★[感想]the EYE【ネタバレ】

 感想記事の抜粋


原題 見鬼
惹句 見えたのは、せつない恐怖。
監督 オキサイド・パン、ダニー・パン
女優 アンジェリカ・リー
俳優 ローレンス・チョウ
女優 チャッチャー・ルチナーノン
女優 ソー・ヤッライ
蘊蓄 角膜移植を受けた女性が視力を回復したその1週間後に自殺をしたという事件がこの映画のモデル。
ホラーにもお国柄が表れます。香港/タイ製作、the EYE 【アイ】の感想です。

 

 

作品紹介

香港/タイ製作のブラインド・ホラー。
監督は双子の兄弟、オキサイド・パン、ダニー・パン。主演は本上まなみ似のアンジェリカ・リー。
トム・クルーズがリメイク権を獲得。

 

感想

続編がたくさん作られているから面白いに違いないと《 the EYE 》の一作目を観ました。香港、タイの合作ホラーです。
角膜移植手術を受けたマン(アンジェリカ・リー)は他の人には見えない黒い影(死神)や彷徨う霊までもが見えるなり悩みます。原因を探るためカンセラー(ワ・ロー)とともに角膜提供者の村へ。そこで少女リン(チャッチャー・ルチナーノン)の境遇とその村で起きた悲惨な事件を知ります。

どこかで聞いたことがあるようなストーリー。前半はテンポも悪く、SFXも特撮レベルで怖くありません。なんだ、続編ルールもハズレかなと思っていると、後半、じんわりと背筋が凍り初めます。事件解決かと思った最後の10分間、思わぬ展開(とだけ言います)に驚きます。

<ここからはネタバレ、できれば映画を観てから読んで下さい>

よかったシーンをあげると、まずエレベータのシーン。マンの住むマンションは霊が多く出現、その中の一人、エレベータ内で出会う老人の霊。
肩を落とし壁を向いたままの老人。彼の存在に気付いたマンはエレベータに乗るのを止めます。代わりに乗り込むカップル。やり過ごし、隣にきたエレベータに乗り込みます。しかし気が付くと中に先程の老人が。
(O_o)おぉ。

何も言わずに背を向けている霊。体が竦(すく)み、身動きが取れず、ただ祈るように階表示に見入るマン。静かに上昇していくエレベーター。背を向けたままゆっくりと近づく老人、その足が宙に浮いてます。気配に怯えるマン。徐々にこちらを向く老人の顔は右半分が潰れていて・・・。
щ(゚Д゚щ)こわっ!

おっと思ったのがマンが自分の写真に驚くシーン。手術の成功でマンはいろいろなものを初めて見ることになります。自分の顔もそのひとつ。そこまでに何度か彼女が鏡を見るシーンがでて来ます。これが私の顔・・・。手を伸ばし鏡に触れ驚くマン。

後半。マンは写真を見ていいます。これは私じゃないわ。ロー医師にそれが自分だと指摘され、愕然とする彼女。マンは鏡の前で叫びます、一体あなたは誰なのぉ~!鏡の中には知らない女性の姿が映っていたのでした。
(((( ;゚Д゚))) ぞ~っ
それまでの鏡を見るシーンではマンの表情や仕草にカメラの焦点が合され、鏡に映ってる姿がありません。見事騙されました。

ラスト10分のデザスター(災害)シーン。渋滞の車の列をタンクローリー車の爆発が襲います。いち早くそれを予知したマンは人々に逃げるよう訴えて回りますが、ガスは地を這って広がり、遂に着火。リンが村人を助けられなかったようにマンもやはり。
一件落着かと思ったところでこの展開。呪いは続いていたという落ち予想を見事に裏切ってくれました。そしてエンディング。こちらは救いのあるものでよかったです。

国によってホラー映画も雰囲気が違うもよう。ハリウッドの場合、殺される恐怖と残酷な痛みが印象に残ります。日本の場合、激しい怨念とその昇華。そしてこの映画の場合は悲しみでした。

病院の廊下で寒いと言う老婆、高速道路に立ち尽くす男、通知表を探し続ける子供、自分の席に座るなと怒る書道教室の生徒、旦那の料理店に毎日やってくる妻と子・・・。 リンの回想シーンですら、それは彼女の悲しみであり、怨念ではありません。死を悲しむ人間の姿そのもの、それが印象に残りました。

終わり

蘊蓄

角膜移植を受けた女性が視力を回復したその1週間後に自殺をしたという事件がこの映画のモデル。

資料

原題 見鬼
英題 The Eye
惹句 見えたのは、せつない恐怖。
脚本 オキサイド・パン他
原作

監督 オキサイド・パン、ダニー・パン
製作 ピーター・チャン他
指揮 ピーター・チャン他
音楽 オレンジ・ミュージック
主題
撮影 デーチャー・スリマントラ
編集 オキサイド・パン他
美術 クリッタパット・スッティネート、サイモン・ソー

女優 マン・ウォン / アンジェリカ・リー
俳優 ワ・ロー(精神医)/ ローレンス・チョウ
女優 リン(タイの少女)/ チャッチャー・ルチナーノン
女優 インイン / ソー・ヤッライ
俳優 ロー医師 / エドマンド・チャン
女優 リンの母 / ワン・スーユエン

会社
配給 クロックワークス
公開 2003年03月29日
上映 99分
国旗 香港、シンガポール
言語 粤語、タイ語、英語、北京官話

費用
収入


 

本編を観るには・・・

参考

The EYE 【アイ】 – Wikipedia
超映画批評「the EYE(アイ)」80点(100点満点中)
the EYE【アイ】(ネタバレ)|映画でもどうどす?

更新履歴

4稿)2021年12月30日、シネマドローム
3稿)2018年01月04日、シネマドローム
2稿)2015年11月20日、シネマドローム
初出)2006年07月10日、東京つまみ食い

 

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