ハリソン・フォードが痛々しい、インディ・ジョーンズ / クリスタル・スカルの王国の感想です。
作品紹介
インディ・ジョーンズ シリーズの第4作目。人気アドベンチャーが19年ぶりに復活。
前作の『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』から19年後、第二次世界大戦後が舞台。敵はナチス・ドイツに変わって冷戦時代のソビエト連邦に。
感想 ~ ネタバレあり
まんが喫茶で映画を。前回の《 Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! 》に続いて、今回(と言っても2008年の暮れの話ですが)は《インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの謎》。去年の全米映画興行成績、No.3の話題作です。
19年振りの続編は第3作の19年後という設定。面白くなさそうだなと思って観たら、そのまま面白くありませんでした。ふつう期待しないでみると、それなりに面白いものなんですが…。
(^_^;
見渡す限りの荒れ地、それを無口に分ける1本のアスファルト。軍事用のジープが隊列を組み、静かに進みます。突然、横につけたのはオープンカー。古き良きアメリカ、その終わりを告げる若者たち。はしゃぐ男と女、羨ましげに眺める兵士。巨大な建物が現れると、ジープは何事もなかったよう。道を折れ、目的地の前、ゆっくりと止まります。
ドアが開いた拍子にこぼれ落ちたフェドーラ帽。(おぉ、この帽子は)。偽装アメリカ陸軍(正体はソ連軍兵士)に押し出されたジョーンズ博士は、それでも不敵な笑み。巨大な倉庫の中、物(ぶつ)の捜索を命じられたジョーンズ博士は火薬を宙に投げます。吸い寄せられるように空を動く火薬。(ほほぅ、これは面白い。これはひょっとすると…)。ちょっとここで期待しましたが、捜し物が宇宙人の死体(それもグレイタイプ)だった辺りで興醒め。その後逃げ込んだ民家が、原爆実験用のマネキンの家で、冷蔵庫に入り込み難を逃れる辺りでがっかり。ず~と先で、マットがインディの子供とわかる辺りで幻滅しました。
(==;
ちょっとシナリオが分かり易すぎ。老若男女、誰でもストーリーが分かりますが、謎めいた伏線くらいほしかった。前作までも冒険もののルールを無視したところがありました。でも今回のコピペ主義には脱力です。SFXもなんか、大道具ぽいし。
※一回しか観てないので、説明したシーンに多少捏造が含まれてます。
(^_^;
日本でも収入は57億円。興行成績的にはこの映画は大成功。多くの人が面白かったと言うかもしれません。でも私は残念、だっていままで…。
生まれては消える続編作成の噂に一喜一憂。クランクインしたと聞いては期待に胸を膨らませ、ネットでスチール写真を見つけては、本当にやるんだと安心。思わせ振りの数十秒のトレーラーが、フルトレーラーに替わり、それに日本語の字幕がついて…。(やっぱりどんな映画も初めて予告を見る時が1番印象深い)。見るまではと、他のサイトのコメントや評価も読まずにいたのに。
良い悪いとは別次元。感動は期待してないけど、せめてドキドキはしたかった。《あっ》と言わされるシーンが1つぐらいほしかったなぁ。
おまけ
餞(はなむけ)に、このシリーズで《あっ》と言った場面を振り返ってみよっと。
第1作 レイダース/失われたアーク《聖櫃》
φ 手のひらにラーの杖飾りの跡
φ ヌンチャク・ハンガー
φ ゲシュタポの熔ける顔
第2作 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
φ No More パラシュート!
φ 虫の洞窟
φ 外に出たら断崖絶壁
φ 吊り橋の真ん中で吊り橋を切断
第3作 インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
φ 戦闘機v.s.コウモリ傘
φ 見えない橋
薀蓄
総制作費は1億8500万ドルとなったが、これは制作費が安いことで知られるスピルバーグ監督作品において、過去最高額の制作費である。
保管庫からインディが逃げ出す際、壊れた木箱から『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』に登場した聖櫃が顔をのぞかせている。
マリオンとインディが最初に出会う際、マリオンが言う「インディアナ・ジョーンズ…」のセリフの口調は、『レイダース-失われたアーク-』でマリオンとインディが出会ったときにマリオンが言った「インディアナ・ジョーンズ…」のセリフと同じイントネーションで再現されている。
図書館に迷い込むシーンにて、インディが居合わせた学生たちに「図書館なんかに真理は無いぞ」「真理は現場にある」と言う台詞があるが、これは19年前の前作『最後の聖戦』での講義中に「真理は図書館にある」「宝の地図のX印を掘って宝が出たためしは無いのだ」と生徒に説いていた台詞に対応しており、わざと全く逆のことをしゃべらせている。
この映画に落胆した一部のファンによって、映画シリーズがピークを過ぎ、つまらなくなった点を表す「nuke the fridge」(核の冷蔵庫)というフレーズが生みだされた。これは、インディ・ジョーンズが核爆発を冷蔵庫に隠れることで逃れるシーンから来ている。既存の、テレビにおける「jumping the shark」とほぼ同意である。
シャイア・ラブーフは2010年9月に行ったインタビューで「人々に愛されている名作を失敗させてしまった。脚本家やスティーヴン・スピルバーグ監督のせいにすることもできるけど、与えられたものをよく見せるのが俳優の仕事。僕はそれができなかった。ハリソンとも話したけど、彼も出来栄えには満足していなかったよ」と語っている。
最終興行収入は全世界で7億8千万ドルとなった。これは『インディ・ジョーンズ』シリーズでは最高の興行収入である。
ラスト、不評だったエンディングにスピルバーグは「あれはルーカスのアイデアで、私のせいじゃないですよ」と謝罪した。
インディ・ジョーンズ 12 Inch Action Figure: インディ・ジョーンズ (Kingdom Of The Crystal Skull)Exclusive Edition
( amazon )
資料
原題:Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
コピー:全世界待望─新たなる秘宝を求め、史上空前の冒険が始まる!
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:デヴィッド・コープ
原案:ジョージ・ルーカス、ジェフ・ナサンソン
制作:フランク・マーシャル
製作総指揮:ジョージ・ルーカス、キャスリーン・ケネディ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
主題歌:ー
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
インディアナ・ジョーンズ(考古学の教授)/ ハリソン・フォード
マリオン・レイヴンウッド(インディの昔の恋人)/ カレン・アレン
マット・ウィリアムズ(マリオンの息子)/ シャイア・ラブーフ
ジョージ・マクヘイル(元MI6の局員)/ レイ・ウィンストン
オックスリー教授 / ジョン・ハート
スタンフォース学部長 / ジム・ブロードベント
イリーナ・スパルコ(ソ連軍の大佐)/ ケイト・ブランシェット
配給:パラマウント映画
公開:2008年6月21日
上映時間:123分
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語
制作費:$185,000,000
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 – 予告編 – YouTube
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 クリスタル・スケルトン アクションフィギュア & 玉座 セット Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull Crystal Skeleton with throne
( amazon )
本編を観るには・・・
参考・引用
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 – Wikipedia
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』ネタバレ感想 – 1年で365本ひたすら映画を観まくる日記
超映画批評『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』75点(100点満点中)
裏#63 ネタバレ 驚愕の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 (伊藤Pのブログ)
更新履歴
初出)2009年02月16日、東京つまみ食い