★[感想]新感染 ファイナル・エクスプレス【ネタバレ】

 感想記事の抜粋


原題 부산행
惹句 何があっても、守り抜け!
監督 ヨン・サンホ
俳優 ソ・ソグ / コン・ユ
子役 スアン / キム・スアン
俳優 ユン・サンファ / マ・ドンソク
女優 ソンギョン / チョン・ユミ
俳優 ミン・ヨングク / チェ・ウシク
女優 キム・ジニ / アン・ソヒ
韓流ゾンビ映画、新感染 ファイナル・エクスプレスの情報です。

 
韓流ゾンビ映画、新感染 ファイナル・エクスプレスの情報です。

 

紹介

2017年日本公開、韓国のゾンビ映画。監督はヨン・サンホ。出演はコン・ユ、マ・ドンソク、チョン・ユミ、キム・スアン。
ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道。発車間際に飛び乗った女。様子のおかしい女を近づく乗務員、彼女が最初の犠牲者となる。時速300キロメートルで疾走するKTX。感染は徐々に列車内に広がり、乗客はパニック状態に陥ってゆく。乗り合わせた乗客、それぞれの人間ドラマ、その最後に待ち受けるものとは?
ファンタジア国際映画祭(カナダ) 最優秀作品賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭(スペイン)で監督賞、視覚効果賞に輝いた。
韓国での観客動員数は1,156万人を突破、日本での興行成績は3億1,000万円。
 

 

 

感想

ソウル発プサン行き、高速鉄道KTX101号に乗り合わせた人々。
 
ファンドマネージャーのソグ、その娘スアン。
ガテン系(死語?)のソンファ、身重の妻ソンギョン。
高校球児ヨンクグ、ヨンクグに想いを寄せるマネージャーのジニ。
老いた姉妹、インギルとジョンギル。
一見紳士な高速バス会社の常務、ヨンソク。
 
快適なはずの旅は、出発間際に乗り込んだ一人の女により狂い始めます。
様子のおかしいと、女に近づいた乗務員が最初の犠牲者。噛まれて感染、感染者に。2人、4人、8人、16人、・・・。高速で移動する車内は逃げ場のない密室。感染は爆発的に広がります。

韓国のゾンビ映画、「新感染 ファイナル・エクスプレス」を観てみました。新幹線と新感染をかけたタイトル、コメディかと思いきや、ガチのゾンビ映画、サスペンステイスト。もっとも製作関係者はゾンビという単語を嫌い、感染者と呼んでいるようですが。

主役の父娘、ソグとスアン。仕事で家庭を顧みない父ソグは妻と離婚交渉中。父と祖母と暮らすスアンは、今の生活に失望中。
懸命に練習した「アロハ・オエ」。しかし学芸会に父は来ず、スアンは歌えなくなってしまいます。父が誕生日にくれたのは、その前にくれたのと同じゲーム機。スワンは母に会いたいと訴えます。
二人は車内のパニックの中、その絆を取り戻すのですが・・・。

韓国はまだ働き方改革とかないのかな。

「お前の父ちゃんの仕事はなんだ?」
ソグの態度が気に入らないソンファは、スアンに尋ねます。ファンドマネージャーだと答えるスアン。ソンファは悪徳商売人だ言います。子供に向かってなんてことをと窘(たしな)めるソンギョン。スアンは「他の人にも言われている」とポツリ。やっぱり、この手の仕事って、世界共通で人でなしなんだなぁ。
( ˙-˙ )真顔

力道山みたいなソンファ。筋肉バキバキでゾンビを倒します。痩せているソグと対照的。ですがメインメンバーの最初の犠牲者となります。

ヨンクグが気になるジニ、ヨンクグもまんざらでもないもよう。しかしジニが感染、そしてヨンクグに噛みついて・・・。

部活のマネージャー、ジニ役のアン・ソヒが可愛いです。ちょっと前の韓国美人。でも天然(加工無し)のようで、好感が持てます。韓国はスタイルがいい人が多いなぁ。スタイルがいいから女優になるのか。でも日本の場合、女優よりも渋谷とか歩いている一般人の方がスタイルが良いような。

インギルとジョンギル。人のためにと自分を犠牲にしてきた姉インギル、しっかりものの妹ジョンギル。そして強引に自分を主張、自分の居場所を作るヨンソク。途中停車したテジョン駅で始まる騒動、離れ離れになる乗客たち。三人が取る行動が、ドラマを見せてくれます。
 

 

<ここからはネタバレ、できれば映画を観てから読んで下さい>

13号車、トイレから出ることができないスアン、そしてソンギョン、インギル、浮浪者の男。9号車のソグ、サンファ、ヨングクは力を合わせ、救助に向かいます。ゾンビの群れを押し退けながら。ケータイがあってよかった。

しかし、危機を脱したソグたちの前に立ちはだかる15号車のヨンソク。感染の恐れがあると車両への乗り込みを拒否します。結局、ソグたちは15車の先の連結部に押しやられます。そしてドアを封印するヨンソク。

~ ゾンビの群れ、閉じられたドア、ヨンソク達のいる15号車、封印されたドア、ソグ達 ~

ゾンビの群れの中にインギルのを見るジョンギル。ソグ達を追いやり、一安心したヨンソクが見たのは、姉のもとに歩み寄る妹の姿。

「そのドアを開けてはいけない!」

しかし、時既に遅し。ヨンソグたちの断末魔の声を、じっと聞くソグたち。因果応報か、わかりやすいです。日本映画だともっと陰鬱になりそうですが。まぁ現実世界では日本人は助け合うだろうから、いいとするか。
 
最後の最後の最後、生き残った二人。プサン駅の前のトンネル、韓国軍がバリケードを築いてます。列車は先に進めません。ゾンビの骸(むくろ)が、3つ、4つ、・・・そこら中に。
手を引かれトンネルの中を進むスアン。その先にはライフルの照準を合わせる狙撃手。生存者か感染者か確認不能、そう本部に報告すると、すぐさま射殺命令が。引き金に指を添えるスナイパー。このラストに緊張しました。

せっかくここまで来たのに殺されてしまうのか? でももう助けようがない!!

するとスナイパーの耳に入る歌声、アロハ・オエ。スアンの声。スナイパーたちは救助に向かいます。アロハ・オエの歌は複線だったとは。トドメの不幸で終わることが多いゾンビ映画。救いのある終わり方が心地よかったです。

終わり

 

蘊蓄

原題は「釜山行き」の意。
カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門に特別招待作品として出品されたほか、ファンタジア国際映画祭で最優秀作品賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞・視覚効果賞を獲得するなど、国際的に高い評価を受けており、アメリカでリメイクされることが決まっている。
日本劇場公開前の2017年8月23日に来日したヨンがトークイベントで明かしたところによれば、自国公開当時の韓国ではゾンビ映画はヒットしないと思われていたため、「ゾンビ」という単語はNGとして作中で用いられなかったうえ、スタッフやキャストも「あれ」や「それ」と言ってごまかしていたそうである。
韓国における原題を日本語に直訳すれば「釜山行き」となるが、邦題はインパクトを重視した「新感染」が選定された。日本公開を待っていた映画ファンからは「同じ作品だと気づかなかった」という声も多数みられた。なお、これは日本の新幹線に掛けたものだが、本作に登場するKTXはフランスのTGVをベースとしており、狭義における日本の新幹線とはシステムが異なる。
スティーブン・キングは本作を「ジョン・ウーとゾンビ・アポカリプスを合わせたような映画だ。『ウォーキング・デッド』がおとなしく見える」と絶賛している。

 

資料

原題 부산행
英題 Train to Busan
惹句 何があっても、守り抜け!
惹句 生か死か―― 終着駅まであと2時間 時速300km超のノンストップ・サバイバル!
脚本 パク・ジュスク
原作

監督 ヨン・サンホ
制作 イ・ドンハ
指揮 キム・ウテク
音楽 チャン・ヨンギュ
主題
撮影 イ・ヒョンドク
編集 ヤン・ジンモ
美術 イ・モグォン

俳優 ソ・ソグ(ファンドマネージャー)/ コン・ユ(中村悠一)
子役 スアン(ソグの娘) / キム・スアン (松藤百香)
俳優 ユン・サンファ(ガテン系)/ マ・ドンソク(小山力也)
女優 ソンギョン(サンファの妻)/ チョン・ユミ(坂本真綾)
俳優 ミン・ヨングク(高校球児)/ チェ・ウシク(前野智昭)
女優 キム・ジニ(野球部のマネージャー)/ アン・ソヒ(喜多村英梨)
俳優 ヨンソク(バス会社の常務)/ キム・ウィソン(内田直哉)
俳優 ジョンギル(妹)/ パク・ミョンシン(杉山滋美)
女優 インギル(姉) / イェ・スジョン(今泉葉子)
俳優 乗務員 / チャン・ヒョクチン(家中宏)
俳優 ホームレス / チェ・グィファ(宮内敦士)
女優 感染者の女 / シム・ウンギョン(川澄綾子)
俳優 運転士 / チョン・ソギョン(飛田展男)
俳優 キム代理 / キム・チャンファン(石狩勇気)
俳優 チーム長 / ハン・ソンス(中村和正)

会社
配給 ツイン
公開 2017年9月1日
上映 118分
国旗 韓国
言語 韓国語

費用
収入 3億1,000万円

  

 
 
 

本編を観るには・・・

 

関連 ~ ハリウッド以外のゾンビ映画

 

 

参考・引用

映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』公式サイト
新感染 ファイナル・エクスプレス – Wikipedia
新感染 ファイナル・エクスプレス : 作品情報 – 映画.com
菊地成孔の『新感染 ファイナル・エクスプレス』評:国土が日本の半分の国。での「特急内ゾンビ映画」その息苦しいまでの息苦しさと上品な斬新さ|Real Sound|リアルサウンド 映画部
新感染 ファイナル・エクスプレス(ネタバレ) | 映画でもどうどす?
脅威 は「北」からやってくる ――「新感染 ファイナル・エクスプレス」 – ねとらぼ
泣けるゾンビ映画!『新感染 ファイナル・エクスプレス』 | ニッポン放送 ラジオAM1242+FM93
九段新報文化面 : ゾンビものあるあるを乗り越えた、『新感染 ファイナルエクスプレス(釜山行)』のあのシーンについて

 

更新履歴

3稿)2019年09月26日、シネマドローム 感想(ネタバレ部)追加
2稿)2019年09月25日、シネマドローム 感想追加
初出)2019年09月19日、シネマドローム
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