箱根旅行のレポート、5話め

◆すずめのお宿
細い坂道にぼんやりと灯る宿の名(めい)、春光荘。さすが箱根、落ちついた和風の建屋が似合ってます。東京とは別の時間が流れているかのよう。到着した一行、なにやら後ろが騒がしい。「七人さん、駄目じゃないですかぁ~」とN藤くん。どうやら、札に「DK御一行」の文字がないのが問題らしい。…本名じゃまずかったのか。幹事道とは実に奥が深い。
(^_^;
本当に小さな受付、一人で満員でした。宿帳に名前を書いてたら、後から来た客が駐車場で車をぶつけたとかで騒ぎ。確かに狭そうなところにぎっしり、私の運転ではニュース沙汰になるところだった。しかし、本当にいろんな事の起きる旅だなぁ。

案内の人に連れられて部屋へ。細い廊下は複雑に入り組んでいます。建て増しに建て増しを重ねて、まるでこの旅館自体が大きな寄木細工のようです。8人部屋に到着。十二畳ぐらいの部屋に四畳半くらいの部屋がプラス。想像してたよりは小さいなぁ。
すぐに担当の仲居さんが挨拶と説明にきました。…はい。なるほど。ほ、ほう…。話が終わると夕食の時間を決め、戻っていきました。
「Dukeさん、チップあげなくてよかったですかね」
また、失敗しちゃったかと確認すると、
「いいねぇ~、今の仲居さん」
私の心配には答えず、仲居さんの出て行った戸を見つめてます。
「清楚、貞淑にして可憐。…女性はこうでなければ」
と一人うなずDukeさん。
一体…(;^_^A

◆温泉!温泉!温泉!
夕食までの時間、温泉につかることに。みんな浴衣に着替えます。案内をたどって大浴場へ。(注1)途中々々でジャージ姿の女子高生に遭遇。みな挨拶をしてすれ違います、随分礼儀正しいなぁ。なにか全国大会があるとのこと。審査委員にでも間違えられている?
小さな脱衣場、大きな竹カゴがたくさん。丸裸。タオル1本持って中へ。右に細長い湯船、左に一列の洗い場、なんともシンプルな造りの湯殿。そしてほとんど貸し切り状態です。湯船につかって吃驚、結構熱い。でもさらさらなお湯。草津の湯が木綿豆腐なら、こちらは絹ごし。お湯の粒が細かく感じます。ほほぅ。これが箱根の湯か。
頭を洗っていると後ろ上がる悲鳴。あの声はI上さん、一体何ごと!?声は湯船のさらに奥からでした。ガラス戸の向こうに露天風呂があるもよう。私が駆けつけた時、I上さんがぽつり一言。
「な、な、中に何かいるっ!?」
丁度、大蛇やら噛み付き亀とかが民家で見つかり騒ぎになってた頃。無防備な男たちに緊張が走ります。薄明かりの中を透明な湯をじっと見つめるとありました、一枚の木の葉が。まさかこれじゃあ?
(^_^;
その後しばらくの間、みんなの笑い声が箱根の町に響きました。

◆宴も酣(たけなわ)
さっぱりしたところで宴会場へ。今度は驚くほど広いところに案内されました。ちょっとたじろぐ七人(ななにん)。襖で区切られた、その奥からも宴会の声がしています。真ん中にぽつりとあるお膳につきました。反対側にはステージが、カラオケもできるらしい。乾杯の音頭。いやいや、幹事は疲れる。でももう酔っ払っても大丈夫、飲んじゃおっと。
(^o^)/

S田さんが私に聞きます。
「七人さん、花はどうなりましいたか?」
もう、さっき言ったでしょ。コンパニオンの代りに今回は…。ちょうどその時、舟盛が運ばれて来ました。
「おお、すごい!」
余裕のある人から余裕の無い人までを考慮し、選択した今回の目玉。トロ、赤身、サーモン、いくら、つぶ貝、イカ、蛸、…。まずその量がみなの注目を集めます。…でも何か違うなぁ。そうだ、船じゃない!確かにお刺し身のオンパレードなのですが、それは分厚いまな板のようなものの上。私は下駄盛と命名しました。船が出払ってしまったというのなのか…。
Σ( ̄ロ ̄lll)

みんな浴衣を腕まくり、始めから無礼講。でもDukeさんだけが、おとなしいです。飯櫃(いいびつ)も出て、仲居さんが奥に戻ると
「しまった!写真を取り忘れた!!」とため息。
…それほどまでに。
(((((^^;)
宴会の盛り上がりにまかせ、次の旅行はI上さんの幹事に決定。次回は鬼怒川辺りがいいのですけども…。

いよいよ次回、クライマックス

<予告>
箱根は更けてゆく。鳴り止まぬ電話の音(おと)、そしてカラオケのハスキーな歌の主とは…。なんとか第七話までで決着しそうです、…本当によかった。
(@_@。
注1)この部分は前回の石和温泉の話でした。
(^^;
Dukeさんから指摘がありましたので削除します。


この記事は 2006年03月02日に 東京つまみ食い にアップしたものです。


  
 

旅行年月:2005年10月
旅行場所:箱根



[ 更新記録 ]

2稿)2017年09月05日、街角アイキャッチ
初稿)2005年10月03日、東京つまみ食い