 もうひとつの第3章 》のテレビ放映。しかし、第4章がないのに何の宣伝用?このスタッフのこと、何か考えているに違いない。まさか、ひょっとして、えぇ~っ!?1章当たり約3時間、合計9時間。未公開シーンがもう3時間もあれば、テレビドラマ1クール分。再々編集で週1のドラマに変えたりして。そうしたら、また別の《 ともだち 》の正体が必要。一体だれ?

実はカツマタくんに兄がいてとか、ケンヂの父がとか・・・。20世紀少年委員会の皆さん。テレビドラマ化とかアニメ化の暁(あかつき)には、また驚かせてくださいね。

終わり

資料

原題 20世紀少年 最終章 ぼくらの旗
英題 20th Century Boys 3: Redemption
惹句 そうだよ、ぼくだよ。ぼくが“ともだち”だよ。
惹句 もうひとつの 結末。もうひとりの ともだち。
脚本 浦沢直樹
原作 浦沢直樹、『20世紀少年』『21世紀少年』

監督 堤幸彦
製作 映画「20世紀少年」製作委員会
指揮 小杉善信、宮崎洋、奥田誠治
音楽 白井良明、長谷部徹、Audio Highs、浦沢直樹
主題 T・レックス「20th Century Boy」
撮影 唐沢悟
編集 伊藤伸行
美術 白井良明
視覚 野崎宏二

俳優 ケンヂ(遠藤健児)/ 唐沢寿明
俳優 オッチョ(落合長治)/ 豊川悦司
女優 ユキジ(瀬戸口雪路)/ 常盤貴子
女優 カンナ(遠藤カンナ)/ 平愛梨
俳優 ヨシツネ(皆本剛)/ 香川照之
俳優 マルオ(丸尾道浩)/ 石塚英彦(ホンジャマカ)
俳優 カツマタ(勝俣忠信)/ 神木隆之介
俳優 万丈目胤舟 / 石橋蓮司
俳優 神様 / 中村嘉葎雄
女優 キリコ(遠藤貴理子)/ 黒木瞳
女優 ジジババ / 研ナオコ
俳優 ケロヨン(福田啓太郎)/ 宮迫博之(雨上がり決死隊)
俳優 コンチ(今野裕一)/ 山寺宏一
俳優 ヤン坊 / 佐野史郎
俳優 マー坊 / 佐野史郎
俳優 諸星壇 / 津田寛治
俳優 蝶野将平 / 藤木直人
俳優 春波夫 / 古田新太
女優 高須 / 小池栄子
女優 小泉響子 / 木南晴夏
俳優 仁谷神父 / 六平直政

会社 映画「20世紀少年」製作委員会
配給 東宝
公開 2009年8月29日
上映 155分
国旗 日本
言語 日本語

費用 60億円(全章総計)
収入 44.1億円(最終章のみ)


 

本編を観るには・・・

関連作品

参考・引用

茨城ロケ映画「20世紀少年~ぼくらの旗~」がテレビ放送されます。 ? いばらきフィルムコミッション
20世紀少年 ぼくらの旗 | 読んで♪観て♪

更新履歴

5稿)2021年12月15日、シネマドローム
4稿)2018年07月17日、シネマドローム
3稿)2015年09月24日、シネマドローム
2稿)2009年09月09日、シネマパレード~隼
初出)2009年09月14日、東京つまみ食い
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