● 三部作の最終章、王の帰還の感想です。

 

作品紹介

● ロード・オブ・リングの最終章。すべては指輪を捨てるフロドのために─小さき者に世界を救うことはできるのか?
● 2004年度アカデミー賞、11部門ノミネート。


Lord of the Rings-Trilogy
( AllPosters.co.jp )

物語

● ついに辿(たど)り着いた滅びの山。突き出すように延びた岸壁の先、フロドが指輪を掲げ立っている。眼下に熱い飛沫(しぶき)を上げ、ゆっくりと流れる溶岩。手を離せば全てが終わる。
しかしフロドは指輪を見つめ動かない。隙(すき)を伺(うかが)うゴラム、心配そうに声をかけるサム。そしてフロドが呟(つぶや)いた。

「 … この指輪は私のものだ … 」

感想

<ネタばれ注意>

◆ 展開が時間を感じさせない

● 3時間23分という超大作。飽きさせずに見せるストーリー展開が実に巧い。二つの塔では長く感じた戦闘シーンも、形勢逆転また逆転で、まったく目が離せませんでした。

● それにストーリーを平行して進行させるテクニックが巧妙。滅びの山を目指し敵国モルドールへと入り込んだフロド、ゴンドール国を守るためミナス・ティリス城に入ったガンダルフ、救援に向かうアラゴルン、レゴラム、ギムリとローハン軍。
そして各々の話の中、フロドはゴラムの策略で、サムと決別、ガンダルフは正気でない執政デネソールにり回され、エオウィンは剣を取り、アラゴルンは援軍を離れ、生還者のいない《 死者の道 》へと向かう。

● 盛上りの最高潮に達した時、カメラは別の話へ、その話も急展開で、また別の話へ。ストーリーが波状攻撃で進みます。複雑な展開を分かりやすく、それでいて飽きさせないのは計算され尽くしている脚本だからでしょう。ペレンノール野の戦いが決着し一段落。今度は話をフロド一点に集中させるところも巧い。

◆ 重さまでも表現するCG

● でもこの映画の醍醐味は戦闘シーン。白き都、ミナス・ティリスの攻防です。初めの投石機(古代兵器)での岩石の投げ合いから迫力ありました。岩が塔を粉砕、塔が人と共に崩れ落ちます。岩と共に飛んでいくようなカメラワーク。岩石の絶対的な重さを、CGと効果音が体感させてくれます。

● 陥落寸前で現れるローハン軍。その突入シーンにも圧倒されました。ノロノロと動き始め、歩み、輪が広がり、走りだし、加速、一団となって敵を蹴散らします。まるで濁流。
 
● 象のような怪物が登場、再び形勢逆転。ローハン軍を鼻で打ち払いながら進みます。その迫力はすごいものを見たという感じ。レゴラムの強すぎさ(身の軽さ)には、ちょっと笑ってしまいましたが。
(^^)

◆ 雑記
● ガンダルフとピピンの策略で救援の狼煙(のろし)が上げるシーン。雪山の頂に松明が次々に灯っていく場面が印象的です。

● ヒューゴ・ウィービング(エルフ王エルロンド)が出てくると、どうしてもエージェント・スミス(マトリックス)を思い出します。アンダーソン君と言ってほしかった。

● 終盤、指輪を奪い合うフロドとゴレム。まるで子供の喧嘩のよう。迫力の戦闘シーンとは対照的で欲に駆られた醜さがでてました。そして見たくなかったゴラムの小躍(おど)り。
(^^;

● 大団円後、エンドロールかと思うフェードアウトが数回続きます。サムが幸せになったのは嬉しいけど、それより原作にあるというホビット庄でのサウロンとの対決を見たかった。
 
● 最後に気になったことをひとつ。ファンタジーにしては、ちょっと好戦的な映画です。ドラゴン(中国)や象(乗ってる人の服は中東風)を退治するのがイーグル(米国)ってってのは・・・、9.11の残像か。


薀蓄

● 原作者トールキンは言語学者。数多くの人工言語と架空文字のキアスとテングワールを創作した。有名なのは二つのエルフ語、クウェニャとシンダリン。エルフ語を話す人を登場させたくて、彼は《 指輪物語 》を書いた。
● 原作ではラスト、ホビット庄へ帰ってからサルマンと決戦がある。
● 総製作費340億円、撮影期間15ヶ月をかけて、3部作を一挙に撮影するというのは映画史上初めての試み。
● アンディ・サーキスは飼い猫が毛玉を吐き出そうとしているのを真似て、ゴラムの声を作り上げた
 

資料

● 原作 / J・R・R・トールキン
● 監督 / ピーター・ジャクソン
● VFX / リチャード・テイラー
● 音楽 / ハワード・ショア

♂ フロド(ホビット)/ イライジャ・ウッド
♂ サム(ホビット)/ ショーン・アスティン
♂ アラゴルン(人間)/ ヴィゴ・モーテンセン
♂ レゴラム(エルフの王子)/ オーランド・ブルーム
♂ ギムリ(ドワーフ)/ ジョン・リス・デイヴィス
♂ ガンダルフ(魔法使い)/ イアン・マッケラン
♂ ゴラム(元ホビット)/ アンディ・サーキス
♂ セオデン王(ローハン国王)/ バーナード・ヒル
♂ エルロンド(エルフ王)/ ヒューゴ・ウィービング
♀ アルウェン(エルフ姫)/ リヴ・タイラー
♀ エオウィン(ローハン王の姪)/ ミランダ・オットー

3h23 ニューライン・シネマ作品 

【 Youtube 】ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(予告編) – YouTube

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更新履歴

初出)2004年03月01日、東京つまみ食い