シュワルツェネッガー主演のSFアクション、シリーズ第2弾。ターミネーター2の感想です。
紹介
人類とマシンが戦う近未来。現在に送り込まれたターミネーターは2体。1体は人類の指導者を抹殺するために、もう一体はそれを阻止するために。少年に成長した指導者ジョンを巡り、2体のターミネーターの壮絶な戦いが始まる。
感想
パート4の公開に合わせて、テレビ各局がシリーズを放送。パソコンをいじりながら、なんだかんだと全部見てしまいました、ターミネーター。1は面白いけど、要所々々で古さを感じてしまうし、3は映画館で観たはずなのに、驚くほど印象がない。4はまだ見ていないけど、やっぱりパート2が一番面白いのかなぁ。・・・というわけで久々の映画の感想は、ターミネーター2です。
シュワちゃん、州知事ターミネーターの登場から、酒場での大立ち回り。ジョンをトレーラーで追跡するT-1000と、ハーレーで奪還するT-800。両ターミネーターが再び対峙する病院でのサラ救出シーン。ここまでのテンポの良さ、驚きのVFXは説明不要、手に汗握るシーンの連続。特に用水路のチェイスシーンは秀逸です。
乾いた用水路は罠。両脇を高いコンクリートに被われた、一本道の迷路。
バイクを止め、振り返る少年ジョン・コナー。安心したのもつかの間、ハイウェイからトレーラーが…降ってきた!!
得体の知れない警官。操るのは巨大トレーラー。邪魔する投棄車などひと突き。橋底にルーフを剥ぎ取られても、執拗に追ってくるT-1000。圧倒的なパワーの差、前に進むしかないモトクロスが頼りない。
ショットガン1本、ハーレーにドッシリ跨がったT-800。クルリクルリと器用に弾を込め、狙いは正確。道路上を並走、二人を追いかけます。距離がどんどん縮むモトクロスとトレーラー。もうすぐ後ろ。
用水路へと大ジャンプするシュワちゃん。間一髪、トレーラーの横をすり抜け、ジョンの元へ。片手で彼を持ち上げ、背中へ回すと振り向き様に
たった2発。弾はタイヤを打ち抜き、失速するトレーラー。橋脚が迫り、雄叫びと共に大破。燃え上がるトレーラーに、じっと狙いを定めるT-800。炎の中から現れたのは、燃え上るタイヤだけ。銃を下ろす、T-800。ジョンを連れ、去っていきます。
やがて炎の中から現れる銀色の物体。やはり、やつは死んでいなかった。じっとハーレーを目で追うT-1000。巧(うま)いなぁ、何度も見ても見入ってしまいます。
逃げる少年、追うT-1000、それをまた追うT-800。1で強靭さを見せつけたシュワちゃんターミネーターに比べ、T-1000の力は未知数、なにをするかわからない。そして人類を救うジョンはまだ子供。伏線の多いキャラクター。
チェイスシーンとシンクロ、ドキドキ感を盛り上げる音楽。用水路という逃げられないシチュエーション、大爆発のカタルシス。余韻の残るカット。続編が作られるはずです。
でも、この映画の一番の魅力はT-1000のVFX。3回も 《 あっ 》 と言いました。
流体多結晶合金(液体金属)製のボディ。いろいろなものに姿を変えられるキャラクター自体はそう珍しいものではありません。でもここまで見事に実写化されたものはないのでは。
そして、それをリアルなものにしているのはCGだけではありません。この映画ではちょっとした演出、その小技が利いているように思います。最後にそんな例を2つばかり。どちらもサラ救出の病院シーンです。
1つめは登場シーン。床のタイルに同化していたT-1000が、モコモコっと生えてきて、警備員の姿にかわるところ。かくれんぼをしたら、絶対に見つけられないだろう完璧な同化。そこから出てくるだけで驚くのに見事なモーフィング、すっかり警備員に変身します。そして歩き出す瞬間。
この剥がれるような効果音!これが信じられない映像をリアルに。足元のアップになってなければ気が付かないかも知れないほどの小さな音。でもこれが観客の意識の奥底にまで、
もうひとつは格子抜けシーンです。サラがシュワちゃんターミネーターを見て、怯え取り乱すのをジョンが宥(なだ)めている。それを見ているT-1000。静かにゆっくりとジョンに近寄ってくるが、両者の間には鉄格子が。しかし気にせず前に進むTー1000。すると彼の体は格子状に分かれ、格子を飲み込み、スルリと通り抜けます。でもこの時
手にしてたピストルは通り抜けられず、引っ掛かります。Tー1000は持ち手を捻り、通過しますが、このちょっとしたシーンが、映像をリアルに。
そうだよね、通り抜けられないのが普通だよね。銃は鉄だから引っ掛かるよな。でもこいつは骨がない!?CGなんかない時代の映画は、こういう演出が必須。それがないと、ちっとも本当らしく見えなかったです。それが最近はテクノロジーに頼りすぎ、この辺がなおざり。映画館のスクリーンでも見分けがつかない細かなVFX。それを早回しされても、観客には驚きがありません。むしろ不親切。そんな映画を見せられると、いつも監督やプロデューサーに言いたくなります。
制作費は見るほうにはあまり関係ないので、アイデアあふれる映画を撮ってほしいものです。映画関係者の方、よろしくお願いします。
m(__)m ぺこり
薀蓄
ターミネーター2の液体警官の最期の悶絶顔は監督が演じている
本作における未来において、核戦争を生き抜いた残りの人類は、戦争勃発の日を「審判の日(Judgement Day=本作の原題)」と呼ぶ。本作ではこの核戦争が起こった原因の中にソビエト連邦が含まれているが、奇しくも作品の制作年である1991年にソビエト連邦は崩壊した(そのため、テレビ放送された際の吹替え台詞では「ロシア」に変更されている)。
スペイン語風の決め台詞「Hasta la vista, Baby!」(アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー!)は有名となり、U2が同名のライブアルバムを作っているほか、1992年アメリカ合衆国大統領選挙においては「共和党から対立陣営へのメッセージ」として用いられ、その後も政治的な文脈でたびたび使用される。敵役を滅ぼすときはスペイン語であいさつし、最後に人間には英語で「Goodbye.」と別れを告げることについて微妙な問題があるとの指摘もある。なお、スペイン語版にはこの台詞は存在せず、代わりに「Sayonara, Baby!」となっている。日本語字幕や吹替版では意訳され「地獄で会おうぜ、ベイビー!」または「さっさと失せろ、ベイビー!」となっている。
テーマソングにガンズ・アンド・ローゼズの「ユー・クッド・ビー・マイン」が使用されており、劇中でも少しであるが流れている(ジョンが悪友とバイクを乗り回しているシーンでスピーカーから流れている)。この曲のPVでは、バンドメンバーとシュワルツェネッガーとの共演が実現している。
前作『ターミネーター』の予想を超えたヒットにより、早くから続編の製作が期待されていたが、元々B級映画だったために続編製作の権利は複数のマイナー会社に握られており、「作りたくても作れない」状況にあった。また、キャメロン自身も前作の焼き直しに陥るのを危惧して早期の続編製作には否定的で、「少年とターミネーター」という新たな構想を温め続けていた。
少年ジョン・コナー役は多くの子役俳優のオーディションが行われたが、結果的に演技経験ゼロながらキャメロンに「他の子役にないリアリティがある」と評価されたエドワード・ファーロングに決定した。
T-1000役には、『ダイ・ハード2』でテロリストの1人を演じたロバート・パトリックが起用された(『ダイ・ハード2』でのシーンのオマージュもある)。
本編撮影は1990年10月から翌年4月にかけて行われ、終盤のT-800の台詞「休暇が欲しい」は、現場の状況を象徴するものとしてキャメロンとシュワルツェネッガーが採用したものである。また、製鉄工場で大ダメージを受けたT-800の特殊メイクは3時間近くを要し、その間にシュワルツェネッガーは自身が経営する会社の仕事を行うという多忙振りだった。
本作でシュワルツェネッガーの演じるT-800が前作から一転して「善玉」となったことについて、当初は公開まで極秘にすることが検討されたが、結局はこの事実を早期に公開し、むしろ本作の売りとして積極的にPRする方針が採られることになった。
撮影に時間がかかりすぎて撮影中にエドワードが声変わりしてしまった。
サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンと監督のジェームズ・キャメロンは後に結婚した。
この映画でアーノルド・シュワルツネッガーが受け取った報酬は約16億円。あまりにセリフが少ないので、1単語あたり約240万円を受け取ったことになる。
サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンは病棟を抜け出すシーンで本当に鍵をピッキングしている。
T−1000役を演じたロバート・パトリックは、ハクトウワシの頭の動きを真似してT-1000の動きを完成させた。
サラ・コナーの夢の中で核爆弾が落ちるシーンがリアル過ぎて、アメリカ政府の原子力研究チームは非公式に「フィクション映画の中で最も忠実に核爆発を描いた作品」と認めた。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)以前まで、1作品目でノミネートされなかった映画の続編でアカデミー賞を受賞した唯一の作品だった。
ターミネーター2でダイソン技師を暗殺しようとしてできなかったサラが、ジョンにハグされ落ち着かされてるシーン。サラの顔主体のカットとジョンの顔主体のカットが交互に映りどちらのカットにもジョンの腕時計が映ってるのだがカットが替わる度に時刻がいきなり10分以上進んだりまた戻ったり…
ターミネーター2 ヘリからマシンガンを連射するT1000の手が3本
資料
原題:Terminator 2: Judgment Day
コピー:この映画だけは、決して誰にも ストーリーを明かしてはいけない。
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン、ウィリアム・ウィッシャー
原作:-
制作:ジェームズ・キャメロン
音楽:ブラッド・フィーデル
主題歌:「You Could Be Mine」ガンズ・アンド・ローゼズ
撮影:アダム・グリーンバーグ
編集:コンラッド・バフ、マーク・ゴールドブラット、リチャード・A・ハリス
ターミネーター(T-800)/ アーノルド・シュワルツェネッガー
サラ・コナー / リンダ・ハミルトン
エドワード・ファーロング / ジョン・コナー
T-1000 / ロバート・パトリック
ピーター・シルバーマン / アール・ボーエン
配給:東宝東和
公開:1991年8月24日
上映時間:137分(公開版)、154分(完全版)
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語
制作費:$102,000,000
興行収入:$519,843,345
『ターミネーター2 3D』予告編 ロングバージョン – YouTube
1991年 ターミネーター2 – Pinterest
本編を観るには・・・
参考・引用
ターミネーター2 – Wikipedia
『ターミネーター2』をもっと楽しく観るための制作裏話 – 1年で365本ひたすら映画を観まくる日記
ターミネーター2について知られていない驚くべき7つの秘密 | THE SIDE STREET JOURNAL
ターミネーター2で服取られたヒゲ親父について考えるスレ @ [懐かし洋画板] | 博士ちゃんねる
更新履歴
2稿)2016年08月06日、シネマドローム
初出)2009年07月13日、東京つまみ食い