★[感想]ミュンヘン

● 今見ると、また別の見方ができます。ミュンヘンの感想です。

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作品紹介

● 1972年、ミュンヘンオリンピックで発生したパレスチナゲリラによるイスラエル選手団襲撃事件。モサドは精鋭メンバーによる暗殺チーム編成、報復を企てる。
● スピルバーグ監督が《 宇宙戦争 》の後に撮ったのは歴史に残るテロ事件。映画の内容にロサンゼルスのイスラエル総領事から「表面的だ」との批判も。


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感想

● パレスチナ問題には答えがない。映画も重いテーマを暗く描くと思いきや、サスペンス仕上げ。素直に報復の繰り返しでは何も解決しないと訴えてるかのよう。私は気が付きませんでしたが、ラストシーンの背景には世界貿易センターが映ってるとか。そうか、昔はツインビルじゃなかったのか。

● エレベータ前での第一の暗殺。女の子を巻き込みそうになり、慌てて中断する第二の暗殺。爆弾の威力が大きく、自らも危なかった第三の暗殺。起爆せず、爆弾を抱えターゲットの部屋に乗り込む第四の暗殺。どの暗殺もサスペンスフルで、そんなことを気にさせないが、効果的な順番になっている。
それにしてもターゲットが爆弾の接近してるのを確認し爆破させる手口、本当に怖い。

● 2時間44分を長く感じないのが凄い。でも映画を観ている人がすべてそう思ってる訳ではなさそう。カールの身を心配し、部屋に入るアヴナー。ベットに横たわる彼を見て安心します。心地よい寝息(イビキ?)をたてて眠るカール。しかし、近寄ると後頭部から多量の出血が。え~っ、イビキかいてたじゃん!と思ったら、それは後ろの方の席で寝てる人のそれでした。
(;^_^A

薀蓄

● ミュンヘンオリンピックでの選手団殺害。暗殺作戦の細部へこだわった再現シーンは、弾丸の数まで事実通り

● パパの計らいか、ルイの罠か。そうとは知らず、パレスチナゲリラと一夜を過ごすことになる暗殺団。ラジオのチャンネル争いの末、お互いに納得したのはアル・グリーンの「レッツ・ステイ・トゥゲザー」という曲。

● スティーヴ役のダニエル・クレイグは次期ジェームズ・ボンドに決定。

● この映画公開にあたり、テロ犠牲者の遺族は「悲劇を伝える良作」と歓迎する一方、当時のイスラエル諜報特務庁(モサッド)関係者からは「事実と違う」などの批判が続出した。当時のモサッド長官ツビ・ザミルは地元紙ハアレツのインタビューで「ゲリラ暗殺は報復ではなく、次のテロ発生を防ぐ目的だった」と発言した。

● ラストシーンに2001年の米同時テロで崩壊した世界貿易センタービルがCGで再現され挿入されていることも議論を呼び、「同時テロとイスラエルを混同するな」と批判され、モサッドの元要員らからの投書も相次ぐなど物議を醸した。

● 1972年9月のミュンヘンオリンピック事件直後に、イスラエル空軍はレバノン領内のパレスチナ難民キャンプや国道を爆撃し、一般市民も含め、多数の死者を出しており、パレスチナ側からすれば、一方的に作られた映画ともいえる。しかし標的とされているパレスチナ人物は、紳士的な普通のアラブ系外国人として描かれ、逆にイスラエルの姿勢を劇中で批判する等、必ずしもイスラエル寄りの目線では描かれていない。

● ミュンヘンオリンピック事件で犠牲となったモシェ・ワインバーグ(テロリストに抵抗し銃で頬を撃ち抜かれ鮮血を吹き出すレスリングのコーチ)を実の息子であるグリ・ワインバーグが演じている。

● ベイルートに黒い九月、PLOの幹部らが宿泊するアパートを襲撃するシーンで、イスラエル軍の中に“バラク”と名乗る女装した男がいるが、彼は後のイスラエル首相となるエフード・バラックである。彼も実際、ベイルートの襲撃作戦の指揮を任され、女装して幹部達のアパートに突入した。

資料

● Copy / わたしは正しいのか?
● 原作 / 「標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録」、ジョージ・ジョナス、新潮文庫
● 原題 / MUNICH
● 監督 / スティーヴン・スピルバーグ
● 製作 / スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディほか
● 脚本 / トニー・クシュナー、エリック・ロス
● 撮影 / ヤヌス・カミンスキー
● 音楽 / ジョン・ウィリアムズ

♂ アヴナー(首相護衛官、暗殺チームのリーダー)/ エリック・バナ
♂ スティーヴ(車輌のスペシャリスト)/ ダニエル・クレイグ
♂ カール(後処理のスペシャリスト)/ キアラン・ハインズ
♂ ロバート(爆弾のスペシャリスト)/ マチュー・カソヴィッツ
♂ ハンス(文書のスペシャリスト)/ ハンス・ジシュラー
♂ エフライム(モサドの執行官)/ ジェフリー・ラッシュ
♂ パパ(ル・グループのボス)/ ミシェル・ロンズデール
♂ ルイ(ル・グループ)/ マチュー・アマルリック

● 2時間44分
● 2005年 アメリカ、アスミック・エース
● 鑑賞 / ワーナー・マイカル・シネマズ板橋

【 Youtube 】映画 「ミュンヘン」 (05 米/日本公開0602) 予告編 <2m40s>

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参考

ミュンヘン (映画) – Wikipedia

更新履歴

2稿)2016年01月11日、シネマパレード~隼
初出)2006年01月20日、東京つまみ食い

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