★[感想]ギャング・オブ・ニューヨーク

● 10年前のディカプリオ。ギャング・オブ・ニューヨークの感想です。

 

作品紹介

● 70年代の同名ルポをスコセッシ監督が念願の映画化。同時多発テロの影響で公開が一年延びていた話題作。

物語

● 1846年。対立する《 ネイティブ・アメリカンズ 》と《 デッド・ラビッツ 》(アイルランド移民の組織)。ファイブ・ポインツをめぐる利権争いに、その雌雄を決する時が来た。正面からのぶつかり合い、血塗れの乱闘の中、ついにボス同士の一騎打ちに。そしてビル(ネイティブ・アメリカンズ)の凶器がヴァロン神父を貫いた。横たえられたヴァロン神父、それを中心に静まり返る一群。少年が神父に歩み寄り《 とうさん 》と呼んだ。決着のついた街。

15年後少年は再び街に戻る。今度は彼自身の決着をつけるために。

感想

● インターネットや雑誌では酷評されているギャング・オブ・ニューヨーク。ロードショーが終わる直前に観ることができました。なるほど。おっしゃる通り。ちょっとメリハリのないストーリーと、これでもかと丁寧に作り込まれたセット、衣装。どの批評も要点をついたものだったようです。デカプリオが主演して、セットにお金を掛けている点では《 タイタニック 》と同様ですが、興行成績では大きな違いが出たのではと他人事ながら心配です。

● 多くの批評にあるように、復讐劇であれば復讐に焦点を絞った方がよかった。デカプリオ主演なのでしょうがないかも知れませんが、ジェニー絡みのハードなロマンスはエピソード程度にした方が却って迫るものがあったのでは。ビルに対するアムステルダムの憎しみが余り伝わってこないところも残念。ナイフ投げでの暗殺未遂も、あれ!やっぱり殺したかったのと少し意外に感じた程でした。

● しかしセットや衣装、小道具は素晴らしい。(これを考慮して★は3つ)どのシーンもまるで絵画のよう。フィルムの解像度では捉えきれていないかも。時代が時代。汚い、古い雰囲気を出すのは豪華客船の3倍は大変だったと思います。それだけ注意して見ても飽きないくらい。スコセッシ監督の映画はほとんどチェックしたことはありません。ただ昔マイケルジャクソンの《 BAD 》のミュージッククリップの演出をしたのは知っています。17分もの大作のクリップで、その時もその作り込みに感動したのを憶えています。

● この映画で一番印象に残ったのは、ニューヨーク自体です。映画では賄賂、暴力が幅を利かす《 ならず者 》の街に描かれています。古きよき時代と云われているのは嘘?最近はともかく昔はちゃんと自由と民主の国だったと思っていたのに…。
ラストシーンで登場する現代のニューヨーク。パトカーのサイレンが響いています。そして遠くに見える世界貿易センタービル。その姿が多くを物語っているような気がしました。

ワンシーン

● アムステルダムがビルの暗殺を謀るシーン。迫力がありました。
ジェニーを巡る4角関係(友人のジョニーも入っている)から、正体がばれてしまうアムステルダム。そうとは知らずビルを狙うアムステルダム。ビルは彼の放ったナイフを難なく弾き飛ばします。
そんな馬鹿なと思いますが、それを感じさせないビルの迫力が凄かった。

薀蓄

● セットはニューヨーク・マンハッタンで発掘された当時の皿や櫛といった85万点というアイテムを借り受けることで実現可能となった。

資料

● 原題 / Gangs of New York
● 原作 / Gangs of New York
● 監督 / マーティン・スコセッシ
● 脚本 / ジェイ・コックス、スティーブン・ザイリアン、ケネス・ロナガン

♂アムステルダム・ヴァロン/レオナルド・ディカプリオ
♂ビル・ザ・ブッチャー(街を牛耳るギャングのボス)/ダニエル・デイ=ルイス
♀ジェニー・エヴァディーン(女スリ)/キャメロン・ディアス

2h48 松竹、日本ヘラルド映画

【 Youtube 】Gangs of New York (2002) Official Trailer – Daniel Day-Lewis, Leonardo DiCaprio Movie HD – YouTube

本編を観るには・・・


ギャング・オブ・ニューヨーク
(Blu-ray Disc)
( オムニセブン )

 

参考

ギャング・オブ・ニューヨーク – Wikipedia

更新履歴

2稿)2016年09月03日、シネマドローム
初出)2003年01月27日、東京つまみ食い

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