アメリカに行きたくもあり、行きたくもなし。ボウリング・フォー・コロンバインの感想です。

 

作品紹介

過激ジャーナリスト、マイケル・ムーアが監督した問題作。アカデミー賞《 長編ドキュメンタリー部門 》受賞。
 
 

物語

なぜアメリカだけが銃犯罪が多発するのか? コロンバイン高校銃乱射事件犯人の同級生から、全米ライフル協会会長のチャールトン・ヘストンまで。マイケル・ムーア監督自ら、アポなし取材を敢行。

『 俺がアメリカを駄目にしている? 冗談、駄目なアメリカが俺を生んだんだ 』
( マリリン・マンソン / ハード・ロック歌手 )

『 銃が人を殺すんじゃない。人が人を殺すんだ 』
( チャールトン・へストン / 俳優、全米ライフル協会会長 )

『 僕にとって怒りのはけ口が、たまたま銃ではなく、アニメだっただけさ 』
( マット・ストーン / サウスパーク原作者 )

『 We Are NO.1 』
( ジョージ・W・ブッシュ / アメリカ大統領 )
 
 

 

感想

アカデミー賞受賞時のムーア監督のスピーチ。

「 僕らはインチキな大統領を選び出してしまうようなインチキな選挙をするような時代に生きているんだ。嘘の理由で僕らを戦場に送り込むようなやつがいる時代を生きているんだ。とにかく、僕たちはこの戦争には反対なんだ。ブッシュよ、恥を知れ。お前の持ち時間は終りだ 」
会場に巻き起こる拍手とブーイングの嵐・・・。このスピーチでこの映画が観たくなった人も多いと思います。

映画はコロンバイン高校での事件や、6歳児が起こした殺人事件などを中心にアメリカの銃問題を取材していきます。宣伝にあるような「 電波少年のようなアポ無し取材 」という感じはなく、真面目な淡々としたドキュメンタリーでした。この映画で心に残った事は4つほど。

まず初めはマット・ストーン。彼は犯行があったコロンバイン高校の出身だそうで、退屈な田舎で落ちこぼれることを恐れていた高校生活を淡々と語っていました。サウスパークのオープニングで毎回トンデモないことを言っているこの人が、まじめに話をしていたので結構驚きました。

次はインタビューの中に出てくる次の一言。
「 アメリカ人は貧しい人を見ると、かわいそうじゃなくて、まず何かされそうでコワイって思うんだ 」
同時テロ以降のアメリカは疑心暗鬼? 必要以上の警戒を国レベルで行って、それが無茶な先制攻撃を生んでいるのではと感じました。

そしてカナダでは家に鍵をかけないということ。カナダはアメリカよりも銃の所有率が高いとか、にも関わらずみんなアッケラカン。カナダは佐賀県のようなところなんだろうか?

最後はアメリカでの銃犯罪の犠牲者数。各国の年間の犠牲者数が次々と紹介されていきます。381人(ドイツ)、255人(フランス)、165人(カナダ)、68人(イギリス)、65人(オーストラリア)、39人(日本)、11,127人(アメリカ)。テレビゲームは日本の方がよほど進んでいるし、家庭の崩壊はイギリスのほうがひどい、失業率はカナダのほうがはるかに高い。なのになぜアメリカが・・・。ムーア監督はそう言いたかったに違い有りません。
でも私はむしろその犠牲者数の少なさに驚きました。テレビ番組から受ける印象では、年間10万人くらい死んでいるのかと思ってました。
(=_=;
それに日本での自殺者の数は年間3万人、ほぼ3倍です。人口が半分程度と考えると6倍。よっぽどこちらの方が問題じゃないかと思います。

また《 アメリカにだけは行きたくないな 》という思いが強くなってしまいました。
 
 

 

薀蓄

日米の犠牲者数比較

《 銃の犠牲 》
  米国 / 約1.1万人
  日本 / 約40人

《 自殺 》
  米国 / 約3万人
  日本 / 約3万人

《 交通事故 》
  米国 / 約4.5万人
  日本 / 約1万人

※米国の人口は日本の2.2倍程度

資料

原題:Bowling for Columbine
コピー:こんなアメリカに誰がした
監督:マイケル・ムーア
脚本:マイケル・ムーア
原作:ー
制作:チャールズ・ビショップ、ジム・チャルネッキ、マイケル・ドノバン、キャサリン・グリン
製作総指揮:ウォルフラム・ティッチー
音楽:ジェフ・ギブス
主題歌:ー
撮影:ー
編集:カート・イングファー

ナレーター / マイケル・ムーア

配給:ギャガ
公開:2003年1月25日
上映時間:120分
製作国:アメリカ合衆国、カナダ、ドイツ
言語:英語

制作費:$4,000,000

ボウリング・フォー・コロンバイン(字幕版) – YouTube

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参考・引用

☆ アメリカの鬼双児 ☆
映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』をホメる!: 黒道のホメノート~おすすめ小説・漫画・アニメ・映画~

更新履歴

3稿)2017年09月13日、シネマドローム
2稿)2016年06月30日、シネマドローム
初出)2003年07年07日、東京つまみ食い