★[感想]リベリオン

 感想記事の抜粋


原題 Equilibrium
惹句『マトリックス』を超えた!
監督 カート・ウィマー
俳優 クリスチャン・ベール
女優 エミリー・ワトソン
俳優 テイ・ディグス
俳優 アンガス・マクファーデン
蘊蓄 リベリオンは(政府、権力者に対する)反乱の意味。
日本の時代劇が大好きなカート・ウィマー監督、考えたのは銃を剣のように使うアクション《 ガン=カタ 》。リベリオンの感想です。

 

 

作品紹介

21世紀初頭に勃発した第3次世界大戦。生き残ったファーザー(指導者)は、戦争の根本原因は人間の感情にあると考えた。ファーザーは国民にプロジウム(精神制御剤)を服用させ、感情を奪い取る。そして感情を持つ人間を拘束、感情の発露を促す絵画や映画・詩集・音楽を禁止した。
その取締りの任についているのがクラリック(聖職者)。特に1級クラレックのプレストンの活躍は目を見張るものがあった。しかし感情を持ち始めた相棒の処刑、反乱者メアリーの逮捕をきっかけに彼自身も感情に目覚めていく。
監督:カート・ウィマー、主演:クリスチャン・ベール
 

 

感想

冒頭の反乱者の取り締まりシーン。反乱者が立てこもる部屋にただ独りプレストンが突入します。明りの消えた中、十数人相手に《 ガン=カタ 》が炸裂。そしてちょっと見得(ミエ)を切るようなポーズ。強い!強すぎる!!

《 ガン=カタ 》。

《 銃(Gun) 》と剣道、柔道など東洋武術の《 型 》。銃撃戦の統計学的な分析から常に自分の敵の死角に置き、そして相手を死に至らしめる。そんなことができるのか? ( 死角っていったって敵の正面に立ってるし )
動きが速い! 速過ぎて判らない!! しかしそこは映画、総合芸術。段々騙されていきます。目と耳でスクリーン上の大勢の人がそのルールで動いているのを見て聞いていると、もう「できるんだ」と暗示にかかっているから不思議です。情報戦の一面、映像の持つ強さなど他の事を考えてしまいました。

もう一つ気になったのは《 感情 》という言葉。感情はなんという英語を訳したものなのだろう? ぜんぜん聞き取れませんでした。感情を禁止と言っている割にはプレストン自身皮肉な笑いを浮かべるし、副総裁に至っては机を叩いて怒ってるし・・・。これは感情ではないのか?
(^^;
 
もうちょっとやっぱり人間は感情が大切という事を表現してほしかった。前半のプレストンにアンドロイドっぽい、無機質さがあった方がよかった。メアリーももっと表情豊かにして、その中でプレストンがメアリーに惹かれていけば、説得力があるような気がします。

逆に巧いと思ったのはプレストンの息子の存在。感情を持ち始め、プロジウムも飲まなくなる父親に、ひょっとしたら気がついているのではと思わせる息子の存在。そこが怖かったし、巧かった。それから自分を告発した新しい相棒を逆手に取ったところにも驚きました。

突っ込む所が多いというのは、それだけこの映画が独自のメッセージを持っているということ。知名度が少ないのがちょっと残念。もう宣伝すれば、人気出るのにと思いました。

ワンシーン

導入部。過去の人類の愚かさを表すのに「フセイン大統領」のアップが出てきます。時期が時期だけに驚きました。監督の意図とは別に抜群な効果でした。一体アメリカはどうしてしまったのだろう? 9.11から疑心暗鬼になっているとしか思えない。今一番誰がプロジウムを飲まなければならないか? それは誰の目にも明らかでしょう・・・。

  

薀蓄

リベリオンは(政府、権力者に対する)反乱の意味。revolutionと違い不成功に終わった謀反(むほん)を指すことが多い。でも原題はEQUILIBRIUM。平衡、均衡の意味

資料

原題 Equilibrium
英題 Equilibrium
惹句『マトリックス』を超えた!
脚本 カート・ウィマー
原作

監督 カート・ウィマー
製作 ヤン・デ・ボン、ルーカス・フォスター
指揮 アンドリュー・ローナ、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
音楽 クラウス・バデルト
主題
撮影 ディオン・ビーブ
編集 トム・ロルフ、ウィリアム・イェー
美術 ウォルフ・クレーガー

俳優 ジョン・プレストン(クラリック)/ クリスチャン・ベール
女優 メアリー・オブライエン / エミリー・ワトソン
俳優 アンドリュー・ブラント(クラリック)/ テイ・ディグス
俳優 副総裁デュポン / アンガス・マクファーデン

配給 アミューズピクチャーズ
公開 2003年03月29日
上映 106分
国旗 アメリカ合衆国
言語 英語

費用 2000万ドル
収入


 

本編を観るには・・・

参考・引用

リベリオン – Wikipedia
ガン=カタ最強!『リベリオン』ネタバレ感想/評価 – 1年で365本ひたすら映画を観まくる日記
映画『リベリオン』について知っておきたい10のこと | ciatr[シアター]
超映画批評「リベリオン」70点(100点満点中)

 

更新履歴

4稿)2022年02月15日、シネマドローム
3稿)2017年12月28日、シネマドローム
2稿)2015年06月06日、シネマドローム
初出)2010年02月16日、シネマパレード~隼
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