府中の天然温泉、縄文の湯。マンガ喫茶以上、ビジネスホテル以下。開店当初、2008年のレポートです。

  レポート

突然。

《 風葉さん、こんなのもらいました 》

後輩が差し出したチラシには切り取り線がたくさん。どうやら割引券のようです。

《 おぉこれは縄文の湯!それも1000円の割引き券だ!! 》

縄文の湯は府中の駅前にできた温泉施設。ボーリング技術の勝利か、天然温泉です。まえから行ってみたかったんだここ。

でも行かなかった理由が2つ。一つは府中というロケーション。せっかくの風呂上がり気分も、武蔵野線に長く揺られて帰るのでは帳消し。体の疲れる場所を増やすようなものです。
もう一つは2300円という基本料金。まんが喫茶代わりに使おうとすると深夜料金も加算で3800円。約3泊分でネットも使えないのは如何なものか。なんだかんだで行けぬまま月日が過ぎていきました。でも今回はまたとないチャンス。この機を逃したら次はいつになることか。

府中はビジネスホテル、まんが喫茶ともに既に制覇。まだ病み上がりだし、一泊して体を休めるか。鞄に着替え(会社に置いてある替え靴下、替え下着)を詰め込む動作も軽やか、鼻歌交じりで新宿方面最終電車に乗り込みました。
♪~(^ε^)
   
 
駅前から歩いて3分程度、けやき通りにあるビルディング。ビルの3階の高さほどある看板に大きく縄文の湯。和の趣(おもむき)が漂います。
1階はセイジョー。2階にはサイゼリア。3階はSheepBox(最近泊ってるまんが喫茶、店員さんはメイド服)。4、5階はゴールドジムです。
地下にはなんとマンションのモデルルームと多目的過ぎるこのビル。6階から最上階(12階)が縄文の湯です。
 
  


~ エレベータ乗り場 ~

 
 
受付は6階か・・・。深夜0時過ぎ。私一人を乗せ、静かに昇るエレベーター。扉が開いて吃驚。清楚な、でも大きな生け花が目の前に。奥にはフルフラットなマッサージマシンが見えます。右手には低い背の下駄箱がずらり。おぉ、なんて広々の受付。石鹸やタオル、シャンプーの他、お土産らしきものもチラホラ、広間に点在しています。なんかウキウキ、私はもうすでにリゾート気分です。
 
 
下駄箱のカギを預けてロッカーのカギをもらう、ごくごく一般的なシステム。料金を払うと半透明、四角いビニールバックを渡されます。中には濃い茶色の館内着の上下、薄茶色のタオルとバスタオル。どれも糊(のり)が利いて四角く、大きさ厚さもぴったり、バックに収まっています。
ロッカーキーは館内では財布代わりに使え(でも自販機は駄目)、最後に清算するらしい。12階がロッカールームと天空風呂(貸し切り湯、別料金)。11階が大浴場、8階が仮眠室。この辺はホームページで調べた通り。実際はどんなのかな。カタログ写真は撮影テクニックがふんだんで、別なものに見えちゃうのが困りもの。私の写真のようにユーザー視線(ありのまま)で写してくれないと。

エレベータは左手奥、先程乗ってきたもののさらに左にあります。どうやらビル内の縄文の湯だけ、利用者専用になっているもよう。素足が気持ちい良い板張り、大きな鏡の他、脱衣所にあるような小さな椅子がひとつ、邪魔にならないように置いてあります。12階へ。
降りて右手に天空風呂、地上12階の露天風呂ってどんな感じだろう? 少し興味がありますが、今日はまっすぐロッカーへ。上下2段のロッカーは割り当て式、カギにかかれた番号を探します。やはりできてから時間がたってないので、どの設備もきれい。ロッカーの容量も私の鞄が横にそのまま入るほどで楽です。
 
 


~ ロッカールーム ~

 
 
全部脱いですっぽんぽん。タオル一枚で階段を降りていきます。11階大浴場へ。館内に流れる琴の音は、和の調べです。なんだ、こっちにも脱衣所がある。本当は館内着でここまできて、ここで裸になるんだったんだ。
(^_^;
自動扉と書かれた縦長ボタンを押して浴室へ。
 
 
入るとすぐ洗い場、20人程度のキャパシティ。かけ湯で体を濯ぎ左手奥へ。長方形のシンプルな浴室、それほど大きくないのにゆったり感じます。やはり誰もいないから? 見方によってはホラーですが、少し湯気にかすれた天井はむしろ御利益を感じさせます。
  
  

~ 浴室内(撮影は朝)~

 
 
大・中・小の大きな湯船、小さいのは半(1/8くらい?)露天になってます。どれもお湯は黒土色。東京の温泉はみなこうです。成分はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。ねっとりとしてるのにカピカピ。色から受けるイメージも手伝い、油につかっているように感じます。静かだ。まったくと人がいないのが新鮮、貸し切り状態です。

順に湯船に入ると温度がだいぶ違うのがわかります。赤いLEDが示すのをみるとそれぞれ,40℃、41.4℃、42.9℃。露店が一番温度が高く、このくらいが温泉気分がでて嬉しいです。ふだん見上げてるKONAMIスポーツが下に。下界に比べ、ここは天国。いや~満足、満足。
 
┐(´ー`)┌ ほんと、いい湯だな~♪
 
 
洗い場もゆったり、洗面器は一段高いところに置けます。使い捨ての髭剃りが多量にあり、それぞれのボックスに大型のシェービングクリームが。なんとシャンブーセットが2種類、炭糸とノーマルなもの。シャンプー、リンスにボディーシャンプー。シャワーやカランのお湯がボタン式ですぐに止ってしまう他は言うことなし。まあそれも地球温暖化が洞爺湖サミットの主議題になる御時世。プラスの評価にするべきかもしれません。

浴槽に戻ろうとして、ミストサウナを発見。普通のサウナと違い、岩の上に横になるタイプのよう。岩盤浴みたい、結構室内の温度は高いです。疲れそうなので今回はパスしました。
 
 
館内着に着替えて、今度は仮眠室へ。目的の一つはここ。ちゃんと寝れる場所なのか、興味津々です。8階が男性用、想像してたより広いエリアでした。真っ暗なので恐る恐る進むと・・・。

ひとり用のブースが並んでいるもよう。各々リクライニングソファと液晶テレビが付いてます。お休み処の名に恥じない広さ。まんが喫茶だと座敷でも足を延ばすことができませんが、これならまったく問題なし、大男でも大丈夫そうです。
扉のないオープンタイプ、ここもまんが喫茶と違うところ。一人に一台液晶テレビが付いています。静かそうなところを探して、奥へ奥へ。要所々々にフロアーランプがありました。

テレビの点いてないところ、足首の見えないソファを探します。この辺でいいかな、泊ろうと思ってる人は少ないのか選び放題です。リクライニングソファにごろり。明かり代わりにと、テレビのスイッチを探します。おかしいなぁ、どうしても見つからない。やっと見つけたスイッチはソファーのアームレストの手元。寝ながらの操作を考えるとここになるか。
感心したのはヘッドフォンがないところ。代わりにヘットレストの左右にスピーカーが付いていて、内側に向け音が出る仕組みになってます。試して見るとよく聞こえるのに、他の人には聞こえないみたい。ヘッドフォンはしてると気になって眠れないもの。なるほど、いいアイデアです。

これはぐっすり眠れそう。お金はかかるけど、体を壊すともともこもない。帰れない日が二日続いたら、後の一泊はここにしようかな。しかし・・・。
にこにこ笑っていたのもそこまで、30分も待たずに夢のパラダイスも藻屑と消えました。こんな落とし穴があったとは・・・。
 
しばらくして。

げ~~~っ。これじゃ眠れないよう~
(-_-;

まわりの人達も迷惑そう、たった一人のせいで、みんなが眠れない。同じ料金を払って、これは不公平。まったく社会の迷惑だ!

原因は鼾(いびき)。ぐわぁ~、ごぉお~、ぐわぁ~、ごぉお~。静かな館内での独占リサイタル、鼾の響き。ff(フォルテシモ)にpp(ピアニシモ)。緩急(かんきゅう)織り混ぜた、見事なカデンツァ。もういい加減にしてくれ~。
するとぴたりと止む鼾、私の心の声が聞こえたか。まさか私、大声でどなっちゃった? しばらく続く沈黙。まもなく1分が過ぎようとしたその時、

っっっっつうつ・・・。ぐわぁ~、ごぉお~・・・、、、

おぉ、復活した。死んでしまったかと思った。ひょっとしてずっと息を止めていた?
(^_^;

いやいや、心配してどうする。やっぱり結論はいつも同じ。23時半まで働いても電車で帰れる、そんな新居を見つけるしかない! それも早く!!
 

  案内 ~ 縄文の湯

全国の名湯と比肩する泉質。癒しの空気が流れる広々とした大浴場。希少な駅前という立地の天然温泉を、心身ともにいやせる当時の場として皆様にお届けいたします。

  地図 ~ 縄文の湯


 

  リンク集(参考サイト)

府中駅前天然温泉「縄文の湯」
【クーポンあり】府中駅前天然温泉 縄文の湯 – 多摩|@nifty温泉
東京スーパー銭湯/仮眠OK!府中駅前天然温泉・縄文の湯 | スーパー銭湯・温泉マニア

撮影年月:2008年07月
撮影場所:府中
カメラ:Panasonic DMC-FX33


[ 更新記録 ]

2稿)2018年05月20日、街角アイキャッチ
初稿)2008年07月14日、東京つまみ食い