★ 2016年04月10日 時として誰も想像しないような人物が、想像もできない偉業を成し遂げる 号


◆ そこに行けば、どんな夢も叶うというよ

● 友人のお母さんが亡くなりました。お通夜に出席するため成田へ。会社に着て行ったのは喪服のような黒い背広。ネクタイだけ着替えて向かいます。

前の晩のこと。

《 おまえもいつ喪主になるかわからないのだから、よく見ておきなさい 》

そう窘(たし)なめる私の母。いつかは、そういう日が来るんだなぁ。でもその時を思ってもなお、息子が恥をかかないようにと気を配る母、他の家も同じなのだろうか・・・。

しんみりとした道中。しかし、参列したお通夜は、しんみりだけではありませんでした。これは成田の土地柄か?
(--;

● 葬儀場は山の中、時々流れるヘッドライト。満天の星を見るのは久しぶり。受付で挨拶。式場に入るとお坊さんが話を始めています。着席している親族一同、ゆかりの人達。喪服の前で話す坊さんは明るい声。そうやって遺族の悲しみを和らげるのかと聞いていると、これが妙に明るい。

《 お経と言うのは何も難しい事を言ってわけではありません。 故人がこれから向かう、あの世の様子を表しているのです 》

まぁ、この辺りはいいとしても、

《 最近はあの世も便利になりまして、コンビニとかもあるんですよ 》

サンジャポに出てる、ちっちゃい弁護士の人みたいな喋り方。こんなとき無理に笑いを取らなくてもいいのに…。
(-.-;)

だいたい話が下手、話術だけで人を笑わせるんだったら間を間を考えなきゃ。一度、名人の落語を聞くべきだ。いやいやそんな場合じゃなかった。こんな時は可笑しくたって笑いたくないじゃないのかなぁ。

● いつも聞いてるのと、ちょっと違うような。長い話が終って読経。こっちを向いてるのは、白髪で微笑むお婆さんの写真だけ。

お焼香。親族へのお辞儀の時ちらり、友人を探すもどこにいるかわからず。こういう時になんと言うべきか。いつも元気いっぱいな人だけに、落ち込んでる姿を見るのは辛い。最後に親族がご焼香。う~む、やっぱりどこにいるかわからない。眼鏡をかけても近視。女性は黒い服を着ると雰囲気が変わるからなぁ。

● お通夜の終り、親族の方から声が。故人を偲んで歌を歌うらしい。

・・・えっ、歌!?

一同起立。中央にメンバーが集まります。指揮者らしき人の合図で音取り。

あ~♪

こ、これは。

《 うさぎ追いし、かの山~小鮒釣りし、かの川 》

う、うまい!即席じゃ出来ない三和音。なるほど。これはお達者合唱団。趣味の集まりに故人も参加していたということか。名残を惜しむように、ふるさとは3番まで完唱されました。

● 帰りはスカイライナーで。友人は思ったより元気だったのでよかった。聞けばもうずいぶんと前から、お母さんは入院してたらしい。普段はそんなとこ見せなかったけど。

それにしても、あの世はそんなにいいところなのか。お寺に来るのは仏教徒だからではなく、死んだら来るところだから。そう思ってたけど、少しお経の勉強をしてみるか。 車内は海外旅行から戻った旅行客の愉しい声。私の頭の中にはガンダーラの調べが木霊(こだま)してました。

( この話は 2010年04月05日に、東京つまみ食い にアップしたものです )


◆ 更新記録 2016年03月27日 ~ 2016年04月02日


◆ タイトルの言葉

● Sometimes it’s the people no one imagines anything of who do the things that no one can imagine.

● 映画「イミテーションゲーム」より。アラン・チューリングの少年時代、友人が彼に言った台詞です。その予言通り、彼は不可能と言われたエニグマ(ドイツの暗号機)の解読に成功します。

● 天才に変人が多いのか? 変人に天才が多いのか? アラン・チューリングも、かなりの変人だった模様。かくゆう私は天才ではありませんが、変人であることは確か。

「 風葉さんって変わってまるよね 」そう言われて初めて
「 この人は私を理解している 」と判断、心を割って話せるようになります。

・・・やっぱり変人だろうなぁ。
( ̄Д)=3