★ 2016年03月13日 墜落11秒前、「もう駄目だ!時間がない」号


◆ 時の過ぎ行くままに

● 時間ができると街を歩く、知らない場所に行く、それが私の趣味。電車代にバス代、それかガソリン代に駐車場代。ついでに何か食べるので、意外にお金がかかる道楽です。

銀座、新宿、渋谷、池袋。繁華街を歩いていて気付くのは、男ひとりじゃ行けない場所が多いこと。デパートや百貨店、その多くの売り場面積(それも一等地)を占めるブランド店や、おしゃれな街に並ぶブティックがそのひとつです。

その中は謎のエリア。でも最近はKさんの付き合いで、そのベールの奥へ踏み入ることがしばしば。初めはどこにいたらいいのか、立ち位置がわかりませんでしたが、最近はハウスマヌカン(死語?)との会話も楽しい一時(ひととき)です。

《 どうぞこちらにお掛けになっていて下さい 》
《 はぁ、どうも 》
(^_^;

● 可愛いという言葉は何回使われてもその効力を失わない不思議語。それだけでなくここは、私の理解の越えた空間です。まずは値段。服は裸を隠せればいい、暑さ寒さをしのげればいい、ポケットが多ければいい。そんな私の常識を見事に覆すTシャツ1枚32,000円。このワンポイントのどこにプラス30,000円の価値があるというのか。
Σ( ̄ロ ̄lll)

パソコンが買えそうな鞄、一カ月の家賃の靴、海外旅行にいけちゃうワンピース。でもそれが当たり前。

・・・生活レベル、生活レベル、生活レベル・・・

自分を見失わないための呪文を覚えました。

● 店の人の能力の高さにも驚き。まずはその観察力。服の前で立ち止まる、ちょっと手に取る、そして値札に指が伸びる直前、《 それ可愛いですよねぇ~ 》と現れる店員(ひと)。絶妙なタイミング、そして自然な登場角度が《 いつの間に 》感を打ち消してます。

《 この間、ボレロを買われた方ですよね 》

記憶力にも鍛練の跡が見受けられます。

《 これ一枚あれば、いろいろ使い回せますよ~ 》
いろいろな魔法の言葉をあやつります。
(^_^;

彼女たちの中にはショップから自前で洋服を買い、それを着て、まさに動くマネキンで働く人もいるそうです、愛社精神の鏡、趣味と実益のコラボだなぁ。

● 訪れるお客さんも興味の対象です。やはり多いのは若い女性。友達と来てたり、一人で来てたり。みんな目が真剣、そして瞳の奥は冷静。素早い計算がなされているのがわかります。
存在感を発するのはカップル。周りが敏感に反応、譲っているのか、避けているのか。店の人の対応も男がいると丁寧になるらしい。
以外に多いのが年配の女性。子供はとうに手を離れ、定年過ぎのお父さんと家にいるよりは…。洋服を見る時の目の輝きは若い女性と同じなのには教えられることが多いです。

● 自分でも見てるだけで楽しいのはアクセサリー。ハートや星、四葉のクローバーというのが定番ですが、中には意外なモチーフが使われていることも。
林檎、葡萄、骸骨、フクロウ、鍵、角張ったロボット。この辺りは想像できる範囲ですが、ハエ、蛇、蛙、イグアナ、エンドウ豆にサヤエンドウとなると…。
丸ビルで見つけたのは薬のカプセル。銀のブレスレット、数本の短いチェーンの先に錠剤。おぉ斬新だ。エナメルのブーツとかに合いそう。私もコーディネーションに目覚めてきたようです。

● 店内をぐるりと見回し、お勧めを何点かチェック。合間合間でSuggestion。Kさんは可愛いを連発、きっと店の人に感謝されているに違いない。
(^。^;

でもあとは特にすることもなし。暇だなぁ・・・。年配のお父さんは道路に出て、何かを見上げています。視線が作るきれいな斜め35度。

~ 時の過ぎ行くままに、この身をまかせ♪ ~

昭和の巨星/阿久悠の名曲がバックに流れているかのようです。あの領域に達するには、あと何回の日曜日が必要だろうか。

《 これ、試着してもいぃい? 》と飛び切りの笑顔。
《 うん、いいよ 》と応える私。

でもこれが今の私の一番の休息。さて帰りには何を食べようかな。

( この話は2007年10月14日に、東京つまみ食い にアップしたものです )


◆ 更新記録 2016年02月28日 ~ 2016年03月05日


電脳タイル
 
シネマドローム
 
テレビの悪足掻き
[女優]北川景子(きたがわけいこ)のすべて
 
街角アイキャッチ
2006年07月撮影分
2006年06月撮影分
 
幸せを呼ぶ料理
李白
美輪
 
ご褒美ショッピング

※ サイドバーにも各サイトへのリンクがあります。


◆ タイトルの言葉

● 夢の超音速旅客機コンコルド。その運航を停止に追いやったのは2000年7月の墜落事故、原因の究明をたどった海外ドキュメンタリーで知りました。タイトルは墜落直前、機長が叫んだ言葉です。超音速で飛んでいたのに、最期に「時間がない」とは、なんとも皮肉です。

● 怪鳥と呼ばれたコンコルド。イギリスとフランスの共同開発。折り曲がる機首がロボットアニメみたい。デルタ翼はドレスをまとっているようにエレガント。ロールスロイスのターボエンジンを4機搭載。通常の2倍の高度で、その巡航速度はマッハ2.0。ロンドン~ニューヨーク間を3時間40分で結んだといいます。料金はファーストクラスの20%増し、選ばれた人だけが利用できる100人乗りです。そんな飛行機がなぜ・・・?

● 事故の原因はこう。離陸滑走中、DC10が落とした(と思われる)金属片を踏んだコンコルド。タイヤは破裂、タイヤ片が燃料タンクを直撃、タンクはその衝撃により全部が破損、激しい燃料漏れが発生。タイヤ片は電気ケーブルも切断、発火の原因となります。
気付いた機長はすでに安全に停止できる速度を超えており、やむなく離陸。失速し、墜落、ホテルに激突しました。
乗員、乗客113名全員死亡。乗客の中にはこの旅のために、20年間コツコツ貯金を貯めた教師夫婦や、親子三世代で搭乗した一家も。またホテル側にも死亡者が。旅客機が街中に落ちるなんて、911以外にもあったのか。

● でも問題は他にもいろいろあったらしいコンコルド。ソニックブーム(音速を超えた時に発生する爆裂音)により航空路は限定、極端に悪い燃費(ジャンボの6倍消費で1/4の乗客)。商業的には失敗、そしていわゆるコンコルド効果。事故がなくても淘汰される運命だったのかも知れません。

● 東京オリンピックにリニアモーターカー。コンコルドも2020年に復活する計画があるそうです。スピードが第一だった1970年代から50年。果たして今の時代に受け入れられる出そうか? どんな姿なのかは楽しみですが。
・・・それにしてもコンコルド効果って言葉、身に沁みるなぁ。
(ーー;