ウィリアム・フリードキン監督の傑作アクション、フレンチ・コネクションの感想です。

 

作品紹介

19712年公開。監督はエクソシストを撮る直前のウィリアム・フリードキン。出演はこの映画でアカデミー主演男優賞受賞のジーン・ハックマン、ジョーズのロイ・シャイダー。
実際に起きた麻薬密輸事件を元に作成されたドキュメンタリータッチの刑事ドラマ。モデルになった二人の刑事もカメオ出演。
アカデミー賞8部門ノミネート、5部門受賞。
 
 

感想

小学生の頃はテレビの洋画劇場で、大学時代は名画座で見た記憶があるこの映画。今回はDVDを借りて観ました。

観ていると、パッとその先のシーンが頭に浮かび、驚きます。やがてそのシーンになり、やっぱりそうだったかと納得する。そんなオリジナルの演出まで加わって、十分に楽しめました。
(^。^)

面白かった映画は忘れることがないんだなぁ。

1960年代のニューヨーク。麻薬を取り締まる二人の刑事、ポパイとクラウディ。差別用語に脅し、暴力お構いなし。’60年代でも、ちょっと酷いんじゃないかという捜査。ひと仕事が終わり、飲みに行こうというポパイ。寄ったバーにはマフィヤの親分クラスが三人、四人。その中で羽振りの良い男に目を付けたポパイは後をつけることに。いい加減にしろと言いながらも付いていくクラウディ。これがフランス経由で運ばれる麻薬ルート(フレンチ・コネクション)の解明のきっかけとなるというのが、この映画の大筋です。

ポパイ(ドイル刑事)役にジーン・ハックマン。法律ギリギリの暴力刑事、ガタイがいい。事件同様、この刑事にもモデルがいたというから驚き。もっとも実際の刑事の場合は、飲み屋に刑事が入った途端、客の半分は逃げ出したということなので、本物の方が凄いのかもしれません。
(^^;

ハックマンは、この粗暴な刑事役を嫌っていたらしい。でも私の場合、小池朝雄の吹き替えでみてしまったので、刑事コロンボが暴れているようで、そちらの方に違和感がありました。
(==;

クラウディ役はロイ・シャイダー。クラウディは曇り空という意味。いつも暗いのでついたあだ名らしい。ロイ・シャイダーはジョーズの警察署長とブルーサンダーぐらいしか知りませんが、こちらの役もぴったり。
ポパイと対照的。冷静に犯人を追い詰めるタイプ。相棒としては性格は反対の方がいいのかも。後半重要なことに気が付き、事件を解決の方向に導きます。

画面に釘付けになるシーンが4つ。

まずはフランスの麻薬王、通称ヒゲの尾行。ヘロインの取引でニューヨークに来た麻薬王。偶然見つけた ポパイが後を追い、地下鉄へ。ヒゲは気付いていないようで気付いていて、ふたりの会話のない騙し合いが続きます。
途中、パッと浮かんだのが、電車のドア越しに手を振るヒゲ。最後やっぱりそうなりました。悔しがるポパイ。ここまで丁寧に尾行シーンを描いた映画は他にないのでは。

ポパイは厄介な刑事だ。そう考えたヒゲはポパイに殺し屋を差し向けます。しかし未遂、逆にポパイが殺し屋を追跡します。有名な地下鉄と車のチェイスシーンが2つ目。ニューヨークの地下鉄は銀座線みたいに高架を走る区間があるもよう。ポパイは民間人の車を借用、高架線を走る電車を追います。
逆走行あり、信号無視あり、追突あり。この時代になかなかの緊迫感と思ったら、それもそのはず。驚いたことにこれはゲリラ撮影だったらしい。交通規制も安全確保の措置も無しの状態で、ハックマンは車を暴走。それを撮影していたというから凄いです。まじですか!?
フリードキン監督らしいと言えばそうですが、何人か死んでも不思議でない撮影。緊張感が出るもの当たり前です。

3番目はリンカーンの解体シーン。麻薬の密輸に車が使われてました。リンカーンに目を付けたポパイは強引に整備場で解体を始めます。内装をはがし、ドアを切断。バラバラになっていくリンカーン。
・・・(+_+)高級車が。
持ち主はそうとは知らずにヒゲに協力しているフランス人スター。車を返してくれと警察に訴えます。やばい、ピンチだ、どうするポパイと思ったら、クラウディが車の重量の差に気が付いて、無事ヘロインを発見。と、ここまではいいのですが、クラウディがフランス人スターをリンカーンのところに案内すると、そこには傷一つないリンカーンが。

??? リンカーン、バラバラにしたよね???

ネットを見ても、このシーンを解説しているページはなく不可思議。これも私が監督の術中にはまっているということか。
VFXで目が騙されるのではなく、話の進め方で頭が騙される感じ。それともただのブラフか。

そしてラスト。ヒゲを麻薬の取引現場に追い詰めたポパイ。でも・・・。

え~どうするんすか、これ~。

という事態に。でももお構いなしにヒゲを追いかけるポパイ。このラストは凄すぎる。まぁ、実話の方では彼は殺されなかったようでよかったのですが。
後味が悪いというのではなく、なんか頭が真っ白。70年代の映画はこれだから好きです。

映画は大きく当たり(製作費$1,800,000⇒興行収入$51,700,000(アメリカ・カナダのみ))、アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、編集賞を受賞しています。・・・編集賞か。たしかにチェイスシーンは編集の妙なのかもしれません。

ヒットした映画は得てして賞は取れないもの。でもこの作品は違いました。70年代の人はこの映画に何を観ていたのでしょう?
それに今の映画がこの時代から失ったものは何だろう。今の映画より、印象に残るのはなぜ? 一途(いちず)さ? 脆(もろ)さ? リアリティ?
その答えはもう少し、昔の映画をみればわかるのかもしれません。さて、次は何を観ようかな。
( ˘ω˘ )
 
 

薀蓄

カーチェイスのシーンでドイルの乗る車はポンティアック・ルマン。スタント・ドライバーで、本作品で麻薬捜査官のマルダリッグを演じるビル・ヒックマンが運転を行っている。またハックマン自身も運転を行っている。
シャルニエとニコリ、アンリ・デブローが密会する小島は、牢獄として19世紀まで使用されたシャトー・ディフ。ここでシャルニエが潮溜りから拾い上げて食べていたのはホヤ。
この映画の名称を取った、フレンチ・コネクションというカクテルが存在する。
冒頭の「コパカバーナ」のシーンではブレイク前のザ・スリー・ディグリーズが登場し、”Everybody Gets To Go The Moon”(ジム・ウェッブの作品)を歌う。
ニューヨーク地下鉄には地上を走る区間があり、地上を走る区間の中には道路上に同じ方向で並行して建設された高架線も存在する。これを利用して、地下鉄で逃亡する犯人を刑事が直下の道路を使って自動車で追跡するシーンが作中で見られる。
ポパイとクラウディがサルを尾行しているのは、マンハッタンのルーズヴェルト・ホテル周辺である。
ジャケットでも使用されているポパイがニコルを射殺するシーンは、ブルックリンの62 street駅の階段である。

 


 

資料

原題:The French Connection
コピー:獲物を見つけた猟犬は決して振返らない
コピー:それを捕まえるか 心臓が破れるまでは……
コピー:追う!追う!追う! ビルから地上へ 地上から地下へ 地下鉄 高架線 ハイウェイ フレンチ・コネクションを追う 本能にも似た執念で– 追うことの中にだけ男は生きた
監督:ウィリアム・フリードキン
脚本:アーネスト・タイディマン
原作:ロビン・ムーア
制作:フィリップ・ダントーニ
製作総指揮:G・デイヴィッド・シャイン
音楽:ドン・エリス
主題歌:ー
撮影:オーウェン・ロイズマン
編集:ジェリー・グリーンバーグ

《 ポパイ 》 ジミー・ドイル / ジーン・ハックマン
《 クラウディ 》 バディ・ルソー / ロイ・シャイダー
《 ヒゲ 》 アラン・シャルニエ / フェルナンド・レイ
サルバトーレ・ボカ / トニー・ロビアンコ
アンリ・デブロー / フレデリック・ド・パスカル
ピエール・ニコリ / マルセル・ボズフィ

配給:20世紀フォックス
公開:1972年2月12日
上映時間:104分
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語、フランス語

制作費:$1,800,000

The French Connection (1971) Trailer – YouTube


 

 

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参考・引用

フレンチ・コネクション – Wikipedia
映画『フレンチ・コネクション』についてあなたが知らない17の事実 | ciatr[シアター]
「フレンチ・コネクション」(1972) 感想 – 今日観た映画の感想
フレンチ・コネクション
おやじ図鑑
「フレンチコネクション」の有名なカーチェイスについて。あのシーン… – Yahoo!知恵袋

更新履歴

初出)2017年11月22日、シネマドローム