★[感想]ルームメイト【ネタバレ】

 感想記事の抜粋


原題 ルームメイト
惹句 女の素顔は恐ろしい。
監督 古澤健
女優 萩尾春海 / 北川景子
女優 西村麗子・マリ / 深田恭子
俳優 工藤謙介 / 高良健吾
俳優 長谷川伸一 / 尾上寛之
蘊蓄 文庫版では「第三部」と「モノローグ4」の間に著者によるあとがきが挟まれており、「モノローグ4」を一旦封印している。
正しい多重人格の在り方は・・・、ルームメイトの感想です。

 

 

作品紹介

北川景子深田恭子主演のサイコミステリー。監督・脚本は古澤健。$2013年春公開。
交通事故で入院した萩尾春海(北川景子)は、看護婦の西村麗子(深田恭子)と親しくなる。やがて二人はルームシェアし、共に暮らし始めるが・・・。
原案は30万部を売り上げたベストセラー、今邑彩(いまむら あや)の小説。大胆な設定変更で、小説を読んだ人の方が驚く展開に。
 

 

感想

北川景子深田恭子、二人が笑顔で並ぶポスター。でも裏では互いに鼻で笑っているような。ちょっとした諍(いさ)いが、殺し合いまでに発展。そんなストーリーを想像、パトカーや救急車が集まる冒頭のシーンを見て、確信しました。でも大きな間違い。すでにこの映画の術中にはまっていたようです。

春海の借りているアパート(かなり広い)で暮らし始めた二人。干渉しすぎないのがルール。初めは和やかな生活でした。二人で歩いていたときに見た仔犬、春海がペットを飼いたいといい、それを聞いた麗子が怒りだす辺りから、物語に危険な香りが漂いはじめます。仔犬を探す子供たち。春海が帰ってきたときに、鍋で煮られていたものは・・・。

物語は麗子が中心。夜の街で遊ぶ麗子、平気で人を殺す麗子。春海はいつも怯えています。やがて、麗子にはもう一人の人格、マリがいることに気づく春海。悪さは全てマリが行ったものでした。好きな麗子を守りたいが、マリが邪魔をする。ジレンマの春海。

そんな春海を気遣う工藤(春海を轢いた加害者)と、その友人長谷川(保険会社の事故担当)。物語は二人を巻き込んだ惨劇へと向かいます。
 

<ここからはネタバレ、できれば映画を観てから読んで下さい>

 

全盛期の深田恭子が怖い。優しい麗子より、マリのちょったドスのきいた声の台詞の方が自然に感じました。

一方、北川景子。控えめで、ちょっとオドオドした仕草に初々さを感じますが、終盤にパラパラと見せる本性に背筋が寒くなりました。そうこの物語のオチは、小説版で作者が封印しようとしたバットエンド、モノローグ4。実は麗子もマリも実は春海。仔犬を殺したのも、リカに劇薬をかけたのも、長谷川を殺したのもみな春海なのでした。ファイトクラブみたいなオチだなぁ。そういえば、シックスセンスみたいな場面もいくつかあったような、こちらの方が巧みだけど。(レストランのシーンとか)

学生時代の出来事が春海に母を殺させ、別人格を作らせた。それが交通事故で別人格がいることを忘れさせたと説かれます。

私のメインのハンドルネームは風葉七人。高校時代に考えました。これは私は七人の人格をもつと意味です。心地好く生きていくためには複数の人格が必要で、でも彼らを野放しはまずいので、皆の意見をま める管理者も必要と思いました。その管理者を風葉七人と名付けたのが始まりです。21世紀になればそれが当たり前になると思ったのですが、ならなかったなぁ。
春海も作れば良かったのに、管理人。

物語はまだ少し続きます。実体のある登場人物は他にも。むかしの春海と同じ被害を受ける女子高生、絵里です。妄想のように見えた少女が実は本当にいることで、全てが春海の妄想てである予想を拒ませています。(手を工藤につかませるなど)

絵里の復讐を春海が止め、春海は治療のため入院。そこに工藤が訪ねてきて言い感じになるところでエンディングになります。
ちょっと蛇足のような気がしますが、これは看板女優を抱える事務所側からのチャチャがはいったのかも。

終わり

蘊蓄

(原作は)1997年に中央公論社から新書(ノベルズ)版で刊行され、2006年に文庫化されたが、2010年になって書店員らの間で話題となり10万部増刷されるなどじわじわと部数をのばし、2013年現在で30万部を超えるベストセラーとなっている。
「モノローグ1」「第一部」「モノローグ2」「第二部」「モノローグ3」「第三部」「モノローグ4」という構成になっているが、文庫版では「第三部」と「モノローグ4」の間に著者によるあとがきが挟まれており、「モノローグ4」を一旦封印している。これは「モノローグ4」があまりの後味の悪さのため、読むか読まないかを改めて読者に委ねるためだと書かれている。文庫化する際に削除することも検討されたが、バッドエンド好きな少数派のためにあえて残された。
映画のポスターには「女の素顔は恐ろしい。」というキャッチコピーと共に、一見まるでファッション誌の広告のようにスタイリッシュに美しく微笑む北川と深田のビジュアルが採用され、正位置ですました表情で写っている。逆位置ではそれぞれが妖しく笑う姿が鏡のように映り込んでおり、裏の顔や二面性を表したものとなっている。
11月9日に丸の内TOEIで行なわれた映画の初日舞台挨拶ではヒロインが抱える”二面性”にちなみ、女の恐ろしさをイメージした世界にひとつのオリジナルカクテル「ルームメイト」が登場。バラの香りとカルヴァドスの赤、ブルーキュラソーの青の2層になっており、出演者や監督が来場者と映画の封切りを祝った。
最後のどんでん返しにはさまざまなジャンルで活躍するフリーライターの遠藤政樹も「見事に騙された。冒頭からエンディングまであらゆるシーンに意味とヒントがあり、登場人物たちの思わせぶりな行動や言動も単なる振りでは終わらず提示方法が実に巧み。観客に対してサスペンスとしてフェアで、作り手の自信を感じさせる。」と毎日新聞で述べ、読売新聞記者の冨野洋平も「2人が仲良く生活し始めたのを観ている時点ですでに制作陣の術中にはまっていた。」と紙上で明かした。

 

資料

原題 ルームメイト
英題
惹句 女の素顔は恐ろしい。
脚本 古澤健
原作 ルームメイト(今邑彩)

監督 古澤健
制作 後藤亘、木下直哉、水口昌彦、川田亮、神戸明、小川真司
指揮 白倉伸一郎
音楽 安川午朗
主題 androp「Missing」
撮影 浜田毅
編集 張本征治
美術 清水剛

女優 萩尾春海 / 北川景子
女優 西村麗子・マリ / 深田恭子
俳優 工藤謙介 / 高良健吾
俳優 長谷川伸一 / 尾上寛之
女優 安藤リカ / 大塚千弘
女優 春海の母 / 筒井真理子
俳優 本城(精神科医)/ 戸田昌宏
女優 小川絵里 / 萩原みのり
俳優 市長候補の山崎 / 田口トモロヲ

会社 東宝映画
会社 「ルームメイト」製作委員会
配給 東映
公開 2013年11月9日
上映 110分
国旗 日本
言語 日本語

費用
収入
 

 

 
 

本編を観るには・・・


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関連 ~ 北川景子主演 映画

 

参考・引用

ルームメイト (今邑彩の小説) – Wikipedia
映画「ルームメイト 」ネタバレあらすじと結末・感想|起承転結でわかりやすく解説! |hmhm[ふむふむ]
【映画の感想】『ルームメイト』 (2013年、日本) | くねおの電脳リサーチ
【邦画】ルームメイト / 北川景子と深田恭子の食い合わせが悪い… チワワ好きは観ちゃダメ映画!!! – アバウト映画公園
【原作とはかなり違ったお話】映画『ルームメイト』レビュー | 下村さき オフィシャルサイト

 

更新履歴

初出)2021年03月10日、シネマドローム
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