中央公園、久遠の像

久遠の像

  レポート

この二人は誰なんでしょう? 武士と町娘? 娘が差し出しているのは何? 編み笠の武士は腰を少し屈めてます。いったいどういう状況? 公園にゆかりがあるのでしょうか?
調べてみると武士は太田道灌、娘は貧しい農家の娘とのこと。山吹伝説の一場面らしい。
 

  案内 ~ 山吹伝説

道灌が父を尋ねて越生の地に来た。突然のにわか雨に遭い農家で蓑を借りようと立ち寄った。その時、娘が出てきて一輪の山吹の花を差し出した。道灌は、蓑を借りようとしたのに花を出され内心腹立たしかった。後でこの話を家臣にしたところ、それは後拾遺和歌集の「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」の兼明親王の歌に掛けて、山間(やまあい)の茅葺き(かやぶき)の家であり貧しく蓑(実の)ひとつ持ち合わせがないことを奥ゆかしく答えたのだと教わった。
古歌を知らなかった事を恥じて、それ以後道灌は歌道に励み、歌人としても名高くなったという。豊島区高田の神田川に架かる面影橋の近くにも山吹の里の碑があり、1kmほど東へ行った新宿区内には山吹町の地名があり、伝説の地に比定されている。また、埼玉県越生町にも「山吹の里」と称する場所が存在し、この地が伝説の地であるという説もある。ただしいずれも真偽は不明。
落語にこの故事をもとにした『道灌』という演目がある。

  地図


 

  リンク集(参考サイト)

太田道灌 – Wikipedia
山吹伝説

撮影年月:2017年10月
撮影場所:新宿中央公園
カメラ:Nicon CoolPix S3700



[ 更新記録 ]

初稿)2006年10月06日、街角アイキャッチ