黒澤映画の感動を食で再現
案内
メニューは実際に黒澤家の宴に上がったもの
蕎麦は山梨の《翁》で腕を磨いた職人が石臼で自家製粉、手打ち
店内は黒澤映画の美術スタッフが演出
蕎麦席、特別席、個室、メインダイニングがあり
地図
感想
縁の無い世界へ
南北線の溜池山王駅を降りると、目の前に広がる巨大な吹き抜け。右手に折れると今度は異様に清潔な地下通路が続きます。5番の出口から地上へ、でも人影はまったくありません。所々の停車している黒塗りの車。無表情な厳(いか)つい警官が立っています。
ここは政(まつりごと)の場所。少し歩くとライトアップされた国会議事堂が見えました。首相官邸と日枝神社の間。すごいロケーションに《黒澤》はあります。
黒澤時代劇の世界へ
名前からもわかるように、ここは黒澤監督縁(ゆかり)の店。監督の美術スタッフがデザインした店で、入り口の山門など要所に、監督の時代劇を彷彿させられます。日本蕎麦は山梨の《翁》で修行した職人の本格的なものだとか。こんな店があったのか。
威圧される程の高級感はなかったので、気軽に入れました。しかし店に入ると仲居さんがお出迎え。ご予約はと聞かれ、ないというとかなり困った様子です。なんとか席を一つ用意してもらえました。申し訳ありません、場所柄を弁(わきま)えるべきでした。
(皆さんは予約して行きましょう)
用心棒の席へ
通された部屋は蕎麦席。普通のテーブル席が並んでます。時代劇の飲み屋雰囲気はありますが、ちょっときれい過ぎ、高級過ぎ。でもこれぐらいがいいのかも。私の席は入り口のすぐ前でした。普段は使わない席のよう。そこのテーブルは一辺が焼き場になっていて、店の人が魚や茸を炙(あぶ)ってます。カウンターと呼ぶほど大きくはありません。
席に置かれたコースターには、粗いタッチの模様が。監督がデザインしたもののようです。外国のお客も多い様で、箸入れの裏には箸の使い方が英語で書かれています。壁には絵コンテが見えます。たぶんあれは蘭丸、乱のピーターかな。席毎に違う絵コンテが見れるよう、工夫がされているようです。《中々》のロックと、鶏わさを注文。
黒澤家の宴
鶏わさを食べながら、回りを観察。横の席には議員らしき人と業者らしき人。ゴルフの話しとか、奥さんが風邪を引いた話しとかしています。接待?かな、こうゆう気軽なのが効くのかも。
肴を炙っているのは若い店員さん。ちょっと段取りというか、リズムが悪いです。
中々を飲みながら、受付でもらった案内とかわら版をチェック。席はここ蕎麦席の他、特別席、個室、メインダイニングがあるそうです。そちらは料亭の雰囲気。かわら版には《酔いどれ天使》のコラムが。これが黒澤映画初出演の三船俊郎、そのギラギラした魅力を監督が讃えたエピソードが載ってました。
中々のおかわりと板ワサを注文。メニューを見るとどれも適正な価格(せいろ600円)です。美味しいだけに、逆に安いかも。板ワサも上々。これも実に生きがいい!?羅生門、夢、椿三十郎、雨上がる、隠し砦の三悪人。名作のタイトルを冠したコース料理は一度食べてみたいところです。最後はせいろで締めました。
どですかでん
永田町の駅に向かって歩いていると、今度は自由民主党本部が見えてきました。狂牛病、コイヘルペス、鳥インフルエンザに豚コレラ。日本の食生活は今危機的状態。イラクへの自衛隊派遣で国際テロのターゲットになっている日本。なんとかしてくだせぇませ、お代官様。ついでに景気も回復してくれないかなぁ。
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