原題 The Godfather
惹句 –
監督 フランシス・フォード・コッポラ
俳優 ドン・ヴィトー・コルレオーネ / マーロン・ブランド
俳優 マイケル / アル・パチーノ
俳優 ソニー / ジェームズ・カーン
女優 ケイ / ダイアン・キートン
今観ても狡猾で危険。家族を愛するほど、残酷で、哀しい。
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紹介
1972年公開。フランシス・フォード・コッポラ監督の出世作であり、代表作。ニューヨークで暗躍するイタリア系マフィアの抗争、家族愛を描く。
ゴッドファーザー、ヴィトー・コルレオーネ役にマーロン・ブランド。その息子 ソニー役にジェームズ・カーン、トム(養子)にロバート・デュヴァル、フレドにジョン・カザール。そしてドンの後を継ぐ三男マイケルにアル・パチーノ、その恋人ケイにダイアン・キートン。原作はマリオ・プーゾ。
公開当時の興行記録を塗り替える大ヒットとなり、アカデミー賞作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞。
蘊蓄
ゴッドファーザー
「ゴッドファーザー(ゴッドマザー、ゴッドペアレンツ)」とは、日本語版では原作、映画共に「名付け親」と訳されているが、正式にはキリスト教(特にカトリック)文化において洗礼式に選定される代父母のことであり、その後の生涯にわたって第二の父母として人生の後見を担う立場である。
劇中に出てくる「馬の生首(血も含む)」は本物である。ただし、劇中の馬を殺したわけではなく撮影現場の近くにあった、馬肉で製造されるドッグフードの製造工場から、死骸を拝借したものである。
馬の首のシーンは動物愛護運動家に抗議されだそうだけど、コッポラさんは雑誌でこう語っている――
「映画ではたくさんの人が殺されているのに、みんな馬のことを気に掛ける」映画に出てくる大邸宅はロサンゼルスのビバリーヒルズにあり、1927年に銀行幹部が建てたもの。ジョン・F・ケネディ元大統領とジャクリーン夫人がハネムーンを過ごした場所としても知られていた。2010年代では、1億2500万ドルの価値があるものとみられている。
オープニングが娘のコニーの結婚披露宴で始まるのは、フランシス・フォード・コッポラ監督が敬愛する黒澤明監督作品『悪い奴ほどよく眠る』(1960)からの影響。香川京子演じる娘の結婚披露宴から始まるのを模したものだった。
ヴィトーの妻カルメーラ役のモーガナ・キングは著名なジャズシンガーで、コニーの結婚パーティで歌を披露するシーンがあるためキャスティングされた。息子役の4人のうち、最年長だったフレド役ジョン・カザールよりわずか5歳年上だった。
評価
公開されると当時の興行記録を塗り替える大ヒットになり、同年度のアカデミー賞において作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞した。1990年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。
1972年3月15日に全米で映画が公開されると爆発的なヒットとなり、『ジョーズ』(1975年)に破られるまでのハリウッドの興行収入記録を打ち立てた。批評家たちからも映画の内容を絶賛され、同年度の第45回アカデミー賞で作品賞を獲得した。続編の『ゴッドファーザー PART II』もアカデミー作品賞を受賞したため、今日に至るまで正編と続編でアカデミー作品賞を獲得した唯一の例としても有名。
マリオ・プーゾ、パラマウント
パラマウント・ピクチャーズが1967年3月に、マリオ・プーゾの小説『マフィア』(のちの『ゴッドファーザー』)の映画化権を買ったわずか114ページの原稿とあらすじしかなかった。“新人作家”のプーゾは1969年3月に完成するまでの3年間、パラマウントから生活費をもらって暮らしていた。
プーヅォの予想をはるかに超えて、『ゴッドファーザー』は世界的な大ベストセラーになるのだが、プーヅォ自身が認めているように、彼が決してマフィアの世界に通じていたわけではなかった。プーゾはイタリア系だがマフィアの故郷シチリア島の血統ではなく、両親はナポリからの移民だった(アル・カポネもナポリからの移民)。悪名高いニューヨークのヘルズ・キッチンで少年時代を過ごしたプーヅォだったが、その筋のチンピラの使いっ走りを何度かしたことがあっただけで、本物のマフィアの知人は一人もいなかった。
パラマウント社は当初、タイトルについている「操り人形のマーク」を排除したがったが、コッポラが反対して残した。
当初、コッポラは映画を125分の作品として編集したが、パラマウントは「こんな作品は予告編にしかならない。もっと長くしろ」と要求。コッポラは「普通はもっと短くしろと言われるものなのに長くしろなんて普通じゃない」と反論した。177分のファイナル・カット版は1971年11月に完成し、映画は翌1972年3月に公開された。
当初、パラマウントからコッポラは監督としての力量が疑問視されていたため、降板する可能性が常に付きまとっていた。しかし、マイケルがトイレで銃を探す場面を撮った時から、製作側はコッポラに何も言わなくなったという。コッポラは後に音声解説で「この場面のおかげで私は解雇されずにすんだ」と語っている。
またエヴァンズは、コッポラが最初に採用しようとしていたラストシーンを削除させている。それはダイアン・キートン演じるマイケルの妻ケイが教会でマイケルのために祈る場面で、原作小説のラストに準じている。しかしエヴァンズはこのシーンを蛇足と考えて、マイケルが名実共に次のドン=ゴッドファーザーとなり、ケイの目の前で扉が閉められるシーンをもって終幕とするように要求した。コッポラは編集に口出しされることにうんざりしていたが、大した変更ではなかろうとこの件に関してはエヴァンズに妥協したという。
フランシス・フォード・コッポラ
コッポラは黒澤明監督作品である『悪い奴ほどよく眠る』(1960年9月15日公開)の、結婚披露宴から始まるという展開に感心して、本作でも採用した。
コッポラは本作を製作中にヒット作『フレンチ・コネクション』を鑑賞しており、その出来栄えを高く評価し、「同じマフィア映画でも、『ゴッドファーザー』は暗くて退屈で悲しい映画だ。男が座って会話する場面ばかりだ。『フレンチ・コネクション』のようにヒットすることはないだろう」と語っていたという。その後「本作が成功したのは私の力ではない。多くの優秀なスタッフに恵まれたからだ」と謙虚なコメントをしている。
コッポラは役者達が実際の家族としての雰囲気を出せるよう、コルレオーネファミリーが食事を取るシーンを即興で演じさせた。
ヴィトー(マーロン・ブランド)
主人公であるヴィトー役には、プーゾが想定したマーロン・ブランドが起用された。ブランドは当時既に大物俳優であったが、落ち目と見られており、さらにわがままで現場をかき乱す俳優だと思われていたので映画製作者たちは敬遠した。ブランドは同作品の企画を知り、ヴィトー役に自分を売り込むため、自分のイメージ・フィルムをコッポラに送った。原作のヴィトーのブルドッグのような人相に見せるため口に綿を含んで顔を変え、渋みの演技が行えることを強調した。この努力が功を奏し、彼は見事ヴィトー役を獲得することが出来た。この時ブランドが結んだ契約条件は、出演料ゼロ、ロイヤリティーとして興行収入の数%を上限150万ドル付で支払う、ブランドの撮影中に起きた損害は全て自腹で負担させる、というものであった。
作中でしばしば繰り返される印象的なセリフ「奴が決して断れない申し出をする」(原文:I’m gonna make him an offer he can’t refuse)は特に有名であり、ブランドの特徴的な話し方と共にしばしば物真似の対象となっている。2005年にはアメリカ映画協会選定の名ゼリフランキングの第2位に選出された。また、カクテルのゴッドファーザーはこの映画から名付けられたものである。
オープニングでヴィトが抱いている猫は野良猫だった。マーロン・ブランドが拾ってきて急遽出演した。
マイケル(アル・バチーノ)
アル・パチーノは徹底的に役作りするメソッドアクターとして知られています。マイケルが殴られたシーン撮影の後、アル・パチーノは実際に顎に針金をいれて固定していたそうです。
ソロッツォがマイケルを迎えに来るシーンのロケ地の店のオーナーは、マフィアと交流のあったボクサー ジャックデンプシーである。
1970年の終わり頃からキャスティングは開始された。主要人物の中で最後まで決まらなかったのがマイケル役であった。製作者側はマイケル役にロバート・レッドフォードを起用しようとしたが、コッポラとアルバート・S・ラディは、1969年上演の『Does a Tiger Wear a Necktie?』でトニー賞を受賞したアル・パチーノこそが適役と言って譲らず、粘り強い交渉の末イタリア系(母方の先祖はシチリア島出身)のパチーノの起用にこぎつけた
アル・パチーノとケイ・アダムス役のダイアン・キートンはプライベートでも恋愛関係にあった。
ソニー(ジェームズ・カーン)
ソニー・コルレオーネがジョーンズ・ビーチ・コーズウェイで撃たれる場面で、ジェームズ・カーンは血のり袋が127パック取り付けられたスーツを着用していたそうです。
ソニーが蜂の巣になるシーンは映画「俺たちに明日はない」のラストシーンに影響を受けているという説がある。
ジェームス・カーンは、ソニー・コルレオーネを演じた事がきっかけで、マフィア カーマイン・ペルシコと友達になりました。カーンがその後もペルシコと頻繁に出歩いていたため、当局はカーンもマフィアのメンバーになったと考えていた。
トム(ロバート・デュヴァル)
ロバート・デュヴァルは当時からかなり頭が禿げてきていて、年齢に真実味を与えるためかつらをつけて役作りをした。
コニー(タリア・シャイア)
コニー役のタリア・シャイアはロッキーの「エイドリアン」。
コッポラさんは妹のタリア・シャイアさんにオーディションを受けさせたくニャかった。コニー役には向かないタイプであり、身内びいきを非難される心配もあったからだ。
ルカ(レニー・モンタナ)
ルカ・ブラージ役のレニー・モンタナはマフィアの用心棒をしていた。
レニーがマフィアの為に働いて頃の得意技は放火だった。
ネズミの尻尾にタンポンを結びつけ、タンポンに火を付けて建物に離した。ルカ・ブラージ役のモンタナは、マーロン・ブランドとの共演にとても緊張していた。
あまりに酷い演技だったので、後から緊張しているルカ・ブラージのシーンを追加した。(緊張して固くなっていた事にした)スターウォーズ ジェダイの帰還のジャバ・ザ・ハットが絞殺されるシーンは、ルカ・ブラージ殺害シーンがモデル
ジョニー(アル・マルティーノ)
ジョニー・フォンテーンのモデルはフランク・シナトラと言われているが、実は違うという説も。モデルはジョニーを演じたアル・マティーノ自身であるという。
フランク・シナトラ自身はゴッドファーザーのアンチとして有名だった。シナトラはコッポラ監督とばったりレストランで会った際に監督を罵倒したりした。
マイケル・フランシス・リッチ(ソフィア・コッポラ)
ラストの洗礼式で洗礼を受けているコニーとカルロの子役はコッポラの娘であるソフィア・コッポラであり、彼女は男子として洗礼を受けることになった。劇中ではマイケルが代父であり、マイケル・フランシス・リッチと名付けられている。
その他
パン屋のエンツォがヴィトーを見舞うため病院を訪れるが、エンツォ役の俳優さんはそれまでカメラを前に演じた経験がなかった。だから通り過ぎるマフィアの車を警戒するときの身震いは本物だった。
ロバート・デ・ニーロがソニーの役のオーディションを受けているが、役のイメージには合わず、落選している。しかし、演技を気に入ったコッポラは続編で若きヴィトー役に彼を抜擢した。
『ロッキー』(1976)で有名になる前のシルヴェスター・スタローンが、コニー(エイドリアン役のタリア・シャイア)のダメ夫カルロ・リッツィと、ヴィトーの運転手ポーリー・ガットー役のオーディションを受けている。両方とも役は得られず、彼が脚本書きに専念したため『ロッキー』が実現した。
マーティン・スコセッシ監督は、若きジェンコ・アッバンダンド役と若きピーター・クレメンツァ役のオーディションを受けている。
資料
原題 The Godfather
英題 The Godfather
惹句 -
脚本 マリオ・プーゾ、フランシス・フォード・コッポラ
原作 マリオ・プーゾ
監督 フランシス・フォード・コッポラ
制作 アルバート・S・ラディ、ロバート・エヴァンス
指揮 -
音楽 ニーノ・ロータ
主題 -
撮影 ゴードン・ウィリス
編集 ウィリアム・レイノルズ、ピーター・ジンナー
美術 ディーン・タヴォウラリス
俳優 ヴィトー・コルレオーネ(コルレオーネ・ファミリーのドン)/ マーロン・ブランド
俳優 マイケル・コルレオーネ(ヴィトーの三男)/ アル・パチーノ
俳優 ソニー・コルレオーネ(ヴィトーの長男)/ ジェームズ・カーン
俳優 トム・ヘイゲン(ヴィトーの養子、組織の相談役)/ ロバート・デュヴァル
俳優 ピーター・クレメンザ(ヴィトーの盟友、幹部)/ リチャード・カステラーノ
俳優 ルカ・ブラージ(殺し屋)/ レニー・モンタナ
俳優 カルロ・リッツィ(コニーの夫)/ ジャンニ・ルッソ
女優 ケイ・アダムス・コルレオーネ(マイケルの恋人)/ ダイアン・キートン
女優 カルメラ・コルレオーネ(ヴィトーの妻)/ モーガナ・キング
配給 パラマウント映画
公開 1972年7月15日
上映 177分
国旗 アメリカ合衆国
言語 英語、イタリア語、ラテン語
費用 $6,000,000
収入 $245,066,411[
The Godfather(ゴッドファーザー)-Nino Rota
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本編を観るには・・・
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参考・引用
ゴッドファーザー (映画) – Wikipedia
映画 ゴッドファーザーの豆知識とオフショット張ってく:哲学ニュースnwk
「ゴッドファーザー」の魅力【永遠の名作】 – NAVER まとめ
映画『ゴッドファーザー』のトリビアで愉しむ ―ドンのニャンコが語るヒニクな裏話―: ダークヒーローは笑う
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