★[感想]ツイスター

 感想記事の抜粋


原題 Twister
惹句 時に、自然は人間の最も恐るべき敵になる-
監督 ヤン・デ・ボン
女優 ヘレン・ハント
俳優 ビル・パクストン
女優 ジェイミー・ガーツ
俳優 ケイリー・エルウィス
飛ぶのが怖いモォ~、ツイスターの感想です。

 

 

作品紹介

竜巻多発地帯でツイスター(竜巻)を追う、ストーム・チェイサーの活躍。
主演はヘレン・ハント。フィリップ・シーモア・ホフマンも出演。
 

 

感想

1997年、日本公開のディザスタームービー。ツイスターとは竜巻のこと。Twitterとも、タカラのパーティゲームとも関係ありません。
(^^;
 
制作総指揮、スティーブン・スピルバーグ。監督、ヤン・デ・ポン(スピードに次ぐ2作品目)。脚本、マイケル・クライトンと豪華。私は確か立川の、まだ珍しかったシネコンで見た記憶が。あれから20年もたったのか・・・。またあの牛に会えて嬉しいです。
\(^〇^)/
 
1969年、アメリカ南部、オクラホマ州。巨大竜巻が発生、農家を襲います。庭に設置された地下室へ逃げ込む父・母・娘。トビー(ペットの犬)がいないと泣く娘。間一髪地下室に入るトビー。犬を抱きしめ喜ぶ少女、ジョー。
 
竜巻はさらに近付き、今まさに地下室上空。地下室の扉を吹き飛ばす勢い。全体重をかけ、それを阻止する父親。でも次の瞬間、扉ともども父親は大空に吸い上げられます。後を追おうとするジョー、必死に止める母親。思わず「あっ」と言ってしまいました。
こんなところに一本釣りの元祖があったとは・・・
つかみはOKです。
 
この少女がやがて大人に。父親の敵と竜巻のメカニズムを解明せんとストームチェイサー(竜巻を追い観測する研究者)として活躍するというのが、物語の縦軸となります。
 
研究班を率いる女リーダー、ジョー・ハーディング博士をヘレン・ハント。彼女と離婚交渉中の夫、ビルはビル・パクストン。ビルの再婚相手、メリッサをジェイミー・ガーツ。ジョーの育ての親、メグ。ライバルの研究者、ジョーナスといったところが主な登場人物です。

でも映画の主役は何と言っても竜巻、ツイスター(ILM作成)。神出鬼没、追い掛け、追い掛けられ。その圧倒的な迫力の前にはひれ伏すしかありません。驚きのシーンを上げていくと・・・。
 
巨大竜巻を追い、車を走らせるジョーとビル。後部座席には成り行きで乗っているメリッサ。その前を飛んで行くものが・・・。看板? いや、生きている牛です!! 今、確かにモォーと鳴いた。驚くジョー、さほど気に留めないビル。あんぐり、言葉がないメリッサ。

成長した牛は250Kg~300Kg。羽根(風受け)もないのに飛ばされるなんて、どれだけの風圧なのでしょう? 笑いながら驚きました。
ξξξξξハリケーン Σ( ゚Д゚) スッ、スゲー!!

この映画を観た人はみな、このシーンを覚えているに違いない。

別の追跡シーン。最大級(F5)のツイスター。まるで黒い壁。その中を何かが踊っています。あれは一体何? いぶかるジョーとビル。その正体はタンクローリー。目の前に落下、爆発炎上。こんな竜巻が日本に発生したら。でもその次にもっと凄いものが落ちてきて・・・。
 
竜巻の映像は迫力満点(特に映画館で観ると)なのですが、そんなシーンばかりでは制作費がかさむ一方。プロデューサの悩みの種だと思います。なので、それらのシーンをつなげるストーリーが必要となります。
この瑛場の場合、その物語に賛否両論。でも「ぴ(否)」の方が多く、それはその年のラジー賞(ジョー・エスターハス記念/興行収入1億ドル以上作品限定最低脚本賞)に選ばれています。私は普通に面白かったですが。

ただ、そう言われると「確かに」と思えることも。気になったのはビルの再婚相手、メリッサの扱い。とてもビルとは合わなさそう。なぜ、惹かれあったのか、不自然に感じました。
竜巻のプロ達の中、素人(しろうと)のメリッサが発する質問。説明が自然にできる、きっかけ役のメリッサ。その役目は十分果たしてました。でも無線越しのジョーとビルの会話を聞き、ビルの思いがまだジョーにあると思うメリッサ。あっさり、さよならを言い、チームを離れます。竜巻の説明は終わったので用無しということか・・・。ジョーたちの追う竜巻が方向を変え、メリッサの去った方に向うとか、そんな展開にしてあげてもよかったかも。

ジョーやビルが竜巻を追うのはそのデータを取るため。そのために開発した装置がドロシーです。ガチャガチャの玉ぐらいの大きさにセンサーを内臓。それが何百とあり、蓋付きのタンクに格納。竜巻が前にきたら、蓋をあけ、ドロシーを吸い上げさせてデータを取るという作戦。収集したデータはすぐにコンピュータに送信されます。
でもなかなかうまくいかないドロシー作戦。行き当たりばったりの失敗続きにストレスが溜まります。牛やトレーラーを吸い上げるツイスターがなぜ?
(^^;
でも最後は成功、大量データがパソコンに送り込まれる様はミニカタルシスです。2017年の今となっては、すべてシュミレーションでデータが取れそうですが。

ジョンの率いる研究チーム(終始遊んでいるように見えますが)の中にいる陽気な大男。どこかで見たことがあると思ったら、
フィリップ・シーモア・ホフマン。後にカポーティで個性的過ぎる主人公を演じることになろうとは、本人も当然知らなかったでしょう。

ネットでツイスターの感想を読み漁っていたら、ツイスターでの彼の演技を褒めているブログがありました。それは竜巻がメグの家に向っていることを聞いた時の表情。なるほど、鋭い。

この映画の日本公開は1997年。阪神淡路大震災の記憶、覚めやらぬころ。大きな地震に驚きましたが、それでもう100年ぐらいは平穏な日々が続くと思っていた私。しかしその後、9.11同時テロに東日本大震災、原発事故。いつミサイルが飛んでくるかわからないし今。温暖化は続き、竜巻発生のニュースもチラホラ出てるし、ツイスターは他所の国の話と安心していられません。
今回は見てて、いつ自分が舞い上げられるか心配になりました。
誰と見るか、どこで見るか。それ以外にいつの時代に見るかによっても、映画の感想は変わるようです。

終わり


 

蘊蓄

映画の中で登場するF2とかF5は、藤田スケールと呼ばれるもの。1971年、シカゴ大学教授(当時)の藤田哲也が、アメリカの国立暴風雨予報センターの局長だったアレン・ピアソンと共に提唱した。主に建築物や樹木等の被害状況に基づいて推定される。
藤田スケールの公式な階級区分は、写真や映像を用いた検証のほか、状況に応じて、竜巻襲来後に地上に形成される渦巻き模様のパターン(サイクロイド状の跡)や気象レーダーのデータ、目撃者の証言、メディア報道や被害画像などを基に決定される。

以下、Youtubeから本物の竜巻映像を

資料

原題 Twister
英題 Twister
惹句 時に、自然は人間の最も恐るべき敵になる-
脚本 マイケル・クライトン、アン・マリー・マーティン
原作

監督 ヤン・デ・ボン
制作 キャスリーン・ケネディ、イアン・ブライス、マイケル・クライトン
指揮 ローリー・マクドナルド、ジェラルド・R・モーレン、ウォルター・F・パークス、グレン・サロウム、スティーヴン・スピルバーグ
音楽 マーク・マンシーナ
主題 ヴァン・ヘイレン – 『Humans Being』
撮影 ジャック・N・グリーン
編集 マイケル・カーン
美術 ジョゼフ・ネメック3世
視覚 インダストリアル・ライト・アンド・マジック

女優 ジョー・ハーディング博士 / ヘレン・ハント
俳優 ビル・ハーディング / ビル・パクストン
女優 メリッサ・リーブス博士 / ジェイミー・ガーツ
俳優 ジョーナス・ミラー博士 / ケイリー・エルウィス
女優 メグ・グリーン / ロイス・スミス
俳優 ダスティ・デイビス / フィリップ・シーモア・ホフマン

会社
配給 ユニバーサル映画/UIP
公開 1996年7月6日
上映 113分
国旗 アメリカ合衆国
言語 英語

費用 $92,000,000
収入 $494,471,524


 

関連 ~ 竜巻映画

 

本編を観るには・・・

 

参考・引用

ツイスター (映画) – Wikipedia
映画偏り放題: 映画『ツイスター』 ・・・元気ハツラツな竜巻ディザスターなんだそうです
映画「ツイスター(1996年)」ネタバレあらすじ結末 | hmhm
ポンコツ映画愛護協会『ツイスター』
「ツイスター」 感想 ネタバレ – 他力と自力と
藤田スケール – Wikipedia

更新履歴

2稿)2020年11月11日、シネマドローム
初出)2017年05月29日、シネマドローム

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