20世紀を懐かしがったのも早17年前か・・・。20世紀少年 終わりの始まりの感想です。
 

 

紹介

 
浦沢直樹原作の人気漫画の実写映画化。
21世紀を夢見ていた少年は、今はしがないコンビニ店長。ところが子供の頃に書いた予言の書が現実になり、彼のまわりに《 ともだち 》の影が忍び寄りはじめる。
主人公と同年代だったら、思わずほくそ笑む、キーワード・グッツが満載。
 
 


 

感想

YaWaRa、マスターキートン、Monster、20世紀少年、プルート・・・。浦沢直樹さんの漫画を読むと、いつもその話運びに感心します。

《 まるで少女漫画のようだ 》
私の中では少年(青年)系の漫画のイメージはこう。物語の大筋はぼんやりとあるが、読者の反応によってはまったく別のところへ行ってしまう。盛り上がり方に血潮を感じるけど、よほどの名作でないと風呂敷を広げ過ぎて、最後は尻つぼみに。今週面白くなければ、次はない。そんな週刊読み捨て型。

それに対して少女系は月刊きっちり型。最後の終わり方はもちろん、すべての話が出来上がっていて、その一部、または全部が滔々(とうとう)と掲載される。なので物語も自由なコマの割りのようにバランスがとれている。パンチは弱いが、再読に耐える作品が多い。・・・あくまでも私のイメージ、最近は違うかもしれませんが。
f(^.^)

でも浦沢さんの場合はその両方のいいとこ取り。物語の骨組みと落ちが振(ぶ)れずに出来上がっていて、それにドキドキの尾鰭(おひれ)が付いてる感じ。読者がどこをどう面白がるかは大方計算済み。その反応に慌てる必要がありません。そう、読者はその手のひらの上で踊るだけです。

ということで観に行きました《20世紀少年》。原作はマンガ喫茶で読んでましたが、間隔が開き過ぎで、登場人物が誰だかわからなくなったところで挫折。中途半端な予備知識での鑑賞です。でも三部作ならば第一部は世紀末の対決で終わると予想。そうであればあれが見れる。
(^.^)
 
舞台は1990年代。親父の代からの酒屋をたたみ、コンビニ店長にケンジ。小学校の同窓会である新興宗教のうわさを聞く。教団の名は《 ともだち 》そのシンボルマークは瞳に人差し指。これはおまえが考えたマークじゃないか、おまえが教祖様かと思ってたとみんな。ケンジは思い出すことができません。
時を同じくして世界中で巻き起こる怪事件。からだ中から血が吹き出し死んで行く人々。空港が次々と襲撃され、そして…。地球滅亡を企む悪の組織。これは昔おれが遊び半分で書いた予言の書、それとまったく同じじゃないか。ケンジは愕然とします。
・・・というのが、配給会社から許可が出てるであろう部分のあらすじ。ここまでの感想はというと。
 
 

まず驚くのは子役のキャスティング。少年時代を演じる子供たちが、原作の子供たちにそっくり。素(す)が似てるのが凄いです。また、成長した大人たちにも似てるのが面白い。この子が大きくなったらこうなるな、説明が不要なくらいです。よく見つけたなぁ、まさかCG?

でも話の方は、もうひとつ。

 映画 = 原作 × 話題性 ÷ 上映時間

こうなるしかないのかもしれませんが、ちょっと寂しかったです。寄り道の少ない、分かりやすい展開、先を予想するよりも前に結果がわかってしまう。まるで落語の《 目黒の秋刀魚(さんま) 》。殿様が狩りの途中、お腹が空いたので食べた下衆(げす)魚、秋刀魚。あまりの美味しさが忘れられず、城でも食べると美味しくない。家来が健康のため、脂を抜き、骨を抜いたので、ぐずぐずだったから…というあの話です。思わず私は《 20世紀少年は漫画に限る 》と言ってしまいました。
(>_<)

  
ここからはネタばれなので、ご注意を。
 
でも反対に話が単純になったので、初めて大筋がわかった気もします。つまりは《 ともだち 》(まだ正体が不明)は、ケンジの予言の書を現実にし、なおかつケンジをその黒幕として葬りさることによって、自分が正義として世界に君臨しようとしてたんだ~! なるほど。って原作を読んだ人は当たり前か、私は何を読んでいたんだ!?
(;^_^A
 
最後、ともだちが《 太陽の塔 》に乗って、ケンジが操るロボット(実際はケンジは暴走を止めようとしていた)を退治したシーンで、初めて気が付きました。確か原作を読んでた時は、太陽の塔が正義の味方として現れただけで、なんてことを思いつくんだと感動、他の思考は止っていたからなぁ。ちなみに映画ではどんな遠慮か、大人の理由か、知らなきゃ、それとはわからない見せ方をしてたので、それも評価を下げた理由のひとつです。
 
 

 
 
エンドロールが流れ始めると、多くの人が早々に席を立ってました。会場の評価もあまりよくないみたい。私はぎっしりと小さな文字が延々と流れるのをみて、関係者の多さに驚き、また同時に、この話自体を面白いと思うのには1つ条件がいると思いました。それは主人公たちと同世代であること。

アームストロング船長や万国博覧会、平凡パンチやあの時代のロックは、この世代でないと無理。三丁目の夕日より、10年ぐらい後の世界。私はまだこちらに近い世代です。そう思ってると、第2部の予告が始まりました。2部は映画館でみるかどうか、微妙なところなので得をしたかも。

漫画はもう結末までいってるのかな、もういちど読み返してみよっと。
 
 


 
 

薀蓄

総制作費60億、総キャスト数300名を動員して製作された。2008年の1月から6月まで第1章と第2章の一部が撮影され、8月から第2章の一部と第3章(以下、最終章と記す)が撮影された。
原作と異なる展開となる映画について、脚本を手がけた作者の浦沢は「もうひとつの『20世紀少年』として観ていただければと。ただ、映画を見終わったときの“風合い”が原作と同じであれば、観た人は納得してくれると思うんですよ」と語っている。
総制作費60億、総キャスト数300名を動員して製作された。2008年の1月から6月まで第1章と第2章の一部が撮影され、8月から第2章の一部と最終章が撮影された。
浦沢は堤幸彦監督について、「ね!」と一言いえば「そうそう」と通じる何かがあり、安心して脚本を渡せたと語っている。一方、企画・脚本の長崎尚志は、長崎と浦沢の原作チームと映画サイドでは意見がバラバラで毎回激論となり大変だったと証言している。

 

 


 

資料

原題:Twentieth Century Boys 1: Beginning of the End
コピー:世界が終わろうとしています。ぼくらの“ともだち”によって──。
監督:堤幸彦
脚本:長崎尚志、福田靖、浦沢直樹、渡辺雄介
原作:浦沢直樹『20世紀少年』
制作:映画「20世紀少年」製作委員会
音楽:白井良明、長谷部徹、Audio Highs、浦沢直樹
主題歌:T・レックス「20th Century Boy」
撮影:唐沢悟
編集:伊藤伸行

遠藤健児(ケンヂ)/ 唐沢寿明
落合長治(オッチョ)/ 豊川悦司
瀬戸口雪路(ユキジ)/ 瀬戸口雪路
遠藤カンナ(カンナ)/ 平愛梨
皆本剛(ヨシツネ)/ 香川照之
丸尾道浩(マルオ)/ 石塚英彦(ホンジャマカ
勝俣忠信(カツマタ)/ 黒羽洸成
服部哲也(フクベエ)/ 佐々木蔵之介
ジジババ / 研ナオコ
万丈目胤舟 / 石橋蓮司
子門真明(モンちゃん)/ 宇梶剛士
山根昭夫(ヤマネ)/ 小日向文世
木戸三郎(ドンキー)/ 生瀬勝久
福田啓太郎(ケロヨン)/ 宮迫博之(雨上がり決死隊)

配給:東宝
公開:2008年8月30日
上映時間:142分
製作国:日本
言語:日本語

興行収入:39.5億円

20世紀少年 ―第1章― 終わりの始まり(プレビュー) – YouTube


 

本編を観るには・・・


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関連

[感想]20世紀少年 《 最終章 》ぼくらの旗 – シネマドローム
[感想]20世紀少年 《 第2章 》 最後の希望 – シネマドローム

参考・引用

20世紀少年 (映画) – Wikipedia
『20世紀少年』が名作たる5つの理由をネタバレ考察!登場人物、伏線以外も | ホンシェルジュ
原作と似すぎ!【20世紀少年】奇跡の実写版キャスティング – NAVER まとめ

更新履歴

4稿)2018年07月03日、シネマドローム
3稿)2015年09月23日、シネマドローム
2稿)2010年08月15日、シネマパレード~隼
初出)2008年09月15日、東京つまみ食い