★[感想]人魚姫【ネタバレ】

 感想記事の抜粋


原題 美人魚
惹句 この不思議な愛は、すべてを変える。
監督 チャウ・シンチー
俳優 リウ・シュエン / ダン・チャオ
女優 シャンシャン / リン・ユン
女優 ルオラン / キティ・チャン
俳優 タコ兄 / ショウ・ルオ
タコ兄のインパクト、人魚姫の感想です。

  

 

紹介

チャウ・シンチー、今回のテーマは人魚姫。当然、普通のメルヘンで終わるわけもなく・・・。
リゾート開発により海を追われた人魚たち。復讐のため人魚シャンシャンを人間界に送り込む。
監督チャウ・シンチー。主演ダン・チャオ、リン・ユン。2017年中国・香港映画。
 

 

 

感想

西遊記2を調べてて、見つけた人魚姫。予告を見たら面白そうだったので、本編を観てみました。前回に続いてチャウ・シンチー(周星馳)作品です。

初めはちょっと空振りが多く、外(はず)れかなと思いました。でもだんだん引き込まれていく周星馳マジック。この後どうなるの?どうなるの?と観てたら、 最後はそうきたか。あぁ面白かったとなりました。
m(^^)

チャウ・シンチーと言うこともありますが、その前にやっぱりアジアの映画。考えや感情の根っこの部分が同じだなとも感じました。

自然保護区の青羅(チンルオ)湾。その海に静かに暮らす人魚たち。しかし、若き実業家リウ・シュエンが始めたリゾート開発により、イルカを追いやるソナーが設置されます。それが人魚たちをも苦しめることに。復讐を誓う人魚たち。みなの気持ちを一身に背い、シャンシャン(人魚姫)は人間界に乗り込みますが・・・。というのが序盤です。

人魚と言ってもそこはチャウ・シンチー。シャンシャン以外は汚いオジサン、オバサンばかり。そこで、ひときわ目立つのがタコ兄(たこにい)。下半身がタコの人魚たちのリーダー。一度見たら忘れられない造形です。彼も人魚? 狂言回し的な存在で、笑わせてくれます。

シャンシャンは尾びれに切れ目を入れて足代わりに。大きな靴を履いて誤魔化してます。なので歩く姿が不自然。遊園地でチキンを焼く仕事をして、リウに会うチャンスを狙ってます。

初登場シーンはリウのパーティー。脈絡もなく突然現れます。それも凄い化粧で。
(^^;

リウに電話番号を渡すも相手にされず、スケボーに乗って帰るシャンシャン。そこは断崖絶壁、飛び降りた先には難破船。そこは人魚たちの住みかで・・・というストーリー展開兼状況説明、巧みです。

シャンシャンを演じるのはリン・ユン。2017年 世界でもっとも美しい顔49位に選ばれた彼女。この映画ではサバサバした性格。ウニが何個も頭に刺さったり、ゲロ吹いたり。下町の看板娘みたいな、親しみやすい人魚を演じてます。古き良き時代の大栄テレビのドラマみたいだなぁ、あの頃でもゲロは映さなかったけど。

リウは大金持ち。金でなんでもできると考えてます。リゾート開発も、財閥の娘ルオランと付き合うのも、すべて金のため。しかし、ルオランに育ちの悪さをバカにされ、仕返しにシャンシャンに会うリウ。遊園地でのデートが笑えます。

焼き立てのチキンを食べてとシャンシャン、このオレがそんなもの食えるかとリウ。次のシーンではチキンを食い散らかした皿の山。そして涙ぐむリウ。これはまだ貧しかった子供の頃、父親に買ってもらったチキンの味と同じだ。ハンカチでリウの涙を拭うシャンシャン。

代金だと100万元の小切手を切るリウ、シャンシャンはお金なんていらないと、それを火釜に投げ入れます。なんか子供の頃見た「あかねちゃん」(ちばてつや原作)を思い出しました。シチュエーションはだいぶ違うけど。

遊園地の乗り物に乗ろうと言うシャンシャン、そんなもの乗れるかと怒るリウ。でも次のシーンでは大騒ぎではしゃぐリウの姿が。美人の言うことにはいつの間にか従ってる、男って馬鹿だなぁ。
次第に惹かれあうリウとシャンシャン。シャンシャンは自分の使命に反する気持ちに苦しみます。
 

 

<ここからはネタバレ、できれば映画を観てから読んで下さい>

人魚たちに捕まったリウを逃がすシャンシャン。リウが自分ではなくシャンシャンを選んだと知ったルオランは殲滅部隊を組織、人魚たちの海岸に向かいます。

つぎつぎと死んでいく人魚たち。子供が見たらトラウマになりそうなくらい残酷。テイストが一変しています。・・・普通生け捕りにすると思うんだけど。
(^^;
映画の中では何回かイルカ追い込み漁の映像(太地町?)が流れていて、別な意味でも心が痛みます。そして婆さん人魚に驚かされます。

ジョーズみたいにタルがつながった銛を撃ち込まれるシャンシャン。銛で胸を貫かれながらも、瀕死のシャンシャンを海に返すリウ。(ソナーはすでにリウの命令で止められている)この辺は泣いちゃうところ。

数年後、回復したリウ。私財すべてを自然保護の団体に寄付。取材を受け、そこで元気になったシャンシャンと暮らしていることがわかり、エンディングとなります。よかった、よかったよう。

悪役令嬢ルオランを演じるのはキティ・チャン。キティちゃん!? 見とれてしまうほどの美人。彼女はミラクル7にも出演してるとのこと、次はそれかな。

   

蘊蓄 ~ どこかで見た面々(チャウ・シン・チー映画の脇役たち)

常連俳優たちが出演、カメオ出演しています

ショウ・ルオ(羅志祥)
人魚姫、タコ兄
西遊記~はじまりのはじまり~、空虚王子

キティ・チャン(張雨綺)
人魚姫、リーの娘 ルオラン
ミラクル7号、ユエン先生

ツイ・ハーク(徐 克)
人魚姫、リウと手を組む

チウ・チーリン(趙志?)
人魚姫、年配の人魚
カンフー・ハッスル、裁縫(仕立て)屋の主人(洪家鐵線拳、両腕に輪っか)

ティン・カイマン(田啓文)
人魚姫、怪しげな博覧会の客の一人
カンフーハッスル、斧頭幇師爺
少林サッカー、三兄(腹筋でボールを挟む鎧の肌)

ラム・ジーチョン(林子聰)
人魚姫、社長室のドアを直した人
カンフー・ハッスル、骨(シンの相棒)
ミラクル7号、工事現場のボス
少林サッカー、六兄(空に舞い上がる空渡り)

ウェン・ジャン(文章)
西遊記~はじまりのはじまり~、三蔵法師

リー・ションチン
人魚姫、人魚の絵を描く警官
西遊記~はじまりのはじまり~、沙悟浄
ミラクル7号、カオ先生

フォンミンハン(馮勉恒、Fun Min Hun)
西遊記~はじまりのはじまり~、エイを倒した道士
ミラクル7号、体育の先生
カンフーハッスル、四眼仔(電車の眼鏡男)
少林サッカー、不良たちのチームのひとり

 

資料

原題 美人魚
英題 The Mermaid
惹句 この不思議な愛は、すべてを変える。
脚本 チャウ・シンチー、ケルヴィン・リー、ホー・ミョウキ、ツァン・カンチョン、ルー・ジェンユー、アイヴィ・コン、フォン・チーチャン、チャン・ヒンカイ
原作

監督 チャウ・シンチー
制作 チャウ・シンチー、チアン・ピン、アイヴィ・コン
指揮
音楽 レイモンド・ウォン、ウェンディ・チェン
主題
撮影 チョイ・スンファイ
編集
美術

俳優 リウ・シュエン / ダン・チャオ(堀江一眞)
女優 シャンシャン(人魚姫)/ リン・ユン(平野綾)
女優 ルオラン(横暴な美人投資家) / キティ・チャン(中原麻衣)
俳優 タコ兄 / ショウ・ルオ(加瀬康之)
俳優 リー氏 / ツイ・ハーク(野島昭生)
俳優 ジェン社長 / ジェン・ジーン(岩崎ひろし)
女優 人魚の長老 / ファン・シュージェン(沢田敏子)
俳優 ロン・ジェンフェイ / リス・ウー(三好翼)

会社 Alpha Pictures、China Film、Hehe (Shanghai) Pictures、Shanghai New Culture Media Group、Shanghai Tianshi Media、Shannan Enlight Pictures、Star Overseas、Xiangshan Ze Yue Culture Media
配給 ツイン
公開 2017年1月7日
上映 93分
国旗 中国、香港
言語 中国語

費用 US$ 60,000,000
収入 US$ 553,810,228

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人魚姫 チャウシンチー

 

 
 

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参考・引用

人魚姫 (2016年の映画) – Wikipedia
「人魚姫 (2016)」チャウ・シンチー/中盤の子供みたいなデートが凄く良かったが、どの過去作にもあった終盤の爆発力はなかった?? – gock221B
映画『人魚姫』ネタバレあらすじ結末|映画ウォッチ
[ホラーとシリアス]人魚姫 ネタバレ 感想[そしてコメディの融合] | ゆでたま時々のりたまの映画愛
いけにえ映画狂い : 『人魚姫(2016)』感想。
チャウ・シンチーの美人魚?-「人魚姫」 | 見習い中の羊のブログ
 

 

更新履歴

初出)2019年08月07日、シネマドローム
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