★[感想]トライアングル

 感想記事の抜粋


原題 Triangle
惹句 私が私を殺し続ける
監督 クリストファー・スミス
女優 メリッサ・ジョージ
俳優 マイケル・ドーマン
女優 レイチェル・カーパニ
俳優 ヘンリー・ニクソン
蘊蓄 アイオロスとは古代ギリシャのアイオリス人の始祖。シーシュポスの父親。
シチュエーション・ループ・スリラー、トライアングルの感想です。

 

 

作品紹介

ヨットセーリング中の嵐。漂流した5人の男女、その前に大型客船が現れる。助けを求めるが反応のない客船。乗り込んでみても人影一つない。やがて・・・。
主演メリッサ・ジョージ、監督クリストファー・スミス。イギリスとオーストラリアの共同製作、2011年日本公開。

感想

私が見つけた映画の法則。その1つに《 タイムトラベルものは当たる 》というのがあります。超有名どころでは《 バック・トゥ・ザ・フーチャー 》、《 ターミネーター 》、古くは《 猿の惑星 》。いずれもあまりのヒットに続編が作られました。大作はシリーズ化が当たり前の今とは違い、続編は当たらないというジンクスがあった時代。リスクを省みず、プロデューサーを乗り気にさせたのは、人気だけでなく、タイムトラベルという話自体に続編を作り易くする要素があるのかもしれません。

同じタイムトラベルでもループものが人気なのが日本のアニメ界。《 ビューティフルドリーマー 》、《 ひぐらしのなく頃に 》、《 エンドレスエイト 》、《 まどかマギカ 》、・・・。思い付くだけでもこれだけあります。同じ時間を繰り返すというのがループもの。日本人は粘着質なのか、シューベルトが人気なのも納得できます。

今回紹介するのは海外のループもの。海外でも《 ラン・ローラ・ラン 》、《 ミッション:8ミニッツ 》ぐらいしか思い浮かびませんが、まだまだあるもよう。でもこの作品、他の作品とは大きく違うところが。終盤になってわかるのですが、なんと二重ループになっています。見所はメリッサ・ジョージのホットパンツ姿だけではありませんでした。
(*^^*)

ジェスはシングルマザー。息子は自閉症。ある日グレックに誘われ、セーリングに。そこで嵐にあいます。強風波浪注意報、無事に乗り切った船は漂流。その前に現れた大型客船。乗り込むジェスたち。でも船内には誰もいません。人のいた気配はあるのに。船の中に自分の鍵を見つけるジェス、いったいなぜ?
突然、現れた怪しい影。グレッグを銃殺、そして一人また一人と犠牲者が。このパターンか・・・。最後まで生き残ったジェス、布で顔を覆った殺人鬼と対決、海へ突き落とします。
いったい何が起こったの? 呆然とするジェスの耳に音楽が。その正体はレコード、音飛びして無限ループしています。嫌な予感。
海から声がするので甲板に戻るジェス。そこには信じられない光景が。声の主はジェスたち。漂流した船の上から助けを求めています。少し前、自分達がそうしていたように。乗り込んできた彼ら、隠れて様子をみるジェス。やがてジェスは布で顔を覆い、銃を手にする・・・。

船上での殺人ループが中ループ。船から脱出、日常へと戻るジェス。でも場面は映画の最初のシーンに。今度は大ループの中に。息子を虐待する自分を殺すジェス。死体を車のトランクに入れ、息子を連れ、セーリングに。しかし途中で事故にあい、タクシーで一人セーリングに向かうジェス。(この怪しいタクシー運転手も天邪鬼か)、再び船に乗ります。
ループの入れ子、この二重ループを抜け出すのは、権利モノを打ち止めにするくらい難しそうです。

ジェスはこのループから抜け出せるのか? そう考えていると自分もループの世界にいないか不安になります。1日、2~3日のループには入っていないと思いますが、10年とか100年とかだとどうだろう。ループしているのかも。なにしろ確認のしようがないかなぁ。

不条理な世界の話。・・・という見方もありますが、ジェスの欲求という点から見ると理路整然としているような気もします。
グレックやその仲間達と反りが合わないジェス。会話をしてても笑顔はなし。歳は近くても自分と人生に背負っているものが違う、お気楽極楽の男女たち。おまえらなんか死んでしまえっ!ってなって殺したんだけど、一回じゃ物足りないので生き返らせて、もう一度殺しちゃえ!息子は面倒だけどほっとくわけにもいかないし、事故にでもあった死んでしまえっ!子供が騒いだせいの事故なら子供が悪いんだし。

でも本当にはそんなことできないので、妄想で気休め。でも妄想だから、結局なんの解決もならず、また妄想・妄想・妄想・・・。そんなパラレル世界のジェスもいて、ループから抜け出すときは、現実と妄想が区別つかなくなって、本当に殺しちゃった時とかいうオチだと、ちょっとサイコ要素も加わって怖いかも。

終わり

蘊蓄

あの船の名前は、アイオロス号だった。アイオロスとは古代ギリシャのアイオリス人の始祖。シーシュポスの父親。
シーシュポスの岩 The stone of Sisyphus (Sisyphean labor)は、日本での「賽の河原」同様に「果てしない徒労」を意味する。

 

資料

原題 Triangle
英題 Triangle
惹句 私が私を殺し続ける
脚本 クリストファー・スミス
原作

監督 クリストファー・スミス
制作 ジェイソン・ニューマーク、ジュリー・ベインズ、クリス・ブラウン
指揮
音楽 クリスチャン・ヘンソン
主題
撮影 ロバート・ハンフリーズ
編集 スチュアート・ガザード
美術

女優 ジェス / メリッサ・ジョージ
俳優 グレッグ / マイケル・ドーマン
女優 サリー / レイチェル・カーパニ
俳優 ダウニー / ヘンリー・ニクソン

配給 クロックワークス
公開 2011年08月06日
上映 99分
国旗 イギリス、オーストラリア
言語 英語

費用
収入

 


 

本編を観るには・・・

参考・引用

映画「トライアングル-殺人ループ地獄-」ネタバレあらすじと結末の感想 | hmhm
映画『トライアングル』ネタバレ全開! 固有の存在は言えない
ループし続ける無間地獄から抜け出すすべはあるか~映画『トライアングル』 – メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
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『トライアングル』感想。(あらすじ、矛盾点・伏線考察) – ふじみち わがたび
トライアングル TRIANGLE (2009) – 映画とドラマとロケ地 MOVIES, DRAMAS & LOCATIONS
★★★【映画評】クリストファー・スミス『トライアングル』 (2009) Triangle | Flourella blog

更新履歴

3稿)2021年05月26日、シネマドローム
2稿)2018年03月14日、シネマドローム
初出)2015年08月29日、シネマドローム
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