● 知ってるようで知らない、H.G.ウェルズのタイムマシンを曾孫が映画化してました。タイムマシンの感想です。
作品紹介
● H.G.ウェルズの古典SFを実の曾孫、サイモン・ウェルズが映画化。
あらすじ
● あの時もしも‥。最愛の人エマを強盗に殺されたハーデゲン。彼は研究に没頭し4年後、タイムマシンを作り上げる。そして「あの日」に戻ったハーデゲンは、エマを事件の起こる公園から連れ出す。しかし馬車の事故により再びエマを失うことに‥。過去を変えることはできないのか?悩むハーデゲンは解決方法を求め未来に向かう。
感想
<ネタバレ注意>
● 愛する人を失った男。「あの時」をやり直すために作られたのが、タイムマシンだったという件(くだり)が新鮮に感じられました。そして結局エマを助けられないジレンマに。一回だけで諦めるのはちょっと早計かな。
● 羽が回っているだけのタイムマシンはちょっと寂しい。原作に忠実のゆえでしょうか?。デロリアンの方がタイムトラベルできそう。
● 未来へのタイムトラベル、数百年をたった数十秒で駆け抜けるCGは見事。タイムトラベルを変な幾何学模様のトンネルを抜けるという描写で済まさなかったところがよかった。家が壊されビルが建ち、川に橋が架かって、飛行機やスペースシャトルが飛び始めていく世界。それを何千倍速のスピードで見せてました。これはSFXの醍醐味。
● タイムマシンなのだからあっと驚くような未来を見せて欲しかった。崩壊した文明の後、太古の時代があるといのもう使い古されたネタ。そこに辿り着く前の未来をもう少し見せてほしかった。あっと言わせて欲しかった。博物館のホログラムだけでは物足りなかったです。
● ハーデゲンの生きた時代と何十億年かの未来。ラスト近く、スクリーンに二つの時代が並べて映されます。でもその境目はぼんやり。境目と共に徐々に話が過去の方に移っていくところに、ちょっとハッとしました。
ワンシーン
<ネタバレ注意>
● 夜の公園。貧しいハーデゲンがプレゼントしたのはムーンストーン。少し戸惑うエマでしたが、やがて満面の笑みに変わります。しかしその時木陰から声をかけてくる男が‥。
● 身なりもそう悪くない男。だが最後には金を出せと要求してきます。腰には二人を狙うピストル。それに気づいたハーデゲンは観念し、財布と懐中時計を渡します。男はその指輪も出せとエマに迫り、これだけはイヤだと拒むエマと揉み合いに。途端の銃声。男の捨て台詞。エマは胸を撃たれ死んでしまいます。
● このシーンがうまかった。突然現れた男、あれよあれよという間の発砲。現実の悲劇もこんな感じで起こるに違いないと思わせるほどリアルでした。客席からも思わず声が。
過去に戻ったハーデゲンが再びエマを失うシーンも同様。街にエマを連れ出し、エマの死を回避できたと思うハーデゲンでしたが、プレゼントの花を買っている間にエマは暴走馬車の餌食に。カットは花屋の主人とハーデゲンの会話のシーンで、二人の向こうの窓の中に小さく事故が写ります。
● SFXを感じさせないSFX。その分映画の中の出来事がリアルに感じられました。
資料
● 指揮 / ローリー・マクドナルド
● 監督 / サイモン・ウェルズ
● 脚本 / ジョン・ローガン
● 撮影 / ドナルド・M・マカルピン
♂ アレクサンダー・ハーデゲン / ガイ・ピアーズ
♀ エマ / シエナ・ギロリー
♂ ボックス(ホログラム)/ オーランド・ジョーンズ
♂ ウーバー・モーロック / ジェレミー・アイアンズ
♀ マーラ / サマンサ・マンバ
2002米
1h36
【 Youtube 】"The Time Machine (2002)" Theatrical Trailer
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更新履歴
初出)2002年08月19日、東京つまみ食い