★[感想]記憶にございません!

 感想記事の抜粋


原題 記憶にございません!
惹句 この男に任せて大丈夫か。
監督 三谷幸喜
俳優 中井貴一
俳優 ディーン・フジオカ
女優 石田ゆり子
女優 小池栄子
俳優 草刈正雄
三谷幸喜の政界コメディ、記憶にございません! の感想です。

 

作品紹介

三谷幸喜、八本目となる映画監督作品。主演は中井貴一。2019年夏公開のコメディ。
記憶を失くした総理。見聞きする過去の自分の言動に驚き改心、正しいと思う行動をとり始める。
首相秘書官をディーン・フジオカ、首相を支える事務秘書官を小池栄子、米国初 日系女性大統領を木村佳乃、総理の宿敵 内閣官房長官を草刈正雄が演じる。
 

 

感想

夜、病院の一室で、目覚めた男。いったい、ここはどこなんだ? 何も思い出せない、私は誰?

こっそりと病院を抜け出す男。怪訝そうな目で彼を見る街の人々。中には悪態をつくものも。何でみんな、私の事を知っている? なぜ、こんなに嫌われている?

中華店で食事を取る男、原因がわかります。テレビに流れるニュースに彼の姿が。そう彼は第127代内閣総理大臣、黒田啓介(中井貴一)。憲政史上最悪となる内閣支持率2.3%を記録した嫌われもの。演説中に暴漢が投げた石が頭を直撃、記憶を失ったというわけです。

まだ事態が飲み込みきれない総理。商店街で倒れ、警官に職務質問されてるところにSPが現れ、保護されます。

都合の悪い質問があると、その答弁に使われる「記憶にございません」。
ロッキード事件(1976年)の小佐野賢治の言葉として有名。当時、流行語になりました。実際は「記憶『は』ございません」でしたけど。若い人は知らないだろうなぁ。
その言葉を乱用していた総理が、本当に記憶を失くしたら・・・。設定だけでも笑えます。

三谷映画にありがちな、有名俳優女優がてんこ盛り・・・っていうのが、今回控えめ。2時間強の上映時間にすっきる収まり、丁度良かった感じ。「ステキな金縛り」の時も思ったけど、このくらいの出演者数が、演劇的映画には向いているのかも。

※ 例えば内閣官房長官が放つ殺し屋、どんな凄い人が出てくるかと思いきや、パチンコ(投石器)で、演説中の総理を狙います。舞台とかで使えそう、映画だともったいない感じです。

小池栄子が魅力的。グラビアから女優への転身では、一番の成功者だと思います。今回は事務秘書官役、記憶を失くした総理がそれとわからぬよう気を配ります。総理を官邸に見送り、「総理はいつもここで私のお尻を触る」と、お尻を突き出したのには笑いました。

総理だけでなく、夫人の面倒も。本番数分前、看板番組の生放送出演をドタキャンする夫人(石田ゆり子)をフォロー。代わりにハニカミながら、披露するソロダンスが可愛いです。

映画の主演から、サラメシのナレーターまで。引っ張りだこの中井貴一。この映画でも、嫌われものの総理シーンはほんの数秒。大半は、過去の自分も含め、政治家の行動に疑問を持ち、正していくと言う良い総理役です。

アメリカの大統領にも、肝心なところは物怖じせずに発言。結果、腹を割って話せたと好印象を持たれます。でも、どうしても、そんなうまく行くのかなぁ~って、気持ちになったゃいます。特にトランプ大統領になってからは。安部総理はどうやったんだろう? とても本音を話しただけじゃ、あぁ、仲良くはなれなさそうだけど。

最後の方で、ちょっとしたオチがあるのですが、今回はネタバレなしということで、ここまでとします。

終わり

蘊蓄

「もし自分が総理大臣になったら、何をしよう……?」そんな妄想を、子供の頃なら誰もが一度はしたことがあるかもしれない。「僕も考えたことがあります。自分で言うのも何ですが、僕はさほど私利私欲もないし、権力欲や金銭欲もないので、僕が総理大臣になったら素敵な政治をやれるんじゃないか?ってちょっぴり思っていました」。(三谷幸喜)

三谷映画といえば、主役クラスが勢ぞろいするオールスターキャスティングがいつも話題をさらう。今回も「メインキャストはほぼ全員がアテガキ」という三谷組ならではの贅沢さは健在だ。

物語のメイン舞台となるのは総理公邸と総理官邸の2つ。公邸はフジテレビの湾岸スタジオに、官邸は東宝スタジオにそれぞれ巨大なセットを作り込んだ。本作で初めて監督とタッグを組んだ美術監督のあべ木陽次(「あべ」は木偏に青)は、『マスカレード・ホテル』(19年)、『翔んで埼玉』(19年)、『コンフィデンスマンJP』(19年)などの話題作を手がける売れっ子。監督いわく「最初の打ち合わせの時から、“この人とは同じ言葉でお話ができる”と感じました」とのこと。

 

資料

原題 記憶にございません!
英題
惹句 この男に任せて大丈夫か。
脚本 三谷幸喜
原作

監督 三谷幸喜
制作 石原隆、市川南
指揮 ***
音楽 荻野清子
主題
撮影 山本英夫
編集 上野聡一
美術 あべ木陽次

俳優 黒田啓介(第127代内閣総理大臣)/ 中井貴一
俳優 井坂(首相秘書官)/ ディーン・フジオカ
女優 黒田聡子(総理の妻)/ 石田ゆり子
女優 番場のぞみ(事務秘書官)/ 小池栄子
女優 寿賀さん(首相官邸料理人)/ 斉藤由貴
女優 山西あかね(野党第二党の党首)/ 吉田羊
俳優 大関平太郎(警察官)/ 田中圭
俳優 南条実(大工)/ 寺島進
女優 夜のニュースキャスター(ニュースキャスター)/ 有働由美子
俳優 鶴丸大悟(内閣官房長官)/ 草刈正雄
俳優 古郡祐(フリーライター)/ 佐藤浩市

会社 フジテレビ、東宝
配給 東宝
公開 2019年9月13日
上映 127分
国旗 日本
言語 日本語

費用
収入 36.4億円

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記憶にございません!

 

 
 

本編を観るには・・・

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参考・引用

映画『記憶にございません!』公式サイト
記憶にございません! – Wikipedia

 

更新履歴

初出)2020年11月03日、シネマドローム
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