★[感想]ラン・ローラ・ラン【ネタバレ】

 

 感想記事の抜粋


原題 Lola rennt
惹句 走れ、ローラ!愛のために
監督 トム・ティクヴァ
女優 ローラ / フランカ・ポテンテ
俳優 マニ / モーリッツ・ブライプトロイ
俳優 ローラの父親 / ヘルベルト・クナウプ
女優 ユッタ・ハンゼン / ニーナ・ペトリ
ドイツ映画は、あとはブリキの太鼓ぐらいしか見たことないかも。ラン・ローラ・ランの感想です。

 

  

作品紹介

1999年サンダンス映画祭、ワールドシネマ観客賞受賞。11時40分から始まる3つの世界。
「ボールは丸く、試合は90分間。それだけが事実で、あとは憶測だ。」

物語

ベルリン、夏。11:40 am. マニ(彼氏)からの電話。事態は急を要する。20分以内に10万マルク用意しないと彼は・・・。
相談相手は銀行家のパパに決定、ローラは走り出す。でもそのパパは不倫相手といいムード。押しかけた娘に、頭にきたパパはローラが、実の子でないことを告げる。
唖然とするローラ、だが時間はない、ローラはまた走る。待ちきれなくなったマニはスーパーに強盗に入り、仕方なくそれを手伝ったローラは警官に撃たれ死んでしまう、そしてそれから・・・。

感想

<ネタばれ注意>

ゲーム感覚のテンポのいいストーリー展開。凝った設定に見入ってしまいました。

鋼鉄のドアの閉まる音と連続するシャッター音。指定手配のような人物紹介からメタルです。吹き替えで見てたので、これがドイツ映画とわかったのは10万マルク(500万円)の台詞から。ちょっとしたことで、登場人物の人生がまったく変っていく様は量子力学っぽくてドイツかも。やはり神はサイコロを振っているようです。

真っ赤な髪に、水色のランニング、緑のパンツ。とにかくローラが走ります。ぶつかりそうになって、悪態を付くおばさん。すれ違う問題のホームレス。盗品の自転車を売りつけようとする男。交通事故を起こすマイヤーさん。救急車と長いガラスを運ぶ作業員。あまりあっさりしているので布石にもなりません。
 
それにすぐにローラが殺されてしまったて、もう終わっちゃったのかと驚きました。すれ違う人達のフラッシュバックのように写る未来も、この時点では意味不明です。しかし、それが…。

<ここからは本当にネタバレ、できれば映画を観てから読んで下さい>

人生をプレイバックして、20分前に戻るローラ。自分の部屋を降りていく途中(このシーンだけアニメなのも意味深)、今度はイヌをつれた不良に足を掛けられ転倒。微妙に成り行きが変っていきます。

ぶつかりそうになって、悪態を付くおばさんの人生は《 保護される子供の替わりに他の子を誘拐 》から《 宝くじが当って大金持ち 》に変化。盗品の自転車を売りつけようとする男の人生は《 持ち主に捕まり大怪我、看護婦と結婚 》から《 浮浪者で野タレ死に 》に。

父は不倫相手と喧嘩中。怒ったローラは父を人質にして、無事10万ドルをGET。寸でのところでマニに強盗を思い留まらせるも、救急車に轢かれ、今度はマニが死んでしまう。再びプレイバック。

3回めは予想外の展開。結局マイヤーさんが事故ってしまうのには笑いました。カジノやまさかのハッピーエンドにも吃驚です。

3つの話を通して見ると、脇役や出来事に無駄が無く、そして先の読めない展開。本当によくできています。シーケンス図とか状態遷移図とか書いてシナリオ作ったの違いありません。ガッカリした時のソフーマルソーみたいなフランカ・ポテンテが魅力的、お薦めです。

終わり

ワンシーン

<ネタばれ注意>

まさかのカジノ行き。有金全部をチップに換え、ローラが起死回生、20に全部かけます。それが当ったのには驚きませんでしたが、儲けたチップをまた全部20にかけたのには驚きました。そしてあの金切り声。換金する彼女の姿をじっとみんなが見ているシーンが笑えました。
もう一つはマニが取り返したお金の替わりにホームレスに銃を渡すシーン。そんなことして大丈夫なのかと思うのに、何も起こらないところも巧かったです。

薀蓄

3回めの物語。マイヤーのシトロエンに激突するのは、実はローラのバイクを盗んだ男。バイクはローラのバイク。

資料

原題 Lola rennt
英題 Run Lola Run
惹句 走れ、ローラ!愛のために
脚本 トム・ティクヴァ
原作

監督 トム・ティクヴァ
制作 シュテファン・アルント
指揮 リア・ケプフ
音楽 トム・ティクヴァ
主題
撮影 フランク・グリーベ
編集 マチルド・ボンフォイ
美術 アレクサンダー・マナッセ

女優 ローラ / フランカ・ポテンテ
俳優 マニ / モーリッツ・ブライプトロイ
俳優 ローラの父親 / ヘルベルト・クナウプ
女優 ユッタ・ハンゼン / ニーナ・ペトリ
俳優 警備員 / アーミン・ローデ
俳優 ホームレス / ヨアヒム・クロール

会社
配給 パンドラ
公開 1999年7月10日
上映 81分
国旗 ドイツ
言語 ドイツ語

費用 DEM 3,500,000
収入

制作費:DEM 3,500,000
 

 

 
 

本編を観るには・・・

参考

ラン・ローラ・ラン – Wikipedia
ラン・ローラ・ラン 時間は50年、空は青い。はい、ゲーム開始!
【連載21回目】映画の歩き方: ドイツ『ラン・ローラ・ラン』編(前):映画の歩き方 – ブロマガ

更新履歴

4稿)2019年04月16日、シネマドローム
3稿)2015年04月16日、シネマドローム
2稿)2010年02月02日、シネマパレード~隼
初出)2003年05月19日、東京つまみ食い
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