千葉県佐倉市にある川村美術館のオブジェです。ハウルの動く城!? 本当は・・・フランク・ステラの 《 リュネヴィル 》 という作品です。ずいぶん、遠くまで来たなぁ。

  レポート

森の中の美術館

パウル・クレー展を観に川村記念美術館へ。幕張を越えてまだ東関道を走ります。佐倉ICを降りて国道をもう15分、思いがけない小旅行となりました。

この美術館はインク会社が自ら収集したコレクションを公開するため、1990年に開館したものだとか。知らないなぁ。クレーはあんまり人気がないのか。でも遠ければそれだけ空いてるし、ゆっくり見れるかも。
 


~美術館へ続く道~

 

並木路を抜けると大きな駐車場がありました。土曜日の午前中、梅雨の真ん中、そして佐倉という場所。当然ガラガラと予想してましたが、駐車場には多くの車が。停めている間にも2台ほど入ってきました。幟(のぼり)が3本たっていて、なんとなく日帰り温泉の雰囲気。自動販売機でチケットを購入、小さな門をくぐり中へ。
 
 


 
 
木々の中、細い道を下ると目の前に大きな池が。噴水が2つ、涼しげです。30ヘクタールという敷地に200種の樹木と500種の草花。見渡す限りの緑に、思わず駆け出したくなります。空気もうまい。でも緑に和(なご)もうと思ったら、園内はまだ掃除の最中。芝刈機の音が煩くてそんな状況ではありませんでした。
 
 

~白鳥池と噴水~

奇麗だけど、ちょっと管理しすぎかも。木々の生命力までがコントロールされてる感じ。その点、川崎の岡本太郎美術館は凄かった。自然に力が有り余ってました。ちょっと身の危険を感じたくらいに。
(^_^;
そうだ、混まないうちにと美術館にいかなけりゃ。

◆レンブラントと盧雪

受付でチケットを見せて中に。エントランスホールは中世の塔のようです。中心にはブロンズの裸婦像、天井には巨大な蓮の花型のシャンデリア。2階からの階段が円筒に沿って続きます。ちょっと神聖な雰囲気。まずは常備展へ。

順路をたどると、すぐに現れたのが、小部屋に飾られた一枚の絵。この黒は・・・。レンブラントでした。《 広つば帽を被った男 》。闇のバックに大きな黒帽子に黒マント? 光の画家と呼ばれるレンブラントですが、私にはこの黒が不思議。濃い黒、テカった黒、滲んだ黒、明るい黒、黒の影。黒だけでも立体感があります。
見てると闇に吸い込まれそう。気が付かれないように渦巻きでも描いてあるのか。
(^_^;

それに男(公爵?)の襟飾り、そのレースの白。なんてふんわり、柔らかなんだろうと近寄ってみると、太い線で粗く描かれてます。少し離れてみると、もとのふんわりに戻るのも不思議。

その先にはモネ、ピサロ、ルノワール、マティス、ピカソ、ブラック、ローランサン、シャガール、カンディンスキー、ミロ、マグリット・・・。凄い!常備展だけでお腹一杯になりそうです。(実はかなり有名な美術館らしい)
インクって儲かるんだなぁ。

日本画の部屋には蘆雪までありました。6曲1双の《 牧童図屏風 》。この牛の顔。感情のない草食動物の目。人だって動物だろって顔をしています。描(か)けそうだけど描けないんだろうなぁ。いつか《 虎図 》も見てみたいものです。

綺麗に長方形に刈取られた庭の植木を見ながら休憩所で一休み。そして2階のパウル・クレー展へ。

◆偉大な芸術家

あたりをもう少し散歩してから帰ることに。芝刈りも終わり、静けさを取り戻す園内。少し日も射してきました。個性的なオブジェを写真に納めていると、後ろの方から静寂を破る声。
《 がぁがぁ 》。
元気なガチョウだな、よしお前も撮ってあげよう。
 
 



~彫刻1、ハウルの動く城!?~
 

~彫刻2、日本一のアカンベー~


~元気なアヒル~


 
 
ちょうど今はヤマユリが見頃。リックを背負ったおじいちゃん、おばあちゃんの小集団があちこちに。みなデジカメ撮影に夢中です。駐車場の車はこの人達のだったのか、納得。
時と共に自らの身姿を変え、永遠に新しさを失わない。ジジババ達をも引き付ける草花。自然に勝(まさ)る芸術家はいないというわけか。
(v_v)
 
 

~一番人気のヤマユリ~

 
 
◆おまけ

帰る途中、パチンコ屋の駐車場に車を停めて1スナップ。来る時に見かけたインパクト映像を撮りました。途中のT字路でもう1スナップ。今度は写真の勉強をすることにしようかな。
 
 


~トラックの晒し首~

 

~ぜひ守ってほしい標識~

 
 

  案内

大日本インク化学工業(株)とその関連会社が収集したコレクションを展示。
近代西洋絵画と戦後アメリカ美術が中心
美しい自然環境の中、作品・建物・自然の調和を目指す
開館/9:30~17:00(4~10月)
開館/9:30~16:30(11~3月)
休館/月曜日(祝日の場合は開館し、翌火曜日に休館)、臨時休館
住所/佐倉市坂戸631
電話/0120-498-130(代表案内)

  地図


 

  リンク集(参考サイト)

DIC川村記念美術館 
  
 

撮影年月:2006年07月
撮影場所:佐倉
カメラ:N902i



[ 更新記録 ]

2稿)2017年03月03日、街角アイキャッチ
初稿)2006年07月31日、東京つまみ食い