2003年に行ったビデオアート展のレポート。

  レポート

束芋展おどろおどろ 》 目当てに東京オペラシティアートギャラリーに行きました。でも同時展示のこちらの方が数倍面白かった。意外性も手伝って今でも余韻が残ってます。

昼12時からの開場。ほとんど観客はいませんでした。考えて見れば初日なので私達はこの展覧会一番乗り。「実は明日からなのでは?」との心配は杞憂に終わりました。共通のチケットを買い入場、荷物はロッカーに預けることができました。エイヤ=リーサ・アハティラ展は大きく3つの作品で構成されています。

まずは 《 ウィンド 》 。
14分20秒のサウンド付き3面プロジェクションによるDVDインスタレーションです。入り口を入ってすぐの小さなホール。プロジェクタースクリーンが3面、ホールを囲んでいます。中心には背もたれのない長椅子。そこに座って鑑賞するようです。

《 ウィンド 》 は既に上映されていました。パンフレットを読むと作品の内容は「叫ぶこと」のできない女性のストーリー。彼女は替わりに自分の手を強く噛み締めるというものです。ちょっとふくよかな女性が、彼氏や同室の友達と喧嘩したり、部屋の中を散らかしたりします。口紅を田の字に並べて、その上に台をのせ、自分がそのまた上に乗ったりしてました。ストーリーはよくわかりません。それでも感動的したのは、3つのスクリーンの使い方が巧いから。スクリーンが3つあるだけで、こんなにいろいろできるとは。

基本は同じ場面を3つの視点で捉えます。左のスクリーンでは彼がゲームをしていて、真ん中のスクリーンでは彼女が掃除、右のスクリーンでは誰もいない部屋が映されています。同じものを3つの視点から捉えるのではなく、かと言って別の場面を平行に映しているのでもありません。その場一帯を自分3人が方々見ている感じ。
右のスクリーンに映っているドア。真ん中のスクリーンにいた人が移動、ドアを開けて右のスクリーンに映る。これだけでも結構きょろきょろスクリーンを追わなければなりません。これをホラー映画かなんかで使われたら怖いだろうなぁ。全部3回づつ撮影しているのかな?そのまま撮っていたらカメラが写ってしまうだろうし・・・。
3つのスクリーンの時間軸を微妙にズラす演出もありました。人が左、真ん中、右と通ったはずなのに、真ん中のスクリーンにだけは映らないなんて時もありました。同じシーンを左、真ん中、右の順に繰り返すというのもありました。
こういった手法はアハティラ女史の考えたものなのだろうか?会場はもともと3スクリーンに投影できるようシステムになっているようだし、良くある手なのかな。他の展示作品を見てみる必要がありそうです。

次は 《 セノグラファーズ・マインド I-IX 》 。
写真が9点展示されていました。 《 セノグラファー 》 って何だろう?と思っている内に見終わってしまいました。意味を知っていれば見方は変ったかな?

最後は 《 ハウス 》
こちらも14分20秒のサウンド付き3面プロジェクションによるDVDインスタレーションでした。パンフレットによると、聞こえないはずの声が聞こえ始める女性の話とか。《 ウィンド 》 程、スクリーンの使い方に凝ってなかったように思います。牛がテレビから出てくるシーンや壁を車が走るシーンには(作者の意図とは別に)笑ってしまいました。森の中、空中を彷徨う姿もどうみても吊るしているようにしか見えないし・・・。
でも女優さんの儚く綺麗な姿は印象的でした。

  案内 ~ エイヤ=リーサ・アハティラ展

フィンランド出身の女性ビデオ・アーティストによる個展。
映画やテレビのように俳優や撮影スタッフを調達して作品を制作する。
現実の描写の中に時折映る幻想、それにより人間の感情の極限を表現する。
 
 
 


■ Eija-Liisa Ahtila.|. The Wind.|. 2002 ■

  地図 ~ 東京オペラシティアートギャラリー


 

  リンク集(参考サイト)

東京オペラシティ アートギャラリー
エイヤ=リーサ・アハティラ – Wikipedia