たけしの絵画展。2012年04月のレポート。

  レポート

毎日のように通る新宿の地下道、JRと京王線の連絡通路。アート関係のポスターが貼られていることが多く、通勤時の数少ない楽しみのひとつ。その日は長い通路全体をひとつのポスターが埋め尽くしていました。
 
 


~ BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧展 ~

 
 
へぇ、面白そう。でもまた見に行く前に終わっちゃうんだろうなぁ。と思ってたらトントン拍子、もう見てきちゃいました。美術鑑賞は本当に久しぶりに。オペラシティに来たのは、束芋展おどろおどろ以来です。
 
 

~ 東京オペラシティ、サンクンガーデン ~

 
 

~ 東京オペラシティ、アートギャラリーまでもうすぐ ~

 
 
これはフランスで好評だった展示の凱旋にあたるらしい。でも入場料1300円は高いなぁ。せっかくきたのに館内は撮影禁止。紹介しにくいので、もらったチラシの裏を家で撮影、拙い文章に花を添えることとします。
(==;
 
まず入口すぐにあったのがこれ。
 
 

~ 自分の脳みそに驚くたけし ~
(タイトルはすべて私が勝手に付けたものなので、あしからず)

 
 
なぜか、村上隆を連想しました。これをゼロから作ったのかな?それともスタッフとかがいるのか。それにしても似てないwww。

次は見世物小屋風の展示。小屋の中にあるのは
 
 


~ 金ギョッ! ~

 
 
頭のパーツは様々。フランスの人は見世物小屋のカラフルさに驚くかも。奇妙さは残しつつも怪しげな雰囲気はデリート。昭和の日本文化を平成アニメ的にアレンジしています。
 
 
次は絵画が続きます。驚いたのはその点数。こんなに描いているとは・・・、さぞ忙しいだろうに。
この驚きが今回の1番の収穫かも、私も頑張らなくては。

絵は赤塚不二夫が現代芸術を揶揄したような構図。そして岡本太郎が刷毛でペンキを塗ったようなタッチ。
猫が好きなのか、たくさん登場します。でもどれも顔が怖い。アウトレージ猫?
時々顔を出す足立の文字から、アイデンティティがこぼれています。
 
 


~ 猫タク ~

 
 
ビデオコーナーには人が集まっています。これは誰でもピカソ? 恐竜に巨大水鉄砲で着色している姿が。あっちはバラエティ番組かな。初めてみる外国の人は驚くかも。上映が終わると一斉に動き出す人。混んでいる館内に波を生んでいます。

となりのブースに移動しようと思ったら、他の展示と大きく異なるものが。壁の中に小さな縄文式土器、そして遮光器土偶。あれ!?もう展示は終わりなの?常時展示の物かとジーッと見てたら、遮光器土偶がこけました。び、びっくりした。
!Σ( ̄ロ ̄lll)
 
 
次は…これはモニュメント、インスタレーション?
上には様々な顔の達磨、下には大掛かりなギャグ作品が。こんな感じです。
 
 


~ 賑やかな達磨 ~

 
 
《 死にたくない男 》絞死刑 。床が抜け、いままさに死刑執行の図!と思ったら…自分を吊してる紐を口でくわえ、首が絞まるのに逆らう罪人の姿。必死の形相、鬼瓦権造w?他のパターンもパネルにリストアップされてました。

《 スイッチオン 》ドアや窓の前に扇風機が。前のスイッチを押すと、羽根が回り出すと思いきやさにあらず。ドアの方が回ったり、扇風機の軸の方が大車輪を始めたり。たけしらしい。

目を引くのは《秀吉号》。蒸気機関車みたいですが、その動力は足踏み。足が履いてるのは穴があいて親指が覗く赤い靴下。昔の日本はこうだった。貧乏だけど元気ハツラツ、これは昭和40年代前半のノリだな。
 
行列ができてます。なんだろうと思ってるとハガキのようなものをくれました。重い。磁石になっているみたい。このコーナーはヘッドフォンで音を聞いて、そのイメージを水性マジックで描いてもらう、視聴者参加展示。描いたあとは壁に貼って(だから磁石)、みんなで鑑賞しあうというものです。

自分の番がきました。風景Aを選択。ヘッドフォンから流れてくる波の音、カモメの鳴き声、船の汽笛。わかりやすい。海に浮かぶ豪華客船、空を飛ぶゆりかもめ。海の中に巨大なアウトレージ猫を書きました。
(^。^)

最後は版画とパネル。創作風景やフランス展示の盛況ぶりが、写真で紹介されてました。フランスでのたけし人気は凄いとKさん。自虐的なところがヨーロッパで受けるらしい。なるほど。
 
映画と絵(芸術)の違いはたくさんあります。映画が大勢の共同作業で、お金もかかり、制作に数々の制約を受けるのに比べ、絵は自由で身軽。でも制約がない分、人に感動を与える作品を描くのは大変です。

見る側にとっても同じ。長い時間と同じ視線を要求してくる映画に比べ、絵の鑑賞は楽。でも作品の良さをわかるためには、感性だけでなくより多くの知識が要求されます。この日の前の晩、私は《 美の巨人たち 》で、奥村土牛の醍醐(桜の絵)の話をみました。なんだ、この絵。なぜそれがいい絵なのかわかるには番組の解説を終わりまで見る必要がありました。

映画監督として世界的に有名な北野武が、なぜ今絵を始めたのか…。不思議に思いながら観てましたが、実は始めたのは1994年のバイク事故以降。リハビリを兼ねて始めてたとのこと。そうなんだ。
もうひとつ思ったのが写真について。写真は映画と絵の中間。映画よりは気軽に撮れて、絵よりは容易く感動を伝えられる。実は写真が一番アートパフォーマンスがいいんじゃないのか。デジカメになって、ネットが使える今はなおさらです。もっと写真を勉強しよっと。
  
  
《 おまけ 》

さてと。ちょっと物足りないので銀座に移動することに。もうちょっと、たけし作品を見ることにしました。ここです。
 
 


~ かづま珈琲 ~

 
 
何度か寄ったことがある喫茶店。ちょっと高いですが、ここは美味しい珈琲が飲めます。
 
 

~ ケーキセット ~

 
 
実はここには何点か、たけし作品あるとわかりました。ネットで絵描き小僧展を調べて知ったのです。
 
 

~ここにもアウトレージ猫が・・・~

 
 
カウンター席の後ろに並ぶ作品。気が付かなかったなぁ。でも、ちょっと観にくいかも。店員さんになりたい。
 
 

  案内 ~ 東京オペラシティ

東京オペラシティ(とうきょうオペラシティ)は、東京都新宿区西新宿三丁目にある複合文化施設。新国立劇場および、民間の超高層ビル「東京オペラシティビル」で構成される。
当地にはもともと、電電公社(現・NTT)時代の淀橋電話局、京王帝都バス新宿営業所、小田急百貨店配送センター、東京工業試験所(新国立劇場部分)などが存在した。
東京オペラシティは、1985年の国際建築設計競技による柳澤孝彦TAK建築・都市計画研究所設計の新国立劇場と、NTTファシリティーズ・都市計画設計研究所・柳澤孝彦TAK建築・都市計画研究所の共同設計による民間の超高層複合施設「東京オペラシティビル」からなる街区の名称である。
高層の「東京オペラシティビル」部分(新宿区西新宿に所在)と、隣接する低層の新国立劇場(渋谷区本町に所在)の部分は、「ガレリア」と呼ぶ高さ20m・長さ200m、3層の半外部空間で接続されており、ガレリアを境に新宿区と渋谷区に分かれている。

  地図


 

  リンク集(参考サイト)

東京オペラシティ東京オペラシティは、新宿のとなり初台にある、オフィス、コンサートホール、美術館、 レストラン、ショップからなる複合施設です。

 

撮影年月:2012年04月
撮影場所:東京オペラシティ
カメラ:OLYMPUS PenLite2 E-PL2



[ 更新記録 ]

2稿)2018年02月24日、街角アイキャッチ
初稿)2012年04月21日、一つ眼カメラ小僧