★[感想]カンフーハッスル

 感想記事の抜粋


原題 功夫
惹句 ありえねー。
監督 チャウ・シンチー
俳優 チャウ・シンチー
俳優 ラム・ジーチョン
俳優 ユン・ワー
女優 ユン・チウ
蘊蓄 ユン・ワー(大家)は《 燃えよドラゴン 》でブルース・リーのスタントを務めた男、一方ユン・チウ(大家の妻)はスタント・ウーマンとして活躍、映画『007/黄金銃を持つ男』にも出演。
チャウ・シンチー、少林サッカーに続く傑作。ありえねぇ~。カンフーハッスルの感想です。

 

 

作品紹介

《 少林サッカー 》のチャウ・シンチー監督作品。
ブルース・リーに憬れ止まぬ監督のカンフー映画へのオマージュ。。
 

 

感想

功夫、病膏肓(かんふー、やまいこうこう)

ネット上の評価はいまひとつ、でも私は面白かった、★5です。《 少林サッカー 》に続き監督・主演・脚本・製作の4役を務めたチャウ・シンチー。敬愛するブルース・リーへのオマージュと言うことで武侠映画の魅力、マニア受けがたっぷりだとか。《 燃えよドラゴン 》すら見たことのない私には新鮮、一層面白く感じたのかもしれません

よくねられたシナリオ

冒頭。鰐革会のボスが部下の寝返りに合い惨殺。替わりに街を牛耳(ぎゅうじ)り始める斧頭会。組長サムが事務所で踊るシーンの合間に、敵対勢力の惨殺現場のカットが入ります。一緒に踊る部下が増えていくことで、縄張りの拡大を表現する当たりから、引き込まれました。
一方、貧民アパートの豚小屋砦。床屋(少林サッカーで突然、レーレードシドレ~と歌い出す人)が、広場で歯と磨きながら、頭と体を洗っています。途中で水がでなくなって大変。水を出せとの抗議を家主のカミさんは、みんなが家賃を払わないからだと一括。家主は家主でどこかのオバちゃんの着替えを覗いて、ボーっとしています。斧頭会からも無視される貧乏。

しかしそこにチンピラ(シン)が登場、床屋に因縁をつけたことから、通がかりの斧頭会と豚小屋砦住民の対立に発展。相手にならないと思いきや、実は豚小屋砦には人足、洋服屋、粥麺屋に身を隠したカンフーの達人たちがいたというワクワクする展開に。
大軍で押し寄せる斧頭会、それをなぎ倒す3人。そして報復に斧頭会が放った殺し屋。3人の達人が倒れる中、助けに駆けつけたのは何と・・・!再び放たれる史上最強の殺し屋。そこに「強くなるためには、ワルにならなければならない」と足掻(あが)くチンピラ、シンが絡んで・・。飽きさせない展開、テンポの良いアクション。要所に伏線も利いていて、楽しめます。

名コピー《 ありえねぇ~ 》

映画の中で気に入った《 ありえね~ 》をいくつか紹介。

まず迫力のあった《 ありえねぇ~ 》は琴奏者の殺し屋。斧頭会が報復に放った最初の刺客です。琴の音色が矢に変わるという《 ありえねえ~ 》がとてもリアル。1人また1人と倒れるカンフー達人たち。思わず手に汗を握ります。

そこで意外な《 ありえねぇ~ 》。助けに現れたのはなんと家主夫婦。頼りない家主、口煩いその妻は実は伝説のカンフーマスター。音色の矢は妻の獅子の咆哮(大声)の前に壊滅。遠巻きに車から様子を伺っていた斧頭会組長と相談役。いつの間にか車内に家主夫婦が現れ、無言の威圧。二人のビビりぶりが笑えます。

でも一番の笑っちゃう《 ありえねぇ 》史上最強の殺し屋。牢屋から連れ出した殺し屋は見窄(みすぼ)らしいただのオッサン。ランニングシャツにビニールサンダルの姿に斧頭会は呆れ顔。実力を見せろという声に、殺し屋は笑いながら自分の頭に銃口を向け発砲。慌てる周囲に平然と構える殺し屋。弾はこめかみの直前、殺し屋のもう一方の手の二本の指に挟まれました。呆然とするサム。

《 ありえねぇ~ 》

終わり

蘊蓄

2005年度にアメリカで公開された外国映画として最大のヒット作となり、その年のゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされた他、2005年度米国放送映画批評家協会賞を受賞した。
シンチーが本作の製作を手がけ始めた頃、フジテレビの『トリビアの泉』のとあるトリビアの証明VTRで特別出演依頼を受けて来日。VTR収録の際に使用したワイヤーアクション技術を体験した周がいたく気に入り、このトリビアの泉のVTR収録で使用したワイヤーアクションの技法を本作に使用している。
作家の馳星周は周星馳の大ファン。ペンネームは周星馳を逆にしたもの。
ユン・ワー(大家)は《 燃えよドラゴン 》でブルース・リーのスタントを務めた男、一方ユン・チウ(大家の妻)はスタント・ウーマンとして活躍、映画『007/黄金銃を持つ男』にも出演

 

資料

原題 功夫
英題 Kung Fu Hustle
惹句 ありえねー。
脚本 チャウ・シンチー、ツァン・カンチョン、ローラ・フオ
原作

監督 チャウ・シンチー(周星馳)
制作 チャウ・シンチー、ジェフ・ラウ、チェイ・ポーチュウ
製作 星輝海外有限公司、中国電影集団、華誼兄弟太合影視投資有限公司
指揮
音楽 レイモンド・ウォン
主題
撮影 プーン・ハンサン
編集 林安児
美術 オリヴァー・ウォン

俳優 シン(夢見るチンピラ、如来神掌)/ チャウ・シンチー
俳優 豚小屋砦の家主(闘う家主夫婦、太極拳)/ ユン・ワー
女優 豚小屋砦の家主の妻(闘う家主夫婦、獅子の咆吼)/ ユン・チウ
俳優 豚小屋砦の粥麺屋(コシの弱い麺打職人、五郎八卦棍)/ ドン・ジーホワ
俳優 豚小屋砦の人足(担がれやすい人足、十二路譚腿)/ シン・ユー
俳優 豚小屋砦の大観洋服店店主(手荒な仕立て屋、洪家鐡線拳)/ チウ・チーリン
俳優 琴奏者(奏でる刺客、古琴波動拳)/ ジア・カンシー
俳優 琴奏者(奏でる刺客、古琴波動拳)/ フォン・ハックオン
俳優 火雲邪神(笑う殺し屋、崑崙派の蛤蟆功)/ ブルース・リャン
俳優 斧頭会の組長サム(踊る組長)/ チャン・クォックワン
俳優 斧頭会の相談役(うなずく相談役)/ ティン・カイマン
俳優 斧頭会の副組長(火種の副組長)/ ラム・シュー

鑑賞 / AMCイクスピアリ16

会社 星輝海外有限公司、中国電影集団、華誼兄弟太合影視投資有限公司
配給 ソニーピクチャーズ
公開 2005年01月01日
上映 99分
国旗 香港、中国
言語 広東語

費用 $20,000,000
収入 $105,989,111


 
 

本編を観るには・・・

 

参考

カンフーハッスル – Wikipedia


 

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更新履歴

3稿)2021月06月15日、シネマドローム
2稿)2015年11月23日、シネマドローム
初出)2005年01月17日、東京つまみ食い
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