★[感想]21グラム

 感想記事の抜粋


原題 21 GRAMS
惹句 誰もがいつか失う重さ。
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
俳優 ショーン・ペン
女優 シャルロット・ゲンズブール
女優 ナオミ・ワッツ
俳優 ダニー・ヒューストン
蘊蓄 ダンカン・マクドゥーガルはアメリカの医師。人間が死ぬ際の体重の変化を記録することで魂の重量を計測しようと試みた実験で知られる。
魂の重さはたったの21g、21グラムの感想です。

 

作品紹介

2004年公開、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。
1つの心臓(命)を巡る、3つの家族の交錯。
出演は、ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ。
 

 

感想

電脳タイル 」に「 公開年別の映画一覧 」を作成中。これは各年の代表的な映画(30~50本程度)をリストアップ。観たか観てないかの印を付けたもの。簡単な情報とYoutube予告へのリンクも載せてます。最近面白い映画がないので、昔の映画の取りこぼしを拾う作戦。数が多いので、いつ完成するかわかりませんが・・・。
(^^;

その作業の中で見つけたのがこの映画。2004年公開、出演はショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲインズブール。なんという豪華なメンバー。監督はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。バベルの監督です。

人が死ぬ瞬間体重が21g減るという、アメリカの医師ダンカン・マクドゥーガルの実験がタイトルの由来。ショーン・ペンが学者役ということで、そっち系の映画と早合点、観たら大きく違いました。
(ーー;

一つの心臓(命)を巡って繰り広げられる3つの家族模様。余命一ヶ月、移植の心臓を待つポール。夫、ふたりの娘と幸せに暮らすクリスティーナ。前科のためリストラされたジャック。ジャックの起こした事故が、それぞれの家族の歯車を狂わせていうというストーリー。でもそれが面倒くさい。

3つの家族、その変化を同時進行で追うというのはよくある演出。でもこの映画では時系列がバラバラ。なにが起きているのか、途中までわかりません。特に・・・
・なぜ、ポールはクリスティーナを追っているのか?
・ジャックは本当に事故を起こしたのか?
・ポールが撃たれたのは心臓手術後? それとも前?

その辺が気になるので、心地よくないシーンでも、引きずられるようにみてしまいます。もしこれが単純に

「リストラされたジャックが交通事故を起こして逃げ、それで脳死したクリスティーナの夫の心臓をポールに移植、ポールはクリスティーナと懇(ねんご)ろになり、クリスティーナに言われて、ジャックを殺そうとするが・・・」

と時系列に来られると、自動車教習所の事故ビデオを見てるみたいに暗くなってしまうところですが。
(==;

ペン、ワッツ、ベニトロ、ゲインズブール。4人の演技にも引き込まれます。ショーン・ペンの諦観した仕草、ナオミ・ワッツの自暴自棄になっていくところ、ベニチオ・デル・トロの不器用な生き方やゲインズブールのよくわからないところ。
(^^;

この映画でショーン・ペンはヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞。ワッツはアカデミー主演女優賞、デル・トロはアカデミー助演男優賞にノミネートされています。私的にはデル・トロの演技に惹かれました。

事故後、逃げたジャックは自首を決意。刑務所に入りますが、妻が大枚を叩いて弁護士を雇い、証拠不十分で釈放されます。戻った家族の団欒。でも娘が突然、「 ねぇ、パパが二人の女の子を殺したって本当? 」と聞きます。「本当だ」とうなずくジャック。「いいえ」と取り消す妻。息子も「本当だ」といい、妻は「あれは事故だったの、わかった?」と叱ります。

その後、教会でひとり懺悔するジャック。「うちの子供たちをみていると、あの子たちのことを思い出します」そう言って、むせび泣くジャック。クリスティーナの横に立ってるだけのジャックも巧かった。

自分の人生が面倒くさくなっているので、せめて映画の中でまで煩わされたくないけど、ジャックよりはまだましかと思うと少しは気がまぎれました。明日からも、安全運転を心掛けようっと・・・と、思うくらい、デル・トロの演技にしてやられました。
(^^;

蘊蓄

ダンカン・マクドゥーガル(Duncan MacDougall、1866年-1920年)はアメリカ合衆国マサチューセッツ州の医師。人間が死ぬ際の体重の変化を記録することで魂の重量を計測しようと試みた実験で知られる。
彼は6人の患者と15匹の犬を使い、死ぬ時の体重の変化を記録しようと試みた。その結果、人間は死の際に、数グラムから四十グラムの呼気に含まれる水分や汗の蒸発とは異なる何らかの重量を失うが、犬ではそういった重量の損失が起こらなかった、と報告した。この実験結果は、1907年に心霊現象研究協会 (The Society for Psychical Research)の Journal of the American Society for Psychical Research、ニューヨーク・タイムズや医学雑誌 American Medicine に掲載された。
この実験結果は測定のずさんさや標本数の少なさなどから科学的な信憑性は認められていない。マクドゥーガル医師は患者のうち2名では計測に失敗したと自ら認めている。また、死の瞬間をどう設定するか、などの測定の基準もはっきりとしていない。
これを契機として「人間の魂の重さは21グラムである」という説が広まった。この21グラムという値は6人の患者での平均結果と言うわけではなく、一人目の患者での結果である4分の3オンス(およそ21.262グラム)に由来する。2003年に制作された映画『21グラム』のタイトルは、「人間の魂の重さは21グラムである」というこの説を元にしている。

資料

原題 21 GRAMS
英題 21 GRAMS
惹句 誰もがいつか失う重さ。
脚本 ギレルモ・アリアガ
原作

監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
製作 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ロバート・サレルノ
指揮 テッド・ホープ
音楽 グスターボ・サンタオラヤ
主題
撮影 ロドリゴ・プリエト、フォルトゥナート・プロコッピオ
編集 スティーヴン・ミリオン
美術 ブリジット・ブロシュ

俳優 ポール・リヴァース / ショーン・ペン
女優 メアリー・リヴァース / シャルロット・ゲンズブール
女優 クリスティーナ・ペック / ナオミ・ワッツ
俳優 マイケル・ペック / ダニー・ヒューストン
俳優 ジャック・ジョーダン / ベニチオ・デル・トロ
俳優 マリアンヌ・ジョーダン / メリッサ・レオ

会社 ディス・イズ・ザット
配給 フォーカス・フィーチャーズ
公開 2004年06月05日
上映 124分
国旗 アメリカ合衆国
言語 英語

費用 $20,000,000
収入

 


 

本編を観るには・・・

参考・引用

21グラム – Wikipedia
21グラム – 作品 – Yahoo!映画
21グラム ( 21g ) 続き | :映画のあらすじと詳しい解説、批評
映画「21グラム」ネタバレあらすじ結末 | hmhm

 

更新履歴

2稿)2022年03月29日、シネマドローム
初出)2017年10月17日、シネマドローム
Translate »