★李白 ~神亀~

李白の感想、2007年版。
李白、レポートは こちら にも


 

案内

  
日本酒の店、完全予約制
入手困難な日本酒を全国各地の蔵元から直接入手
 

地図

 

現在は営業しているかどうか、不明

  

感想

 
《 いらっしゃいませ 》

懐かしいおばさんの声が、私達を迎えました。

《 すいません、遅くなりました。タクシーが店(ここ)を知らなくて 》。

もう夜の8時近く。国分寺街道の暗さと久しぶりの道程。それにそそっかしい性格が重なり、かなり手前でタクシーを降りてしまった私。まだ冬の寒さの残る中を足を引きずって歩く羽目に。昨日、30分繰り下げた予約時間をさらに15分遅れての到着です。
(;^_^A

《 歩かせちゃってゴメンね 》

いえいえとHさん(四つ玉同好会のおかあちゃんさん)、私の足を気遣ってくれます。

《 それにしてもO澤さん、遅いですね 》

最近、昔の出来事再びというのが多いですが、今回は久々の馴染みの店、李白の話。やっぱり約十年ぶりの訪問です。内装がちょっと豪華になってるなぁ。あれ、カウンター席がないぞ!?

この店とのエピソードは入社の頃から始まります。私にこの店を教えてくれたのは同期入社のM山でした。
国分寺に下宿していた彼は会社からの帰り道、気になる看板を発見します。そこにはただ2文字、《 李白 》とあるだけ。店は大通りを曲がった路地、街灯も少ない場所にありました。クラブか何かのような大きなドア、窓はひとつもなし。漂う高級感の奥から、一見客はお断りだよの声が聞こえそう。なんて入りにくい店。それでも決意した彼はある日その扉を開ました。勇気とありったけのお金を持って。そして、その店の酒のうまさに驚き、私に教えてくれたのです。すごい日本酒の店があるんだと。


~ 李白 ~

 
未成年の飲酒は法律で禁止されてますから。勧められてもそう言って断るほど、私はお酒に興味がありませんでした。高校生の時、家を増築したお祝いの席でさえ、大工さんの御酌を頑(かたく)なに断っていました。
私が初めてお酒を飲んだのは大学に入ってから。クラブの新入生歓迎会の時です。日本酒、それも丼(どんぶり)一杯になみなみと注がれた熱燗でした。歓声の中、一気に飲みほしましたが、その不味さと言ったら…。こんな溶液を飲む人の気が知れない。
(+_+)

その記憶が壮烈で、その後も日本酒だけは駄目。なのでM山から誘われた時も正直な所、乗り気ではありませんでした。でもそこで出てきた日本酒は私の考えを根本的に変えるものだったのです。

その時飲んだお酒がなんだったか、今となってはわかりません。ただ覚えているのは《 水 》のように澄んだ味だったこと。これが本当にお酒なのか。本能的に貴重な液体であると感じました。

李白にはメニューがありません。金額を指定したお任せコースのみ。一合程度、それとそのお酒にあった肴(さなか)がセットになって出てきます。それが数回繰り返し。

お酒は一升瓶が半分氷に埋まった状態で出てきて、奥さんがその産地、味などを説明しながら注いでくれます。肴との相性の解説付き。何回か通っているうちに店で出る酒が他ではほとんど見かけないことに気が付きます。《 グッドモーニング 》という名のお酒がでてきた時は本当に吃驚しました。
(^_^;

お酒は主人が愛車ボルボで蔵元に買い付けに行き、地下の倉庫に保存しているのだとか。なんだかワインみたい。出す前の冷やし加減にも秘密がありそうです。随分といろんなメンバーを誘い、通っていました。電話をすると声だけで私とわかってもらえるほど馴染みだったのに、仕事の関係で府中を離れてからすっかり御無沙汰。あの頃と違い方々飲み歩いた私。さて、昔のような驚きをまだ感じる事はできるでしょうか・・・。

全員揃うまではとビールを注文、料理は待ってもらいました。李白でビールを飲む、これは初めての体験。すると知らない銘柄のビールが出てきました。ハートランドビール。Hさんは驚きの声、好きでいつも探して入るんだけど、なかなか見つからないらしい。炭酸の切れがさっぱり、とてもライトな感じ、でも味があります。こんなビールがあったんだ、さすが李白。

あっという間に無くなるハートランド。そろそろ日本酒に移りたいところだが。Hさんが昔、O澤さんに李白(ここ)に連れてきてもらったことを昨日の事のように話します。二人ともいい奥さんになって、今は私より役職も上。まったく時の経つのは早いけなぁ、でもO澤さんは遅い。もう我慢できなくなる寸前でケータイが鳴りました。外にお迎え。考えてみれは主婦二人と飲み会というのは珍しいシチュエーション。当初、私の大先輩を誘うつもりだったのが事情により中止。結果、不思議な組み合わせとなりました。う~ん、だけど話題がないなぁ。
(;^_^A

まずは前菜。皿の上に数点。どれも文字通り玉葱がベース。お酒は《 澤乃井 》の生原酒。料理は手をつけられないけど澤乃井は…。う、う、うまい。澤乃井って確か東京(青梅)の酒だけど、こんな味だったっけ?
(^_^;

やっぱり、ここの日本酒は違うかも。でもこんな濃厚な酒を最初に出すなんて、昔だったら絶対飲めないな。肴は上の具だけ食べました。玉葱の風味が口の中をさっぱりさせてくれました。


~ 澤乃井 生原酒 ~

 

~ 肴1 ~

 
続いて《 やまたのおろち 》とサラダ。確か前に飲んだ事がある、聞いたことがあるもの。蔵元は李白酒造と言うらしいけど、関係あるのかな。端麗な辛口。サラダのチーズもとても辛いらしい。気をつけて食べたけど、結局辛さはわからず。


~ やまたのおろち ~

 

~ 肴2 ~

 
続いて神亀。これは有名どころ。当たり前にうまい。


~ 神亀 ~

 

~ 肴3 ~

 

~ 肴4 ~

 
一人無口にチビチビとやる私。そう、この辺はレポートも寡黙になるしかありません。美味しいお酒をどう表現したらいいものか・・・。良い酒は胃はなく、脳で飲む感じ。脳関門が全開。もう左脳と右脳が掛け合いでハミングしています。
主婦二人は美味しいの歓声。そして新宿伊勢丹の地下は食材が違うとか、ベランダ菜園の手入れ方法とか、私が知らない乃木坂の高級店の話しとか。う~ん、わからない。
(^_^;

若い女性が給仕(話はしない)をしてるけど、娘さんかなぁ、主人が名前で呼んでいる。あぁ、もう駄目、酔っ払ってしまった。でも初めに着た頃の新鮮さがないなぁ、あっという驚きが。と思っていたら最後にサプライズが待っていました。
 
《 ちょっと、変わったお酒をお持ちしてもいいですか 》
そんなことを言われたのは初めて。そして出てきたお酒は《 うぶ 》。なんと発泡日本酒だそうです。日本酒にそんなのがあるのか。
まるでシャンパンのようだとO澤さん。でもそれだけではありません。

《 お好みで黒蜜を入れて飲んで下さい 》と奥さん。

どれどれ。するとしっとり濃(こく)が加わりました。

《 この黒蜜、普通のと違う 》とHさん。

《 よく違いがわかりましたね 》と主人。

その後、何か本格グルメの会話が交わされた気がしますが、私はもう思考停止、記憶は薮の中。ただ、繰り返し頭を去来してるのがこの言葉。

《 とりあえず、また来ようっと 》。

(*^。^*)


~ うぶ(どう書くのか不明) ~

 

~ 黒蜜 ~

 

~ 肴5 ~

 
次の日は案の定二日酔い。凄い…恵様が効かないなんて。
(+_+)
 
 

リンク集

 
李白 – 国分寺/懐石・会席料理 [食べログ]
李白 (りはく) (国分寺/日本料理) – Retty
 


この記事は 2007年03月26日に前編、2007年04月02日に後編を 東京つまみ食いに アップしたものです。

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