韓流ブームも今は昔。猟奇的な彼女の感想です。

 

作品紹介

韓国のラブコメ。でも彼女はとっても凶暴!?
1999年、パソコン通信「ナウヌリ」の掲示板で連載された同名連作小説(実話)を映画化。すでにスピルバーグがリメイク権を獲得。
アメリカ、日本、インド、中国でリメイク、ドラマ化、また韓国では続編が作られた。
 
 

物語

彼女は猟奇的!? 「お前」「ぶっ殺す」と普通に宣(のたま)い、なんの躊躇(ちゅうちょ)なく炸裂するパンチ。相手の都合も構わず、電話で呼び出しては無理難題。呆(あき)れつつも彼女を放っておけないキョヌ。2人はタイムカプセルにお互い手紙を入れ、2年後の再会を約束して別れるが…。

感想 ~ ネタばれ注意

なんだラブコメかと馬鹿にしてたら、終盤目が離せなくなりました。・・・そんな布石があったなんて。
ストレートヘアにスレンダーな容姿、誰もが見惚(みと)れる彼女。初めてキョヌが彼女にあったのは地下鉄のホームでした。彼女は明らかに酔っ払っている様子。同じ電車に乗り込んだキョヌの前で、お年寄りに席を譲らない男を一喝。感謝しているおじいさんの頭に突然のゲロゲロ。
(それが麺とかご飯粒までがはっきり判るゲロ、映画館だったら女性客の悲鳴が一斉に上がったに違いありません)
その後彼女を介抱するために、ホテルに連れて行くキョヌ。怪しまれて警察に通報されてしまいます。翌日彼女に呼び出され、それが彼女との付き合いの始まりとなります。
衝撃的なのが彼女のキャラクター。 「お年寄りに席を譲れ!」「ポイ捨てするな!」「エンコーするな!」 とどこでも喧嘩を売る彼女。
お酒3杯で潰れたり、キョヌがお腹の子の父親だと嘘をついて教室から連れだしたり、意味もなく川に突き落としたり。彼女のキャラが話の先を読ませてくれません。
シナリオライター志望の彼女は、その書く話も個性的です。(特に「ソナギ(夕立)」のエピソードが笑える)実話だというこの話。でもそのためかエピソードの羅列のようなところがあり、そのラブコメ的な展開に半分まで見たところで一度挫折。DVDだとはいえ、普通こんなことはしないのですが。
(–;
翌々日気を取り直して続きを見ました。後半は少しシリアスな展開。逢ってから100日目の彼女の学校に薔薇を届けるキョヌ、私の乙女心(そんなのどこにあったのか!?)にジーンとくるものがありました。
彼女の見合いの相手に《猟奇的な彼女と付き合う心得》を伝えるキョヌ。彼女もそれを知りキョヌの後を追います。それから山登りで遠くにいるキョヌに「ごねんね~」と彼女が繰り返し叫ぶシーン。この辺りから話に釘付けになってしまいました。
約束の日、タイムカプセルを埋めた樹の下で彼女を待つキョヌ。彼女の入れた手紙を読み、彼女の秘密を知ります。それからまた1年後、今度は彼女はキョヌの手紙を読み、また彼がカプセルの場所を示す樹を守ったことを知ります。それからは大昔のメロドラマのようなすれ違いの展開。
わかっていても、気になって、何故かずっと立ち上がったまま見てしまいました。そして彼女の望んでいた?運命的な出会いのハッピーエンドで突然終わります。この伏線にはやられました。巧い。
ハッピーエンドに安心しました。冗長なところがありますが、お薦めです。猟奇パワーを増幅させれば《 土9のドラマ 》に丁度いいかも。でも彼女の役は一体誰が・・・? 韓国の普通の人の暮しもわかって面白いです。
 

ワンシーン ~ ネタばれ注意

約束の再会の日。次の日も、次の日もキョヌは彼女を待ち続けます。カメラが切り替わって、木に上ってくる老人。

えっ~!もうキムは老人になっちゃったの?

まさかそんな展開? そこへ現れる彼女。あれ、若い? 彼女と老人の会話から場面が3年後(約束の日から1年後)だと分かります。ばかな事を考えてたという彼女。本当に結ばれる運命なら、偶然どこかで会える。約束の日には英国に留学中だったらしい。

その老人は彼女にキョヌがカプセルの目印になる樹を守ったことを伝え、最後にこんなことを言います。

「運命とは努力した人のためにだけ、偶然という橋をかけてくれるのじゃよ」

キョヌかと思ったこの老人。運命の神様か、それともやっぱり本当は未来のキョヌ? 運命か・・・。私は待つにしても三ヶ月が限度だなぁ。

薀蓄

「猟奇的」(ヨプキ)という単語は韓国では 「変な」「ちょっとおかしな」「ちょっと変わった」「ブッ飛んでいる」「かわいいわりに突拍子もないことをする」「イッテル」「けったいなやつ」 といった意味。日本のアニメで言えば『クレヨンしんちゃん』も「猟奇的」
猟奇的な彼女と付き合う心得
 1.女らしいことを要求してはいけない
 2.酒は3杯以上飲ませないこと
 3.時々、留置場に行く覚悟を
 4.殺すって脅された時は、本当に死ぬつもりで
 5.殴られて痛くないときは痛いふりを、痛いときは痛くないふりを
総製作費は22億ウォン。インターパーク「コスダック」で一般投資家から資金を公募し、たった6時間40分で1億ウォンを集めた
2001年度韓国興行収入2位を記録し、スピルバーグ率いるドリームワークスが75万ドルでリメイク権を獲得した。
原作は1999年、パソコン通信「ナウヌリ」の掲示板にペンネーム“キョンウ74”のID名で投稿された同名連作小説(実話)
原作は10万部以上を売り上げ映画化につながった。
原作者キム・ホシクは実在する「猟奇的な彼女」とは別の女性と結婚した。
原作はタイムカプセルを埋めるところで終る。そこからあとは映画で作られた部分。
映画中映画の《デモリション・ターミネーター》は《デモリションマン》と《ターミネーター》をパロディした内容。わずか30秒足らずのこのSFXシーンのために約一億ウォンが投入され話題に。
主演の女優チョン・ジヒョンは現在、大学で演技を学ぶ女子大生。日本のアニメが大好きで《千と千尋の神隠し》《となりのトトロ》がお気に入り。
主演の女優チョン・ジヒョンが来日し「ニュースステーション」に出演した際、久米宏が彼女の頭を(親愛をこめて)こづいたことが、韓国内では「我らがアイドルを日本人が殴った!」と問題になった。
チャ・テヒョン演じる配役名キョヌは漢字で書くと「牽牛」。七夕伝説「織姫と彦星」で有名な織女星と牽牛星の「牽牛」
チャ・テヒョンはハリウッド版のキャスティングにキャメロン・ディアスとジム・キャリーを希望
チャ・テヒョンのチョン・ジヒョンの印象
彼女とは以前ドラマで共演したことがあるんです。その時はまだ彼女は高校生だったんですけれども。チョン・ジヒョンさんというと韓国国内のイメージは、「清純な女性」あるいは「女性らしい女性」というイメージが強かったんです。でも実際の彼女を見ていますと、映画の…《猟奇的な彼女》の中の《彼女》とはまったく同じではないのですが、ある意味非常に似ているところもあったんです。男性的な面も持っていますし、一緒にいると心が落ち着いて気楽になれるという部分も持っています。
韓国映画ではヌードは勿論、キスシーンも駄目。
韓国では劇中の彼氏がやらされる事―彼女の強要で互いの靴を交換して履かされる―が流行、彼女と腕を組みながらハイヒールを履かされる男の子が続出した。
「彼女」がキョヌに「ミアネヨ(ごめんね)」と叫んだのは釜山から少し離れた五峰山。
タイムカプセルを埋めた所は江原道にある白雲農場。この映画以来名所になって多くのカップルがタイムカプセルを埋めに来る。
 

資料

原題:엽기적인 그녀
コピー:好きってイタい!?
監督:クァク・ジェヨン
脚本:クァク・ジェヨン
原作:猟奇的な彼女(ネット小説)
制作:シン・チョル、パク・クォンソプ
音楽:キム・ヒョンソク
主題歌:I believe(シン・スンフン)
撮影:キム・ソンボク
編集:キム・サンボム

彼女 / チョン・ジヒョン
キョヌ / チャ・テヒョン
キョヌの父 / キム・インムン
キョヌの母 / ソン・オクスク
キョヌの叔母 / ヤン・グムソク
彼女の父 / ハン・ジンヒ
ホテルの主人・ホテルの従業員・留置所のヤクザ・地下鉄の駅員他 / キム・イルウ

配給:アミューズピクチャーズ
公開:2003年1月25日
上映時間:122分
製作国:韓国
言語:韓国語

制作費:ー

韓国映画 [猟奇的な彼女] 予告版 – YouTube

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参考・引用

猟奇的な彼女 – Wikipedia
映画『猟奇的な彼女』ネタバレあらすじ結末|映画ウォッチ
『猟奇的な彼女』、15年ぶりの続編に韓国ネット界では賛否両論!? | エンタメウィーク
韓国ドラマ「朝鮮時代版 猟奇的な彼女」特集| MYJCOM 韓流まつり

更新履歴

4稿)2017年09月13日、シネマドローム
3稿)2015年04月11日、シネマドローム
2稿)2010年12月01日、シネマパレード~隼
初出)2003年11月17日、東京つまみ食い