★[感想]パシフィック・リム

 感想記事の抜粋


原題 Pacific Rim
惹句 人類最後の望みは、この巨兵。
監督 ギレルモ・デル・トロ
俳優 ローリー・ベケット / チャーリー・ハナム
女優 森マコ / 菊地凛子(幼少期:芦田愛菜)
俳優 スタッカー・ペントコスト / イドリス・エルバ
俳優 ニュートン・ガイズラー / チャーリー・デイ
日本人が認めたハリウッド版Kaiju映画、パシフィック・リムの感想です。

 

 

作品紹介

2013年公開、怪獣が好きなギレルモ・デル・トロ監督によるKaiju映画。
森マコ役として、菊地凛子、芦田愛菜が出演。
 
 

感想

なぜか何度も見てしまうこの映画。音楽がいいのが、その理由の1つだと思う。

ハリウッドが作った怪獣映画。登場するモンスターは怪獣と呼ばれ、そのままKaijuと発音されます。

VFXはますます進化している模様。家でDVDで見ててもそれとわかります。スケールが違う、ディテールが違う。これを見た後に日本の特撮を見ると、まだそんなことをやっているのかと少し悲しい気持ちになります。確かに日本の着ぐるみも味があるけど・・・、というわけでここではこの映画に出てくる怪獣をKaijuと表記します。

物語はローリー(主人公)の語りから。(吹き替えは杉田智和(キョンの声の人)さんです)

2013年8月。グアム沖深海からと突如現れたKaiju「アックスヘッド」。サンフランシスコを急襲、数万人の命を奪い、3つの都市を壊滅させます。陸空軍の総攻撃により仕留められますが、その後も次々に現れるKaijuたち。マニラ、メキシコ、・・。太平洋の各都市を襲うKaiju。この危機に人類は団結。環太平洋防衛軍(PPDC)を結成、イェーガーと名付けられた巨人兵器を建造、Kaijuたちを迎え撃ちます。

操縦に特殊なスキルを要求するイェーガー。ローリーとその兄ヤンシーは適性が合い百戦錬磨。次々とKaijuを撃退します。2人はロックスター並みの人気を誇るようになるが、やがて運命の日が。Kaiju「ナイフヘッド」との戦いに敗れ、ヤンシーは殺され、ローリーは瀕死の状態で陸地にたどり着きます。ここでタイトルにテーマ音楽。ぐぐぐぐぐぐっとスクリーンとドリフト。面白そう~って、まだ開始16分です。

物語に深みを加えているのがイェーガーの設定。2人(あるいは3人)1組でないと操縦できません。・・・バロムワンかっ!?www
一人では身体に負担がかかりすぎるという説明。プラス、操縦者たちは精神と記憶を共有する(ニュートラルハンドシェイク)というトンデモ条件が。記憶を共有したとたん、大喧嘩ってことにならないんだろうか・・・。
(ー’`ー;)ムー

特撮やアニメでは売り物の出撃シーン。毎週の放映にも耐えられるクオリティ、造り込まれた演出。でもこの映画ではプロローグの一回切りです。パイロットの周りでバラバラの鎧のようなものをネジ止めする作業員。最後に脊髄のようなパーツを背中に取り付るとスイッチオン。データリンクジェルはヘルメットからドリフトスーツへ。操縦ステージまで歩いていくとパイロット。右足、左足、右足、左足。イェーガーとつながっていきます。ここは頭部。数十メートル落下し、本体とドッキング・・・。
なんという現実感。形式美にこだわった日本のそれとは大きく異なります。スーツやイェーガーの塗装の剥げや、油汚れ。合体するときの軋み。日本人とアメリカ人の見ているものの違いを感じます。

進むときはパイロットが自分の右足を前へ、するとイェーガーの右足が前へ。次は左足を前へ出すと、イェーガーの左足が前へ。・・・これは重労働だ。
(^^;
それにしても広い操作ステージ。パイロットはそこに仁王立ちなので、結構不安定。Kaijuに反撃されると、マグネチュード8並の振動、パイロットはブランブラン。命がけの仕事だ。
(=。=)

マコvsローリー。イェーガー計画に続き、命の壁計画も失敗に終わったPPDC。再びローリーにお呼びがかかります。次の計画はKaijuが現れる深海の割れ目を破壊するというもの。ローリーの相棒を選ぶため、棒術の試合(のようなもの)が始まります。並みの男では相手にならないローリーは対戦相手にマコを指名。実力は五分と五分。菊地凛子(声:林原めぐみ)、意外とかっこいい!
「気を抜くな」「集中して」。ポイントを取る度に相手にアドバイス。なんて負けん気たっぷりな二人。www
自分と組むのはマコしかいない。司令官に訴えるローリーですが、なぜか首を縦に振らない司令官。その理由とは?

訓練で初めてイェーガーに乗るマコ。ローリーとのニュートラルハンドシェイクで、それは起こります。「うさぎ追い」無意識に相手や自分の記憶を無意識に追体験するという現象。幼い日、日本を襲ったKaiju「オニババ」。両親を殺され、マコ自身もKaijuに追われる姿。その恐怖に飲まれ、現実のマコはプラズマキャノン充填開始。えっ、基地内で発射!?
「まずいぞ・・・。緊急停止しろ!」「停止できません!」大慌ての基地内。「全員避難しろ!!」
掃除機のホースみたいのを抜いてやっと停止。ふぅ、危ない。司令官の心配はこれだったのか?

PPDCの科学士官、ニュートンとハーマン。仲が良いのか悪いのか、まるでC3POとR2D2。古くは太平と又七(隠し砦の三悪人)か。二人の罵り合いが重くなりがちのこの作品の肩の力を抜いてくれます。そしてそれなりに重要な役どころ。この二人がいなければ作戦は失敗に終わっていたのですから。

まだ生きているKaijuの脳。それを見たニュートン(声:古谷徹)はKaijuとドリフトしたいと言い出します。
(これはドリフトなのか?ニュートラルハンドシャイクではないのか?)
そして本当にやってしまうところが凄い!!Kaijuの記憶から彼らの目的を知るのが狙い。
「(Kaijuたちは)命令されて人間を襲っています」「Kaijuの飼い主たちは植民地を探している。ひとつの世界を支配し、その世界の資源が尽きると次へ・・・」「これまでのKaijuは猟犬。本当の目的は人間を駆除すること」
放心状態。充血した涙目で司令官に説明するニュートン(@@。
「もっと情報がほしい」再度Kaijuとのドリフトを指示する司令官。でももうKaijuの脳がありません。・・・ある?
司令官はハンニバル・チャウという男の話を始めます。

黄金のキャタピラ、なんて個性的な靴。チャウと会うことができたニュートンはKaijuの解体現場に歓喜。ハンニバル・チャウ(声:ケンドーコバヤシ)。闇の業者。Kaijuを解体し加工、万能薬として売りさばく。非常時には海千山千、こういうどてらい男が頼りになります。

Kaiju v.s. イェーガー。大迫力の肉弾戦。CGなのに重量感ずっしり。破壊力がスクリーンを突き抜けます。妙に遅いロケットパンチ(元祖ロボットアニメ、マジンガーZの必殺技)がリアル。そしてKaijuもリアル。猛獣か爬虫類をモデリング合成しているのか、動きが見た目通り。もうちょっと生命進化からの逸脱感があるといいのですが。この辺は文化の違いかなぁ。(欧米人は理屈に合わない夢は見ないのか)

ここまで書いたように吹き替え声優陣が豪華。内容も勧善懲悪、難しい理屈もありません。子供の頃に戻って、夢中になって観るだけ。なので吹き替え版がお勧めです。残念だったのは映画館で観れなかったこと。パート2公開の時、いっしょにパート1も上映してくれないかな。パート2は2017年に公開予定だそうです。

薀蓄

続編は2017年4月7日に全米公開予定。(結局、2018年4月になりそう)
作品の最後には『この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ』と献辞が表示される。
森マコは、原語版では数回日本語で会話するシーンがあるが、日本人からすると微妙にたどたどしく聞こえる。これはスタッカーの下で育った影響で日本人的な発音を忘れてしまったから、という設定だから。
トム・クルーズが重要な役割(司令官?)に検討されたが、結局、イドリス・エルバに代わった。
イェーガー。名前の由来はドイツ語で狩人を示すJäger からきている。
漫画家の永井豪は「怪獣対巨大ロボットの激しいアクションに圧倒された」と評した。
ゲームデザイナーの小島秀夫は本作を「究極のオタク映画」と呼び、「まさか、生きている間にこんな映画を、観賞できるとは思わなかった」と述べた。
ゲームデザイナーの上田文人は「子どもの頃に観て、脳裏に焼き付いて離れない日本の特撮映画たち。それから幾年月、記憶の中で過剰に熟成されたイメージすら上回る戦闘シーンがそこにありました」と述べた。

登場するイェーガー

ジプシー・デンジャー
 第3世代、国籍:アメリカ、国籍:2017年、全長:79m、重量:1,980t、討伐数:5→8体、色:青
 パイロット:ローリー・ベケット、ヤンシー・ベケット(改修前)、森マコ(改修後)
ストライカー・エウレカ
 第5世代、国籍:オーストラリア、国籍:2019年、全長:76m、重量:1,850t、討伐数:11→12体、色:白みがかった灰色
 パイロット:ハーク・ハンセン、スコット・ハンセン(前期)、チャック・ハンセン(後期)、スタッカー・ペントコスト(ハークと交代)
クリムゾン・タイフーン
 第4世代、国籍:中国、国籍:2018年、全長:76m、重量:1,722t 、討伐数:7体、色:赤
 パイロット:タン3兄弟(チャン、ジン、フー)
チェルノ・アルファ
 第1世代、国籍:ロシア、国籍:2015年、全長:85m、重量:2,412t、討伐数:6体、色:緑がかった灰色
 パイロット:サーシャ・カイダノフスキー、アレクシス・カイダノフスキー
コヨーテ・タンゴ
 第1世代、国籍:日本、国籍:2015年、全長:85m、重量:2,312t 、討伐数:2体、色:灰色
 パイロット:サーシャ・カイダノフスキー、アレクシス・カイダノフスキー
 

 

登場するKaiju

アックスヘッド
 出現時期:2013年、攻撃目標:アメリカ、サンフランシスコ
カーロフ
 出現時期:2015年、攻撃目標:カナダ、バンクーバー
レッコナー
 出現時期:2016年、攻撃目標:中国、香港
オニババ
 カテゴリー2、出現時期:2016年、体長:57m、体重:2,040t、毒性:中、攻撃目標:日本、東京
ヤマアラシ
 カテゴリー3、出現時期:2017年、体重:2,500t、攻撃目標:アメリカ、カルフォルニア州ロングビーチ
ナイフヘッド
 カテゴリー3、出現時期:2020年、体長:96m、体重:2,700t、毒性:中、攻撃目標:アメリカ、アラスカ州アンカレッジ
ムタヴォア(ブレードヘッド)
 カテゴリー4、出現時期:2024年、攻撃目標:オーストラリア、シドニー
レザーバック
 カテゴリー4、出現時期:2025年、体長:81m、体重:2,900t、毒性:低、攻撃目標:中国、香港
オオタチ
 カテゴリー4、出現時期:2025年、体長:63m、体重:2,690t、毒性:極めて高い、攻撃目標:中国、香港
スカナー
 カテゴリー4、出現時期:2025年、体長:134m 、体重:3,230t、毒性:低、攻撃目標:PPDC最終作戦の妨害
ライジュウ
 カテゴリー4、出現時期:2025年、体長:109m 、体重:3,475t、毒性:高、攻撃目標:PPDC最終作戦の妨害
スラターン
 カテゴリー5、出現時期:2025年、体長:181m 、体重:6,750t、毒性:高、攻撃目標:時空の裂け目の防衛
 
 

 

資料

原題:Pacific Rim
コピー:人類最後の望みは、この巨兵。
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラヴィス・ビーチャム他
原作:トラヴィス・ビーチャム
制作:ジョン・ジャッシニ他
製作総指揮:カラム・グリーン
音楽:ラミン・ジャヴァディ
主題歌:-
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
編集:ピーター・アムンドソン

ローリー・ベケット / チャーリー・ハナム(幼少期:ポール・ワイアーズ)
森マコ / 菊地凛子(幼少期:芦田愛菜)
スタッカー・ペントコスト / イドリス・エルバ
ニュートン・ガイズラー / チャーリー・デイ
ハーマン・ゴットリーブ / バーン・ゴーマン
テンドー・チョイ / クリフトン・コリンズ・Jr
ハーク・ハンセン / マックス・マルティーニ
チャック・ハンセン / ロバート・カジンスキー
ハンニバル・チャウ / ロン・パールマン
ヤンシー・ベケット / ディエゴ・クラテンホフ(幼少期:タイラー・スティーヴンソン)

配給:ワーナー・ブラザース
公開:2013年8月9日
上映時間:132分
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語

制作費:$190,000,000


 

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参考

パシフィック・リム (映画) – Wikipedia
話題沸騰「パシフィック・リム」7つの人気のヒミツ – エキレビ!(1/5)
『パシフィック・リム』 元ネタガイド – NAVER まとめ
『パシフィック・リム』のポスターまとめ – NAVER まとめ
最近公開された『パシフィック・リム』を映画評論家の町山智浩さんが激推ししていたのでまとめてみた。 – NAVER まとめ
 

更新履歴

5稿)2018年01月31日
4稿)2015年07月23日、感想追加
3稿)2015年07月18日、感想追加
2稿)2015年07月06日、感想追加
初出)2015年06月25日、シネマドローム
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