★ つるかめ食堂 ~ 元気丼【写真0枚】

2004年、新宿西口思い出横丁。つるかめ食堂のレポートです。

案内

思い出横町にある安くて個性的な丼が食べれる店。
ソイ丼など丼各種がお勧め。
格闘家・角田信朗が現在の奥さんを最初にデートに誘った店がここ。

地図

感想

◆ 勇気を出して

ソイ丼、元気丼、健康丼。ポジャ丼にバカコンポジャ丼、それにバカでアホでフラメンキン。これはつるかめ食堂のメニューの一部です。メニューだけでなく随所に溢れる店の個性、私は圧倒されてしまいました。インパクトは間違いなく★5です。
 
西口は新宿大ガードの近く。巨大デパートやカメラ量販店、グルメビルの狭間に思い出横町はあります。戦後の闇市がそのまま飲食街になったというこの一帯。別名はしょんべん横町。残念ながら1999年の火事で1/3がその姿を消したそうですが、新しくなってもちょっと如何(いかが)わしい雰囲気が残っています。今まで勇気がなくて入れませんでしたが、今回同僚に連れられ行くことができました。
 
◆ 圧倒的な個性

思い出横丁の入り口を飾るネオンサイン、裸電球がその文字をがぐるりと縁取っています。細いアーケードは予想外の長さ。出っこみ、引っ込み、ぎっしり、飲み屋が並んでます。ちょっとの透き間もありません。店はどこも5~6人も入れば満員という大きさ。しばらく歩くと目当てのつるかめ食堂がありました。

店は火事の被害を免(まぬが)れたそうで、昔のままの佇(たたず)まい。前に《 バカはうまいよ 》《 豆を食べよう 》との垂れ幕が。それぞれ臙脂(えんじ)に白抜き、黄色に黒文字です。それにしてもすごいコピーだ。
横町では大きな方で、ガラス戸越しに明るい店内が見渡せます。どうやら満席の模様。馴染みのAさんが身振り手振りで店の人と交渉。二階へ回ることになりました。・・・えっ、二階?があるの!
 
カウンター席の後ろを回ると奥に工場の非常用のような階段。かなり急で狭いです。そこからぴょこりと顔を出すと2階の全貌が。随分と広いです。席は厨房を囲むコの字型のカウンターのみ。客はまだ年配の会社員が一人だけ、誰かを待っている様子です。コの字の真ん中の一辺を三人で陣取りました。
 
改めて店内を見渡してみました。広く感じるのはどうやら天井がないからよう。通風孔の配管が丸出しになってます。真夜中に銃の密造でもできそうな雰囲気。昨日行った《 黒澤 》が黒澤映画の時代劇の舞台なら、こっちは昭和を扱った映画の舞台だ。
何が入っているのか、随分と前から置かれてると思われる段ボール。厨房の中には大きな電気釜。炊き立てのご飯に木のシャモジ。牛すじをたっぷり煮込んだ鍋はすぐ目の前で煮えてます。空の丼(どんぶり)は発泡スチロールの箱に入ってます。それにしてもこのカウンター、どう贔屓(ひいき)目に見ても傾いているなぁ。
(^^;
 
◆ コートを着たままで

後ろの壁一杯に料理の名前が張り出してあります。有名なソイ丼は大豆(ソイビーンズ)と挽肉をカレー粉で炒めたもの。上に自家製スモークハムが1枚のって500円です。ソイを使った料理は他にもいくつかある模様。(泉麻人さんのコラムに由来が書いてありました。20年前に足を痛めた店主が医者に勧められた始めた大豆食が切っ掛けだったとか。初めは大豆丼と呼んでたのが、若い常連客の横文字の方がカッコイの一言でソイ丼に変ったそうです)
 
私は元気丼を食べてみました。ゼラチン質たっぷりのすね肉に、牛タンのマリネがのっています。それでも牛丼ほどクドくないように感じます。ご飯もちょっと他とは違う味、きっとこうゆうのを銀シャリというに違いない。
他に大豆の酢の物・わかめ酢の健康丼、ポジャ丼は鶏と牛のカツ丼スペイン風。バカでアホでフラメンキンは牛肉のガーリック味天ぷらだそうです。丼を食べながらのビール、気が付くとまだコートを着たままでした。まぁ寒いからこのままでいいか。サッポロビールのオマケのコップで、もう既に手酌です。
\(*^^*)/ヒック
 
◆ 5cmのやさしさ

一品料理はどれもステンレスの長皿にキャベツの刻んだのがのっています。天ぷらや揚げ物。ついつい頼むのは似たようなもの。「その二つはほとんど同じだよ」と賄(まかな)いのおじさん。屈託のない笑顔です。こんな笑顔を新宿で見ようとは・・・。こちらもにっこり。
 
いつの間にかカウンターはお客で一杯になってました。最初からいる年配の会社員は、待っていた連れが来たようで、店に取り寄せてもらった日本酒を飲んでいます。左手にはサラリーマンと同伴らしき飲み屋のお姉さん。お姉さんは店に入ってきた時、お店の人にバレンタインチョコを渡していました。その手前に作業員風の二人が着席。カウンター口近くでは、店主?らしき人が夕飯を食べてます。
そこに新たに学生らしき男女5人組。2階に上がってきたのはいいものの、席がなくて困ってます。すると会社員の連れの人が立ち上がって、こう言いました。

「みなさん、5cmだけ横にズレましょう!」

きっかけを待っていたかのように大移動が始ります。へぇ~、まるで芝居小屋のノリだ。
お勘定になりました。店の人がカウンターに並んだ空皿を数え始めました。(なるほどそれで片付けなかったんだ)どう考えてもちゃんと計算しているように見えませんが、1人当たり2000円の安さ。
 
チェーン店の居酒屋では味わえない雰囲気。飲み屋で憩えたのは、これが初めてではないかな。でも虫がいたりもするので、人にお薦めする時は注意が必要です。

リンク集

新宿西口思い出横丁: つるかめ食堂
新宿・思い出横丁の生ける伝説「つるかめ食堂」は昭和の記憶がなくなってしまう前に行っておきたい心のふるさと – ぐるなび みんなのごはん

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