★[感想]遊星からの物体X

 感想記事の抜粋


原題 The Thing
惹句 南極大陸の氷の下から宇宙最大の恐怖が蘇える!
監督 ジョン・カーペンター
俳優 カート・ラッセル
俳優 A・ウィルフォード・ブリムリー
俳優 T・K・カーター
俳優 デヴィッド・クレノン
蘊蓄 『遊星よりの物体X』(1951年)のリメイクというよりも、原作となった短編小説『影が行く』に対する忠実な映像化となっている。
笑いたいけど怖すぎる。ジョン・カーペンター監督の傑作、遊星からの物体Xの感想です。

 

 

作品紹介

南極探検隊12人を襲ったのは、未知の生命体と疑心暗鬼。

あらすじ

磁気嵐の中のアメリカ南極観測隊第4基地。隔離された隊員達の前に一匹の犬が現れる。ノルウェー隊から命を狙われていた犬。やがてその正体を現します。
物体Xとは10万年前に地球に漂着したエイリアン。特定の姿を持たないその生命体は狙いをつけた人間や動物の体内に侵入、同化してしまうのだ。犬に姿を変えて次のターゲットを見つけた物体X。一人、また一人と隊員に同化しては、次の犠牲者を探します。やがて隊員達はお互いを信じられなくなって・・・。

感想

見た事のないものを見れるのが映画のよさ。この映画は本当に見たことがないものが見れます。ノルウェー隊の奇妙な死体、犬が正体をあらわすシーン(後述)、スパイダーヘッド(後述)。確かにちょっとエグいですが、B級というなかれ、一見の価値はあります。

それに誰がエイリアンにとり憑かれているか判らない恐怖。全員を縛って一人一人血液検査をするシーンがあるのですが、ずっとドキドキものです。感情を移入できる主人公が登場しないのも、その恐怖を高めてます。

20年近く前のSFXで、多少古く感じられますが、こんなにインパクトのある映画は滅多にないです。思わせぶりなラストもグットです。

ワンシーン

<ネタバレ注意>

度肝を抜かれるのが次の2つのシーン。

1)犬の花

檻に入れられた犬に、他の犬たちが警戒します。突然、犬の顔がまるで花の蕾が開くように割れ、中から沢山の触手が現れます。このアイデアがすごい。何度見ても驚かされます。

2)蜘蛛頭

手術台の上のノリスの腹からエイリアンが出現、ノリスの頭がちぎれ落ちるシーン。その顔の表情も凄いですが、その後首から数本の足が伸び歩き出すのには吃驚。この特撮がすごい。首がちぎれ落ちるシーンには納豆が使われたとか。あの粘り気はその為だったのかと思わず納得。

薀蓄

『遊星よりの物体X』(1951年)のリメイクというよりも、原作となった短編小説『影が行く』に対する忠実な映像化となっている。
「通信機能が麻痺してしまった南極越冬基地」という閉鎖空間において、「誰が人間ではないのか、自分が獲り込まれたのかすらも分からない緊迫した状況下における、隊員達の心理状態と、難局を打開しようとする姿」を描き、最後まで明快な結末は見えない。
原作と大きく異なる部分は「物体Xの形状」「登場人数」「それを退治する方法」などである。また、映画では地球外生物の同化する様子、増殖し擬態する生態をSF的理論の範囲内でまとめ、説明も行っている。
1975年、ユニバーサル映画のスチュアート・コーエンが友人のカーペンターに『遊星よりの物体X』のリメイク企画を打診。2年後、『エイリアン』のヒットによって企画にゴーサインが出たものの、脚本は難航した。
1981年初頭、プロダクションアート担当のデイル・キュイパース(Dale Kuipers)(『おかしなおかしな石器人』)がクリーチャーデザインを進める途中で事故に遭い離脱、後を引き継いだロブ・ボッティンがデザインを大幅に変更した。
撮影は同年8月頃から行われたが、特殊効果の作業は本編終了後も続き、それは1982年4月にまで及んだ。
細胞単位で生存し、あらゆる生物を同化するそれの姿を、ありふれたモンスター的なデザインとはせず、地球上の様々な生物やその一部の形状を混ぜ合わせたおぞましいものにまとめ、CGによるVFXが全盛の現在においても全く見劣りしないリアリティーを与えたロブ・ボッティンの造形は、後のSFXやクリーチャーデザインに多大な影響を与えた(DVDには特典映像として、デイル・キュイパースによる「モンスター的な宇宙生物のデザイン」が収録されている)。
特殊メイクアーティストのロブ・ボッティンはクリーチャー制作に1年5週間不眠不休で働いて倒れた。
カーペンター監督は、若手のロブ・ボッティン(22歳)に特殊メイクを頼むつもりは無かったが、『ハウリング』の狼男の変身シーンの出来を思い直して頼むことにした。結局、カーペンターは彼のこの仕事っぷりに大満足だが、ぜいたくな苦言を呈した。「ちょっとリアル過ぎるよね」
小屋の中で変容する「犬」は1982年初頭までデザインも決まっておらず、時間的な都合からスタン・ウィンストン(ジュラシック・パークの恐竜、エイリアン2、ターミネーター)の率いるチームによって製作された。
終盤に床板を突き破って出現するブレア・モンスターは、当初ストップモーション・アニメで撮影されていたが、カーペンター監督の評価基準に合致せず、アニマトロニクスで作り直された結果、断片的な採用となった。暗闇に消えたノールスについては、巨大化したブレアに吸収される様子が絵コンテで残っており、当初の構想を伝えている。なお、どちらもDVDに映像特典として収録。
ラストシークエンスには息をしていないように見える人物が登場し、それに同化されたことを示す演出だという説が出たが、監督はこれを「照明の加減で息が見えにくかっただけ」と否定している(チャイルズに同化したそれの息はハッキリと確認できる)。
この映画には女性がまったく出てこない。
原題の「the thing」は、直訳すれば、事柄、事、生物そのもの、といった意味。

資料

原題 The Thing
英題 The Thing
惹句 南極大陸の氷の下から宇宙最大の恐怖が蘇える!
脚本 ビル・ランカスター
原作 ジョン・W・キャンベルの短編SF小説『影が行く』

監督 ジョン・カーペンター
制作 デイヴィッド・フォスター、ローレンス・ターマン、スチュアート・コーエン
指揮 ウィルバー・スターク
音楽 エンニオ・モリコーネ
主題
撮影 ディーン・カンディ
編集 トッド・ラムジー
美術 ジョン・J・ロイド
視覚 アルバート・J・ウィットロック、ロイ・アーボガスト、リロイ・ルートリー、ミッチェル・A・クリフォード
特殊 ロブ・ボッティン

俳優 マクレディ(ヘリのパイロット)/ カート・ラッセル
俳優 ブレア(生物学者)/ A・ウィルフォード・ブリムリー
俳優 ノールス / T・K・カーター
俳優 パーマー / デヴィッド・クレンノン
俳優 チャイルズ / キース・デイビッド
俳優 コッパー(医師)/リ チャード・A・ダイサート
俳優 ノリス(蜘蛛頭の人)/ チャールス・ハラハン
俳優 ベニングス / ピーター・マロニー
俳優 クラーク(犬の世話係)/ リチャード・マシュール

会社 デヴィッド・フォスター・プロダクションズ、ターマン=フォスター・カンパニー
配給 CIC
公開 1982年11月13日
上映 109分
国旗 アメリカ合衆国
言語 英語

費用 $15,000,000
収入 $19,600,000


 

本編を観るには・・・

参考

遊星からの物体X – Wikipedia
『遊星からの物体X』を絶対に見のがしてはいけない2つの理由 | ネットラジオ BS@もてもてラジ袋
「遊星からの物体X」で公開されなかったクリーチャーたち(※閲覧注意) : カラパイア

映画「遊星からの物体X」の誰が人間で、誰が「それ」だったのかが明らかに|ギズモード・ジャパン
#31『遊星からの物体X』 | 映画好きのちょっとしたブログ Hyuga Wave Blog
「遊星からの物体X」(1982 アメリカ映画) : 万事休すで茶を沸かす
「遊星からの物体X」にオマージュ捧げたSFスリラー日本公開 – 映画ナタリー
本当に怖いのは人間/遊星からの物体X ジョン・カーペンター監督 – シネマトブログ

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更新履歴

5稿)2021年08月13日、シネマドローム
4稿)2016年11月27日、シネマドローム
3稿)2015年09月02日、シネマドローム
2稿)2010年12月16日、シネマパレード~隼
初出)2001年07月29日、東京つまみ食い

 

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