★[感想]宇宙戦争

 感想記事の抜粋


原題 War of the Worlds
惹句 彼らは、すでに地球(ここ)にいる
監督 スティーヴン・スピルバーグ
俳優 トム・クルーズ
俳優 ジャスティン・チャットウィン
女優 ダコタ・ファニング
女優 ミランダ・オットー
蘊蓄 トライポッドの“雄たけび”には、『未知との遭遇』の宇宙船の効果音を使用している。
ダコタ・ファニング、小さい!!宇宙戦争の感想です。

  

 

作品紹介

スピルバーグ監督とトム・クルーズが、H・G・ウェルズのSFを映画化。二人のコンビは マイノリティレポート 以来。
異星人の地球攻撃という古典的なテーマを最新のSFXで見せる。
 

感想

ポイントポイントのSFXが迫力満点。まずはトライポットの初登場シーン。舗装された交差点、見上げる高さの教会。突然、卵の殻が割れるようにアスファルトに罅(ひび)が入り、その亀裂は教会までをも真っ二つにします。開(あ)いた穴に滑り落ちる車、成り行きを見守る人々。急に穴が車を吹き出しました。
揺れが激しくなり、教会の一方が大きく横にスライド、粉塵と共に迫り上がる大きな目。でも実はそれはライト。巨大な三本足のマシン、トライポットの登場です。
トライポットが重低音と共に放つ死の光線(デス・レイ)。触れたものは一瞬で文字通り粉々(塵塵?)、人々は次々に消滅します。逃げ惑うレイの後ろで高速道路が倒壊するシーンも迫力でした。

中盤のフェリーのシーンもドキドキ。水中から現れたトライポットに、大きく傾くフェリー。重力に耐え切れず積載してた車が、乗客の上に襲いかかります。本当に固唾(かたず)を呑みました。
でも前述のシーンも含め《 あっ 》というと言うよりは《 あ~ 》という感じ。スピルバーグ監督に以前してやられた、魔宮の伝説の《 水に追われて絶壁 》やジェラシックパーク2の《 バスにタックルするT-Rex 》には及びませんでした。

親子三人を乗せ逃走する車をカメラが覗くように回っていくカットが好き。カメラは車内に入ったり出たりまで、どうやって撮ったのかな。

始めに迫力のSFXで驚かし、後は小技でドキドキ。まるでジェラシックパーク1。触手カメラが肉食恐竜ラプトルに見えました。強引な終わらせ方も似てる気が・・・。

駄目な父親レイ。のはずがスマート過ぎるトム・クルーズ。なので子供を守るのに懸命な時との明暗がボヤけてしまってます。もっと汚れろトム、汗を流せトム。

娘レイチェル役のダコタ・ファニング。その演技の切れに驚きます。恐怖で我を無くすシーンに脱帽。時々安達祐実に見えるのは気のせい?なんとか真っすぐに育ってほしいものです。

既に涸れたテーマのSF。さらにブラッシュアップされたSFXに織り込まれた家族愛、でも・・・。一体この映画には何が足りないのか。見ながらずっと考えてました。私の出した結論は笑い。シビアなのはいいけど、ふっと抜けるくすぐりがほしいところ。ちょっとしたスパイスで味が大きく変わるはず。テロに怯える毎日、せめて映画の中でぐらいは笑わせてよ。

台詞

ダメ。ほっておくと自然に、でてくるんだって。
(手に刺さったトゲを取ろうとするレイを制し、レイチェルが言う)

蘊蓄

ラスト。別れた妻や子供と再会するシーン。祖父祖母役は前作の宇宙戦争(1953年)の主役。
劇中に登場する墜落した旅客機は、元全日本空輸で使用されていたボーイング747SR(機体記号JA8147・1980年11月26日登録・2004年5月11日抹消登録)。
『未知との遭遇』『E.T.』と過去に人類に友好的な異星人との交流を扱った作品を手掛けてきたスピルバーグが、一転して宇宙侵略物の古典の映画化に挑んだ本作は、2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件で受けたアメリカに住む人々の衝撃・思いを反映している。映画には墜落したジャンボ旅客機、掲示板に貼られた無数の人探しの張り紙などが登場するが、映画のメイキングでスピルバーグも公言している通り、これらは9.11のテロを連想させるため、あえて描いたものである。
レイチェルがテレビチャンネルを変え続けている際、『スポンジ・ボブ』と『美少女戦士セーラームーン』が一瞬映る。
本作はヒットしたものの、その一方で『映画秘宝』の2005年度ベスト2位・ワースト2位の両方を獲得するなど、評価は賛否両論である。

 

資料

原題 WAR OF THE WORLDS
英題 WAR OF THE WORLDS
惹句 地球最後の戦争は人類が起こしたものではない。いま試される、愛と勇気――
脚本 ジョシュ・フリードマン、デヴィッド・コープ
原作 H・G・ウェルズ

監督 スティーヴン・スピルバーグ
製作 キャスリーン・ケネディ、コリン・ウィルソン
指揮 ダミアン・コリアー、ポーラ・ワグナー
音楽 ジョン・ウィリアムズ
主題
撮影 ヤヌス・カミンスキー
編集 マイケル・カーン
美術 リック・カーター

俳優 レイ・フェリエ(クレーン作業員)/ トム・クルーズ
俳優 ロビー・フェリエ(レイの息子)/ ジャスティン・チャットウィン
俳優 オギルビー / ティム・ロビンス
女優 レイチェル・フェリエ(レイの娘)/ ダコタ・ファニング
女優 メアリー・アン(レイの別れた妻)/ミランダ・オットー

会社 パラマウント映画、ドリームワークス、アンブリン・エンターテインメント、クルーズ/ワグナー・プロダクションズ
配給 UIP
公開 2005年6月29日
上映 116分
国旗 アメリカ合衆国
言語 英語

費用 $132,000,000
収入 $603,873,119

鑑賞 / TOHOシネマズ府中


 

本編を観るには・・・

 

参考

宇宙戦争 (2005年の映画) – Wikipedia
【映画】『宇宙戦争』ある意味最高傑作だが、しかし…: Badlands 映画・演劇・音楽レビュー
映画『宇宙戦争』感想【ネタバレ注意】 – 映画なんか見る
「宇宙戦争」 感想 ネタバレ – 他力と自力と
超映画批評『宇宙戦争』35点(100点満点中)

更新履歴

3稿)2021年06月11日、シネマドローム
2稿)2015年10月09日、シネマドローム
初出)2005年08月01日、東京つまみ食い
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