● 日本人はアカデミー賞に振り回されすぎ。バベルの感想です。

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作品紹介

● 旧約聖書の “バベルの塔” をモチーフにしたヒューマンドラマ。
● モロッコ、日本、メキシコ。発射された銃弾からたどられるそれぞれの哀しみ。
● 菊池凛子アカデミー賞助演女優賞ノミネートが大きな話題に。

感想

《 ネタばれに注意 》

● 素直な感想は《 がっかり 》。タイトル、CMコピーからもっと宗教的な映画かと思ってました。言葉(気持ち)が通じないもどかしさ、それが引き金で起こる悲劇、価値観の違う人間たちの間に立ち塞がる壁。といったところを語る映画なのかと。

ドラマティックな展開もなく、淡々と進むストーリー。バベル(分裂)が一層進んだ現代を映すこともないままに。

モロッコの羊飼いの兄弟、異国の地で受難のアメリカ人夫婦、無断で幼子を連れメキシコに向かう乳母、満たされない聾唖(ろうあ)の女子高生。バラバラの話はバラバラのまま。面白いと思ったのはそれぞれの時間が、ズレて語られることぐらいでした。映画が自体がバベルである必要はないのに。

● 映画館を出て、ケータイの電源を入れるとiチャンネルにニュースが。この映画を見て気分の悪くなった人がいるらしい。原因は東京のクラブのシーンだとか。チエコが薬でハイになって見るクラブは大音響のリズムの洪水、フラッシュライトのチカチカ。それがチエコ視線では無音になるので、そのギャップが強烈。数年前のピカチューショックのようなものと伝えてました。でも私は別の理由だと思います。それは下半身ネタ。

羊飼いの弟は姉の着替えを見て自慰を始めるし、チエコは笑われた男たちに秘部を丸出しにしたり、お気に入りの医者の手を股間に押し付けたり、刑事を呼び出し、すっ裸で現れたり、スーザンにオシッコさせたり。

日本人初のアカデミー賞助演女優賞ノミネートという名につられてきた映画ファンや、準備万端、初デートを楽しみにしてきたカップルは、予想した映画とのギャップにやられたと思います。

《 監督はそんなに凛子を脱がせたいのか 》とKさんは呆れ気味。生々しい凛子の姿を消そうと手品の種の本を懸命に読んでました。
(^^;

 

薀蓄

● 聴覚障害者団体「デフユニオン」は菊地凛子がアカデミー賞を受賞しないよう抗議活動を行った。
● この映画では、一部で日本の聾者が採り上げられているが、手話で行われる会話以外の音声日本語による会話部分に当初日本語字幕が付いていなかった為、日本の聴覚障害者はこの映画の中で日本の聾者を採り上げた部分に限って楽しむことが出来なかった。本作の日本手話監修を担当した「きいろぐみ」を中心に、これを問題視する意見が大きくなり、日本語字幕を追加するよう要望する動きが広がった。

資料

● 原題 / BABEL
● COPY / 神は、人を、分けた。
● COPY / 届け、心
● 監督 / アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
● 製作 / スティーヴ・ゴリン他
● 脚本 / ギジェルモ・アリアガ
● 撮影 / ロドリゴ・プリエト
● 音楽 / グスターボ・サンタオラ

♂ リチャード(アメリカ人の旅行者)/ ブラッド・ピット
♀ スーザン(リチャードの妻)/ ケイト・ブランシェット
♂ ユシフ / ブブケ・アイト・エル・カイド
♂ アーメッド / サイード・タルカーニ
♀ アメリア(乳母)/ アドリアナ・バラッザ
♂ サンティアゴ(アメリアの甥)/ ガエル・ガルシア・ベルナル
♂ 綿谷ヤスジロウ / 役所広司
♀ 綿谷チエコ(聾唖の女子高生)/ 菊地凛子
♂ 間宮刑事(チエコが誘惑する刑事)/ 二階堂智

● 鑑賞 / TOHOシネマズ六本木ヒルズ

2時間23分
2006年アメリカ、ギャガ・コミュニケーションズ

本編を観るには・・・


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参考

バベル (映画) – Wikipedia

更新履歴

2稿)2015年10月14日、シネマドローム
初出)2007年05月28日、東京つまみ食い